シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ〜回り始めた歯車〜
ROUAGEは、KAZUSHI(Vocal)・RIKA(Guitar)・RAYZI(Guitar)・SHONO(Drums)の
4人で1993年に愛知県で結成されました。
バンド名はフランス語で歯車の意味を持っています。
1994年に名古屋界の重鎮であるex.Silver-RoseのKAIKI(Bass)が加わりインディーズ期の
ラインナップが揃いました。
シングル「SILK」のリリース・オムニバス「NEO ROCKS」への参加を経て、1994年7月に
本作「ROUAGE」はリリースされたのです。
名古屋系ポジパン歌謡ここに極まれり!!
本作は、演奏スキルや音質の面において決してクオリティーが高いとは言えません。
しかし、それらのマイナス要素が逆にプラスに働き呪術的な暗黒世界に更に深みを与え、
またそれらのマイナス要素を凌駕する初期衝動が閉じ込められています。
ライトなヴィジュアル系ファンには難易度の高い作品となるかもしれませんが、
一度ハマってしまえば抜け出せない中毒性を孕んだ作品なんですよね!
名古屋系スタイル純度100%のダーク世界!!
まだ幼さの残る頃、私はインディーズ期の黒夢に少しだけ触れてみた時がありました。
その頃バンドに”恐怖”を抱いたのは、当時のヴィジュアル系バンドの中で突出していた、
あのダークな世界観に恐怖してしまったのです。
確実に音楽的な免疫がなかったというのもありますが、とにかく恐ろしさがありました。
でも、その”恐怖”をかみしめているうちに”快楽”へと変貌を遂げ、同じような”恐怖”を
得られるバンドを探し始めるようになったのです。
その時に出会ったのが、すでに大人気を博していた黒夢に続く存在としての頭角を
現していた”ROUAGE”だったのです。
リリースされたばかりのシングル「SILK」を手にし、すぐに彼らのファンになった。
彼らはいわゆる"名古屋系"と呼ばれるスタイルの先駆者。
名古屋系と呼ばれるバンドには共通項はあるものの、バンドそれぞれに独自のスタイルを
形成しています。
ROUAGEは、名古屋系伝統のポジティブパンク/ゴス由来のシックかつダークなスタイルに、
DEAD END・BUCK-TICK・D'ERLANGER・LUNA SEAなどを通過した王道ヴィジュアル系
スタイルをミックスさせたサウンドが彼らのアイデンティティ。
血糊シャツを身に纏い小道具を使用したシアトリカルなステージを展開するなど、名古屋系の
中でも濃度の高い"黒さ"を見せていた彼ら。
しかし、音楽性の進化と共にその"黒さ"は徐々に失われ、純度100%のピュアな
名古屋系スタイルを味わいたいのならば、本作「ROUAGE」と翌1995年にリリースされた
「理想郷」を併せてdigして欲しいです!