お二人の共演という部分に着目してみると…
『カンビュセスの籤』とは?
『カンビュセスの籤』は、藤子-F-不二雄さんによるSF短編マンガ。
1977年に別冊・問題小説に掲載され、1987年には、中央公論社が出した愛蔵版コミック『SF全短篇』の第1巻などにも収録されました。1991年には、オリジナルビデオによるアニメ化も実現しています。
OVA版『カンビュセスの籤』
今回の記事では、こちらOVA版『カンビュセスの籤』の内容を中心に振り返っていきたいと思います。
OVA版『カンビュセスの籤』の本編動画・ストーリー
紀元前500年頃、ペルシア王国カンビュセスの兵士として、その遠征に参加していた青年サルク。しかし、軍勢の食料は絶え、やがて飢餓に苦しめられることとなります―――。
やむなく10人1組で籤を行ない、当りを引いた者は残り9人に食べられるという生き残りを賭けた抽選をすることに。サルクは籤で当りを引いてしまいましたが、運命から逃れるように、その場から命からがら逃走。そのとき、偶発的に発生した時空の歪みに巻き込まれてしまい、サルクは見知らぬ世界に飛ばされてしまうのでした。
サルクは目を覚ますと、そこは23万年後の核戦争により人類の文明が滅びてしまった世界。砂漠をさまよっていると、サルクは自身が生きていた時代の文明では考えられないような未来的な建造物を発見します。建物内で少女エステルと出会いますが、それまでまともに食事をとっていなかったこともあって、その場でサルクは力尽きて意識を失なってしまいます。
エステルに保護されて意識を取り戻すサルク。二人は言葉は通じないながらも、エステルが持っていた未知の食料ミートキューブを分け合い、数日を共に過ごすことになります。
壊れていた翻訳機の修理に成功したエステルは、ようやくサルクと意思疎通できるようになり、それぞれの身の上話をして、お互いの理解を深め合うのでした。しかし、エステルや世界の事情を知るにつれ、カンビュセスの籤から逃げてきたはずのサルクに再び悪夢が迫ろうとしていました…。
OVA版『カンビュセスの籤』の魅力とは?
人間が人間を食べることの怖さ
一般的にはカニバリズムとも呼ばれる行動。
しかし、『カンビュセスの籤』で描かれているカニバリズムは、緊急時の生存手段としての意味合いが強いですね。こちらも世界的に実際に行なわれた事例はあるのだとか。
藤子-F-不二雄さんが本編に込められたメッセージ性について、深く考えさせられる作品だと思います。