海底人8823って何だったんだ

海底人8823って何だったんだ

昔の懐かしいドラマを見ていると出てくる「海底人8823」。昔を知らない人は、これっていったい何?って思ってしまいますよね。暗証番号のような8223、ハヤブサって読むんですよ。1960年に製作された特撮テレビ番組で、8823(ハヤブサ)は、主人公の名前なんです。久しぶりの人も、知らない人も、見たくなってきちゃいますよね。


海底人8823とは

「海底人8823」って、いったい何のことでしょう。それは、1960年に製作された特撮テレビ番組なんです。更に8823は、劇中に登場する主人公名称でもあるんですね。8823はハヤブサって読むんですよ。当時、ノンフィクションライターとして活動していた黒沼健氏が、原作と脚本を担当していました。

海底に沈んだ大陸のことや3万サイクル(=30キロヘルツ)という人間の耳には聞こえない音を出す笛など、黒沼が持っていた科学に関する知識が随所に反映されました。このような科学系のドラマは、当時としては珍しい作品だったんですよ。これまで当たり前と されていたドラマの構成を無視した脚本と演出は、大映テレビの原点になっていきました。

ストーリー

両親を亡くしてから及川博士の養子となり、箱根で暮らしていた中学生・及川勇少年。流星群が降りしきるある日のこと、偶然にも芦ノ湖畔で倒れていた奇妙な服装の男を見つけ介抱します。その男は海底人で、エルデ10008823と名乗りました、通称はハヤブサですね。そして、何かあったらこれを吹きなさいと、笛を少年に渡して去ったのです。

それ以来、勇少年がピンチに陥るたびに、ハヤブサが登場するという設定の冒険活劇となるのです。物語は、及川博士が発見した数式「X132」を巡って、それを狙うブラックスター団との攻防を描いていきます。それにしても、光線銃から出る光がクルクル回ったり、海から飛び出すシーンに逆回しを使うなど、今見るとかなりのシュールさで、かえって面白いかもですね。

エルデ10008823

海底人というのは、50万年前に地球に大接近したツイフォン彗星の影響で海底に沈んだエルデ大陸人の生き残りだそうです。モチーフはアトランティスのようですね。そのエルデ大陸からやってきた海底人で、本名はエルデ10008823。ただし長い名前なので簡略してはやぶさと呼ばれます。

短時間だけですが、相手を気絶させてしまう特殊な光線銃が海底人の武器です。殺さず気絶させる、この当たりもなかなに良いですね。銃から発せられる光線は、肉眼では見えず、発射中は特殊な音が鳴ります。機械使って自らと同じ姿をした分身を登場させ、偵察などをさせることができ、自らも背広姿で行動するのです。任務が終わると、波しぶきを残し海底に帰って行くのが定番の終わり方になっています。

ところで、機械使って自らと同じ姿をした分身って、後に大ヒットアニメとなる、パーマンのコピーロボットに似てましよね。更に3万サイクル聞こえない笛は、マグマ太子呼ぶときの笛と同じ。「海底人8823」は、その後に登場する様々な作品に、ヒントやアイテムの発想を与えた貴重な特撮ドラマだったのかもしれませんね。

生命維持ベルト

8823の初登場シーン、湖におりる斜面の脇道にうつ伏せに倒れている8823を勇少年が見つけるのですが、ちょっと離れたところにベルトが落ちているんです。8823が苦しい息の下で、ベルトが欲しいと言われベルトを拾ってきてあげます。
そこでの2人の会話が、ただ面白い。

助かったとお礼を言う8823に、勇少年はこの寒さの中を泳いでいたんですかって?それの返事が、水の中じゃなく陸で調査をしていたら滑ったって。そしたら、赤土が多いから、誰でも滑るんですよ。なんか、普通に会話しているようで、微妙に嚙み合ってないんですよね。

会話も実にシュールなんですが、生命維持ベルトという最も重要なアイテムが、滑って転んだぐらいで外れる、これは危険ですね。

海底人8931だったら白菜さん

更に笑える会話が続きます。何か用事があったら、この笛を吹けば助けに来るからと言う8823に、勇少年は名前をききます。それに対して、エルデ10008823との答え。そしたら少年、それって、電話番号ですかだって。名前だと繰り返した8823は、長いから最後の8823でもいいよっていうのです。ハヤブサという読み方に、少年は数字でなく字のように読むんだと感激。それを見てハヤブサさんは、名前なんて符号に過ぎないから、好きなように呼べばいいって。

でも、これが8931だったら白菜さんなっていたかもですね。更に0774だったら名無になって困りますよね。ところで、実際に道端で変な服を着た人を助けてあげて、お礼に音の出ない笛をもらっても、頭がおかしい怪しい人って思ってしまいますよね。

芦ノ湖は海と繋がっていた?

それにしても、最初に海底人が現われたのが芦ノ湖です。たしか海底人は、海底に沈んだエルデ大陸人の生き残りでしたよね。ということは、大陸が沈んだ海からトンネルか何かで繋がる芦ノ湖に来て、調査中に赤土で滑って転んで瀕死になったということでしょうか。その後も、頻繁に芦ノ湖が舞台になるので、エルデ大陸も近かったのかも。じゃあ、芦ノ湖は海水が流れ込む汽水湖だったんですね。

スクーター修理のおじさん

勇少年が最初に笛を使ったのが、実は、乗っていたスクーターが故障してしまった時なんですよ。笛を吹いたら、本当に8823がやってきました。そして、スクーターの修理をしてくれたのです。正義のヒーローの初仕事は、スクーターの修理だったのです。さすがに人の好い8823おじさんもこれはちょっとたまらないと思ったのか、笛を1回吹いたら機械が来る、2回なら自分が来るようにしようと決めたのです。

まだまだ出てくるシュールな場面

勇少年が初めて分身に合う場面や、どじばかりのブラック・スター団など、突っ込みを入れたくなるシーンの連続。シュールでありカルトな魅力に溢れた「海底人8823」、改めて熱烈なファンがいるのも納得ですね。とにかく、まともな感覚で観ていたら、なんだかおかしくなってしまいそうなシュールな作品。是非一度、鑑賞してみてくださいね。

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特撮 1960年

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