映画『ウエスト・サイド物語』とは


現代版『ウエスト・サイド物語』誕生!

2021年、スティーブン・スピルバーグ監督がメガホンを取った現代版『ウエスト・サイド物語』、その名も『ウエスト・サイド・ストーリー』が公開されました。主演は注目の若手俳優アンセル・エルゴートとレイチェル・ゼグラー。日本では2022年2月11日より上映開始!
ナタリー・ウッド

映画版『ウエスト・サイド物語』でヒロインのマリアを演じたナタリー・ウッド(Natalie Wood)は、1938年7月20日生まれカリフォルニア州サンフランシスコ出身の女優です。伝説的な天才子役と呼ばれたシャーリー・テンプルの次の世代の子役スターとして『三十四丁目の奇蹟』(1947年)で一躍脚光を浴び、西部劇『捜索者』や『ウエスト・サイド物語』『草原の輝き』などでその人気を確固たるものにしました。
私生活では、恋多き女性として知られエルヴィス・プレスリー、デニス・ホッパー、ウォーレン・ベイティらと浮名を流し、俳優ロバート・ワグナーとの2度の結婚でも有名ですね。しかし1981年11月、映画『ブレインストーム』の撮影中にワグナーやクリストファー・ウォーケンとヨットに乗っていたところ行方不明になり、翌日水死体となって発見されました。43歳でした。死因は事故死とされた一方で、不審死との意見もあることから、いまだ真相は謎のままです。
妹は女優のラナ・ウッド。2人の娘たちはそれぞれ、ナターシャ・グレグソン・ワグナーは女優、コートニー・ワグナーは宝石デザイナーとなっています。
リチャード・ベイマー

映画版『ウエスト・サイド物語』で主人公のトニーを演じたリチャード・ベイマー(Richard Beymer)は、1939年2月21日生まれアイオワ州アヴォカ出身の俳優・映画製作者・画家・彫刻家です。(※彼の生年月日に関して1938年2月20日生まれとする資料も存在する)。
ベイマーの俳優としてのキャリアのスタートはテレビドラマからでした。その後映画デビュー作となった『終着駅』(1953年)で注目され、1959年に公開された『アンネの日記』のペーター役で人気を確立。そして『ウエスト・サイド物語』のトニー役で大ブレイクを果たすのです。
一時はキャリアを中断してハリウッドを離れたこともありましたが、1990年に人気を博したテレビドラマ『ツイン・ピークス』のベン・ホーン役で再び注目されることに!そのほか映画を製作したり、画家や彫刻家としても活躍するなど多彩です。
ラス・タンブリン
映画版『ウエスト・サイド物語』でジェット団のリーダー、リフを演じたラス・タンブリン(Russ Tamblyn)は、1934年12月30日生まれロサンゼルス出身の俳優・ダンサーです。ヴォードヴィリアンだった父親の影響で6歳からダンスやアクロバットを習い始め、10歳のとき俳優のロイド・ブリッジスに見出されたことがきっかけで映画デビューしました。
その後子役・若手俳優として人気を集め、『掠奪された七人の花嫁』(1954年)やアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『青春物語』で本格的に注目されると、『ウエスト・サイド物語』の世界的な大ヒットにより人気を確立させました。1966年に公開された日米合作映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』では、科学者のポール・スチュワートを演じるため来日。高齢となった今でも現役で活躍を続けています。
3番目の妻との間に生まれた娘は、映画『旅するジーンズと16歳の夏』などで知られる女優のアンバー・タンブリン。
リタ・モレノ

映画版『ウエスト・サイド物語』でアニタを演じたリタ・モレノ(Rita Moreno)は、1931年12月11日生まれプエルトリコ出身の女優・歌手・ダンサーです。キャリアのスタートは13歳の時に初出演したブロードウェイの舞台。その後は舞台女優として活躍しながら、徐々に映画界にも進出していきます。
ミュージカル映画の傑作『雨に唄えば』(1952年)や『王様と私』(1956年)に出演したのち『ウエスト・サイド物語』で「アカデミー助演女優賞」及び「ゴールデングローブ賞助演女優賞」を受賞しました。70年代以降は、活躍の場をテレビに移し、子供番組『ジ・エレクトリック・カンパニー』では、様々な役柄を演じ分け、お茶の間の人気者に!
また彼女は史上16人しかいない「アカデミー賞」「トニー賞」「グラミー賞」「エミー賞」の4賞受賞者として、ギネスブックにも載っている凄い人でありながら、90代となった現在でもアメリカ・エンターテイメント界のレジェンドとして精力的に活動しています。映画『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)では、製作総指揮を務めたほか、ヴァレンティナ役で出演も果たし、往年のファンを大いに喜ばせました。
ジョージ・チャキリス

映画版『ウエスト・サイド物語』でプエルトリコ系の不良グループのリーダー、ベルナルドを演じたジョージ・チャキリス(George Chakiris)は、1932年9月16日生まれカリフォルニア州ロングビーチ出身のダンサー・俳優・歌手です。
ダンサーとしてミュージカル映画の脇役などでキャリアを重ねながら、舞台版『ウエスト・サイド物語』に出演。その後映画版のベルナルド役で、圧倒的な存在感を放ち、見事「アカデミー助演男優賞」及び「ゴールデングローブ賞助演男優賞」を受賞しました。
1960年代はヨーロッパにも進出し、カトリーヌ・ドヌーヴやジャック・ペランらと共演。60年代の終わり頃からは活躍の場を舞台やテレビドラマに移行し、現在に至ります。また親日家としても知られ日本での舞台公演や『ウエスト・サイド物語』関連のイベントなどで来日したことも。
あとがき
今こそ元祖映画版『ウエスト・サイド物語』と『ウエスト・サイド・ストーリー』の両方を楽しみ、その世界にどっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。