概要
原作『櫻の園』(さくらのその)は、吉田秋生のオムニバス漫画。1985年から1986年にかけて『LaLa』(白泉社)に連載された。
女子高校の演劇部に所属する生徒たちの心模様を描く。
毎年春の創立記念日にチェーホフの『桜の園』を演じるのが伝統になっている女子校・桜華学園で、演劇部に所属する少女たちの葛藤を通じて、少女たちの人間関係と心理を描いた作品。
開演前の2時間の出来事をほぼリアルタイムで描いている。
キャスト
志水由布子(ドゥニャーシャ / 部長):中島ひろ子
杉山紀子(ヤーシャ):つみきみほ
倉田知世子(ラネフスカヤ):白島靖代
城丸香織(舞台監督):宮澤美保
桜華学園・演劇部3年
久保田麻紀(ロパーヒン):梶原阿貴
いわゆる怖い先輩。気が強そうで物事をはっきり言うタイプのようです。
舞台に出る志水部長の「行きます!」の声に小さく「はい」って言うところ好きです。
深夜食堂の2でお見かけしました。ちなみに3にはつみきみほさんが出演なさってました。
大町真由美(トロフィーモフ):三野輪有紀
久保田の子分的なスタンスの部員ですかね。
平井和代(ガーエフ):白石美樹
戸田麗子(シャルロッタ):後藤宙美
ナルシストっぽい部員。いつも手鏡を持っています。
河合喜美子(ピーシチク):いせり恵
井上志摩子(ワーリャ):金剛寺美樹
アーニャ役の敦子とコンビみたいな部員
志摩子と敦子はクラスでは目立つ存在なんでしょうね。
前はCMにも出演されていて、その関係で笑っていいともに出た時は
志摩子だ!って言ってしまいました(笑)
中野敦子(アーニャ):菅原香世
志摩子とコンビの敦子。綺麗系の方です。
声に特徴があって可愛いので声系の仕事すればいいのに・・・
櫻の園以降の情報が無いのが残念です。
藤城千晶(フィールス):永田美妙
木村環(エピホードフ):丸山昌子
桜華学園・演劇部2年
松本圭子(舞台監督助手):古川りか
美術係
三島一子:西村雪絵
神奈川潮美:永椎あゆみ
高田真理子:佐藤友紀
大西加奈子:浅沼順子
照明係
堀口さゆり:山田純世
高野久美:白戸智恵子
音響係
田代有美:阿部千種
佐野留美子:大原麻琴
生徒役で名前を知っているのは、つきみみほだけと書きましたが
この大原真琴さんも知ってました。
女優ではなくテレ朝のバラエティ番組のアシスタントとしてですが。
顔が好みだったので応援していたのですが、セクシー系に転向、
ヘアヌード写真集を出してからの活動が無くなりました・・・
聖華女子学園
森沢なつ子
西山友紀子
植竹よしみ
杉山と煙草を吸っているところを見つかった3人組。
森沢さんだけなんとなく他の作品で見た事があるかも。
不良っぽいのでしょうが衣装がちょっと酷いです。
島田祐介:三上祐一
城丸さんの彼氏っぽい大学生
何度も言いますが服装が酷い
中野綾子:橘ゆかり
アーニャ役の敦子の姉。元演劇部ですが中退したので櫻の園の舞台には立っていないようです。
坂口:上田耕一
どこの学校にもいる怖い先生。櫻の園を中止にしようとします。
タバコを持っていた聖華女子学園の3人組を追いかけますが
追いつけずむせて倒れそうになります。
里美先生:岡本舞
演劇部顧問。櫻の園を上演する為に必死で交渉したらしい。
中村先生:南原宏治
坂口先生とは違って落ち着いた先生。櫻の園には思い出があるようです。
ストーリー
演劇部部室で大学生の彼氏と2人でいる舞台監督の2年生城丸。
どうやらオール明けのようです。
タバコを吸おうとする彼氏から取り上げ部室から追い出します。
入れ替わりで部長の志水が部室に入ってきます。
パーマをかけてきた事に驚く城丸。
そこへ次々と部員がやってきます。
話題はもちろん志水のパーマの事です。
話をうまくかわし屋上へ声出しに行く志水。
代わりに話題は喫煙で捕まった杉山に移ります。
パーマの志水部長
喫茶店で制服でタバコを吸っていて警察に補導された
杉山の話で盛り上がる部員達。
その時、屋上では志水がセットの下から見つけた城丸の彼のタバコを
くわえます。火をつけようとしますがつきません。
ただ火のついていないタバコをくわえている志水。
部室には顧問の里見先生がやってきます。
部員の出席状況を城丸に確認しますが、倉田がまだ登校していません。
部員たちを各クラスのHRに行かせますが、ちょうど部室に戻って来た志水のパーマを見て舞台監督の城丸と志水を部室に残します。
杉山の事を話して困った事になりそうだと打ち明けます。
中止になりそうなんですか?との志水の問いかけに
櫻の園をやらない創立記念式典なんて聞いた事ないと応えます。
ここのカメラの長回しと、何気なさそうな会話が良いです。
パーマの事は櫻の園が終わってからゆっくり話しましょうと言って
里見先生は席を立ちます。
城丸がスケジュールを黒板に書いていると倉田が現れます。
志水はどこかに行ってしまっているようです。
そこへ志摩子、敦子コンビが来て遅刻してきた倉田に
臨時の職員会議があるから急いで職員室に行くように言います。
ガールズトークです!
