2パックとは
2パック(読み:トゥーパック)。(英:2Pac)。本名:トゥパック・アマル・シャクール。 1971年6月16日生まれ、ニューヨーク市マンハッタン区ハーレム地区出身のヒップホップアーティスト・俳優です。革命家ブラックパンサー党の党員だった母のもとに生まれ、極貧生活を経て、ヒップホップグループ「デジタル・アンダーグラウンド」の一員としてデビューしました。当時のMCネームは「MCニューヨーク」。その後、2パックとしてソロデビューを果たすのです。
2パックの光と影…
2パック - Wikipedia
彼が遺した名盤たち
伝説のラッパー2パック。ひとりのヒップホップアーティストがなぜこんなにも人々を魅了するのでしょうか。それはきっと圧倒的なカリスマ性とは裏腹に、人知れず抱えていた不安や葛藤、怒り、悲しみ、そして純粋な心が私たちに伝わってくるからなのかもしれません。
2パカリプス・ナウ
『2パカリプス・ナウ』は2パックのデビューアルバムです。同アルバムの収録曲「Brenda's Got A Baby」がいきなり全米ヒップホップチャートにランクインするというヒットを記録。この曲は10代の妊娠・出産をテーマにした天才ラッパー・2パックの原点です。
ストリクトリー・4・マイ・ニガズ
『ストリクトリー・4・マイ・ニガズ』は1993年に発売された2パックのセカンドアルバム。自身初のミリオンセラーを達成した出世作であり、収録曲「Keep Ya Head Up」は初期の代表曲の1つ。それは2パック流の女性への応援歌です。
ミー・アゲインスト・ザ・ワールド
『ミー・アゲインスト・ザ・ワールド』は1995年に発売された2パックのサードアルバム。収録曲「Dear Mama」は母アフェニに捧げた感動の名曲です。メロウで哀愁漂う雰囲気はまさに2パック・ソングの真骨頂!また同アルバムは300万枚を突破する大ヒットを記憶し、彼を不動の地位へと押し上げました。
オール・アイズ・オン・ミー
1996年2月13日に発売された4枚目のアルバム『オール・アイズ・オン・ミー』は、ラップ史上初めての2枚組で、全米だけで900万枚以上を売り上げたモンスターアルバム。人気絶頂だったスーパースター・2パックの代表作です。そして2パック名義ではこれが最後の作品。リリースされたわずか7か月後、彼は25歳という若さで銃撃によりこの世を去りました。
同アルバムには大ヒット曲「カリフォルニア・ラヴ」や仲間を想い歌う追悼ソング「Life Goes On」などが収録されており、また2017年に公開された2パックの伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』のタイトルの由来にもなった名盤です。
ザ・ドン・キラミナティ:ザ・7デイ・セオリー
『ザ・ドン・キルミナティ:ザ・7デイ・セオリー』は2パックが生前、自身の名前をマキャヴェリ(Makaveli)に改名し、マキャヴェリ名義で製作していたスタジオアルバムです。同作は彼が亡くなった同年の11月に発売され、全米初登場1位を獲得しました。
俳優としての才能
2パックは天才ラッパーでしたが、俳優としてもまた天性の才能を持っていました。もしもいま、彼が生きていたなら、一体どれほどの役者になっていたのでしょうか。その両方で輝く2パックをずっと見ていたかったですね。
映画『ジュース』
『ジュース』(Juice)は、1992年に製作された青春バイオレンスです。ラップミュージックにのせアメリカの黒人問題をリアルに描いたブラック・ムービーで、2パックはハーレムに住むティーンエイジャー4人組の1人、ビショップ役を演じ映画デビューを飾りました。今やラッパーたちがこぞって本業と並行して俳優活動を行なっているのも、2パックの表現者としての才能に少なからず影響を受けているのかもしれませんね。彼の役者としてのスキルはこの頃からすでに感じることが出来るでしょう。
映画『ポエティック・ジャスティス/愛するということ』
『ポエティック・ジャスティス/愛するということ』(原題:Poetic Justice)は、1993年にジャネット・ジャクソン主演で製作された恋愛映画です。ジャネットはこれが映画初出演。2パックはジャネット演じる主人公と恋に落ちる郵便局員ラッキーを演じました。彼の優しく穏やかな表情がとても印象的。ジャネット&2パック夢の共演です!
詩人、トゥパック アマル・シャクール
『コンクリートに咲いたバラ』は2001年に発売された2パックの詩集です。これは彼が18歳から20歳頃に書き留めていた詩をまとめたもので、センセーショナルなゴシップばかりがクローズアップされがちな2パックの新たな一面が垣間見れる新鮮な1冊です。本書には翻訳と共に直筆の文字が掲載されており、そこから感じる彼の繊細さ、不安、満たされない想い、愛情深さなどが泣けるほど真っすぐに伝わってくることでしょう。2パックを知らない人でも、1つの芸術作品として楽しめるのではないでしょうか。ちなみにトゥパック アマル・シャクールとは彼の本名です。
死後もなお輝く。
2パックの死後も未発表曲が次々と発掘され、発売された複数のアルバムも大ヒット。実はどこかで生きているのではないかという噂まで飛び出すほど、いまだ圧倒的な彼のカリスマ性に驚かされるばかりです。
2パックに憧れていたラッパーたちも多く、現在のヒップホップ界のスーパースター・エミネムもその1人。2003年に公開されたドキュメンタリー映画『トゥパック:レザレクション』(Tupac: Resurrection)でエミネムは「ランニン」という楽曲をプロデュースしました。同曲では何と生前壮絶なバトルを繰り広げたザ・ノトーリアス・B.I.G.と2パックの幻のコラボレーションが実現しています。ヒップホップファンなら鳥肌ものですよね。こうして死後もなお輝き続ける伝説の天才ラッパー・2パックなのでありました。
※ちなみに同ドキュメンタリー映画の日本版では、『レザレクション~ヨミガエリ』や『ヨミガエリ』と表記されることがあります。