部員が集まる部室に倉田と城丸が帰って来て
櫻の園が中止になるかも知れないと言います。
職員室で顧問の里見と坂口が言い争いをしているとの事。
久保田は行こう!と駆け出します。
後に続く部員達。城丸と倉田も後に続きます。
一人部室に残る志水。そこへ杉山がやってきます。
すいませんと謝る杉山に、大丈夫?と気遣う志水。
そこへ敦子の姉、綾子が差し入れのアイスを持って来ます。
二人でアイスを冷蔵庫にしまう志水と杉山。
その時校内放送で2人は進路指導室に呼ばれます。
入れ替わりに入って来た部員に謝る杉山。
進路指導室に行く途中で志水は杉山に「謝らなくてもいいのに」と言います。え?不思議そうに聞き返す杉山。
その頃、部室では櫻の園が上演出来るのか部員たちが話しています。
ここで久保田がカッコイイ台詞を言って他の部員に
それって青春みたいじゃない?と茶化されますが
だって青春だもん!と言い返します。ここ好きですね。
照れ隠しの様に声を出しに行こうと部室を出る久保田とそれに続く部員たち
進路指導室で先生を待つ志水と杉山。
櫻の園が中止になったら暴動を起こそうかな!と言い出す志水。
手伝ってくれる?と言われて嬉しそうな杉山。
パーマ似合ってますね。倉田さんに見て欲しかったんでしょ?
と言う杉山に挙動不審になる志水。
話題を変えてどうして女子高に来たかを話す2人。
志水は男子に対してトラウマがあるようです。
そこへ顧問の里見が現れ「櫻の園やるからね!」とだけ言い残し
退室します。
拍子抜けする2人。「志水さん暴動出来なくて残念?」「残念!」と志水。
鋭い眼光の意味
屋上でウォーミングアップをする部員たち。
そこへ城丸が櫻の園の上演が決まった事を伝えに来ます。
すぐ後に志水と杉山も来ます。
再度謝る杉山。一番不良っぽいのに一番地味なジャージがいいですね。
何か倉田に話しかけ、杉山と2人ウォーミングアップする志水。
身体を動かした後、語り出す志水。何か吹っ切れたようで、心の内を正直に話します。
志水さん!支度大丈夫?
人気の無い廊下を歩く倉田。
教室には志水が待っていて衣装を直してくれる。
励ます志水だったが、極度に緊張している倉田は櫻の園が中止になればいい!と教室を飛び出します。
講堂にセットを搬入しようとする2年生ですが、中では杉山の事でPTAの話が長引いてるようです。
部室では3年生が衣装を着たりメイクをしたり忙しく用意をしています。
外階段ではまだ搬入が出来ずに美術係の4人は遊んでいます。
講堂から出てくる聖華女子学園の3人。続いて里見も出て来ます。
「あんなバカなやつらの話なんか聞いてらんないわよ」と言い放ち去っていきます。
その時、校内の廊下では1人倉田が芝居の台詞を繰り返しています。
どんなに繰り返しても不安は拭えないようで座り込んでしまいます。
校舎裏のようなところで杉山が1人メイクをしています。
進路指導室で志水から預かったタバコを一本出して火をつけようとした、その瞬間に火災報知機の音が鳴り響きます。
聖華女子学園の3人
非常ベルが鳴り響く中、城丸が倉田を探します。
足早に廊下を歩く倉田を見つけますが見失います。
倉田の歩いてきた方向にはボタンが押された火災報知機が・・・
校舎裏と思われるところで会う杉山と聖華の3人。
志水の事を慕っている事を知っている3人に冷やかされます。
部室の前では支度の終わった部員が緊張をほぐすように、芝居を確認しています。部室に戻った志水。
そこにはメイクを終えた倉田が座っていました。
安堵の表情を浮かべる志水。
部員たちは先に講堂に移動し部室には倉田と志水が残ります。
「これありがとう」と倉田。
「緊張してる?覚悟決めよ。中止になんかならない」
そして倉田と志水は芝居の台詞を二人で口ずさみます。
そんな二人を階段の途中で見つける杉山。
足を止め楽しそうな二人を複雑な表情で見つめます。
階段を下りて中庭の窓の影に立つ杉山。
倉田と志水は写真を撮る為に中庭に移動します。
二人の仲良さそうな声を聞きながら杉山はタバコに火をつけます。
並んで写真を撮り始める二人。
「私、倉田さんの事が好き!・・・ダメ?」
「ううん。ダメじゃない」
「倉田さん好きよ!大好き!」
「嬉しい。もっと言って!」
そんな声を聞きながら宙を見つめる杉山。
「もっと寄ろ!」「もっと」
密着して写真を撮る二人。
杉山がタバコの火を消した時、城丸が呼びに来る。
二人を呼びに部室に飛び込もうとする城丸を制し
その場で倉田と志水に声をかける杉山。
ここでの作った声もうまいですね。
桜の下を歩く里見先生と中村先生。
中村先生は若い時に演劇をやっていたようで当時の事を語ります。
その時、トイレでタバコを吸っていた聖華の3人が坂口に見つかります。
校内を逃げる3人と追う坂口。逃げ切った聖華の一人が火災報知機を殴ります。
講堂では城丸が開演のアナウンスをして開始のベルを押そうとします。
指がスイッチに届く寸前に非常ベルが鳴り響きます。
振り返って志水を見る城丸。志水はただそっとうなずきます。
その時、杉山が声をかけます「志水さん今日誕生日じゃない?確かそうじゃない?4月14日そうでしょ?」
おめでとうと声をかける部員たち。誰とはなしにハッピーバースディを歌います。
今度こそ本当の開演のベルが鳴り、志水が軽く後ろを振り返り「行きます」後ろの久保田が「はい」と緊張を感じる声で応えます。
白く光る照明の中、ステージに歩を進める志水。
その姿を見つめる部員たち。
誰もいない部室に桜の花びらが舞っています。
終わり
お付き合いありがとうございました。
最後まで読んでくれる方がいるのだろうか・・・
何故1990年版「櫻の園」が素晴らしいのか
私は映像作品に関してはド素人なのでツッコミ不要でお願いします。
ただ感じたままに書き連ねてみます。
20人以上の演劇部部員は全員オーディションで決めてしかも
ほとんどの部員が、初出演の素人だったようです。
つみきみほ、白島靖代、中島ひろ子は映画出演もあり演技力は別格でしたが、他の部員たちも自然な演技が出来ていたと思います。
撮影に入る間に何ヶ月も演技指導が行われ、部員が一緒に過ごす時間をとったそうです。
その甲斐あってか、まるで本当に桜華学園演劇部が存在するんじゃないのかと錯覚するくらいの出来になっています。
引きの画で部員たちがしゃべっているところとかは、まるで部室を覗いているような気になります。
個々の個性もうまく作られていて素なのか演技なのかわからないんですよね。
中島ひろ子が、あまりに役に没頭した為、本当に白島靖代に恋愛感情に近いものを持ってしまったと言うのは有名な話です。
観ている側も、変に有名な俳優さんが出ているわけではないので、感情移入し易かったのではないでしょうか。
今では古臭いと思われる台詞もありますが、当時の女子高生のリアルな会話のようで自然に聞こえます。
志水、倉田、杉山の三角関係がメインなのですが、それ以外のキャラも良いのでダレる事が無く、特に梶原阿貴演じる久保田のツンデレ感など実に良いですね。
まとまりがありませんが、簡単に言うとこんな感じですかね。
志水の誕生日を祝い、開演のベルが鳴り、舞台に立つ。ああもう終わってしまうんだ・・・ そんな切ない様な寂しい様な気にされる映画でした。