OVA版【ミノタウロスの皿】藤子-F-不二雄のSF短編!食用家畜としてウシに飼われる人間!

OVA版【ミノタウロスの皿】藤子-F-不二雄のSF短編!食用家畜としてウシに飼われる人間!

天才漫画として『藤子不二雄』の名前を二分した藤子-F-不二雄さん。そんな彼が生み出した読み切り短編マンガ『ミノタウロスの皿』は、ウシと人間の立場が逆転した不思議な世界観を描く作品です。今回の記事では、それを原作として制作されたOVA版『ミノタウロスの皿』について、その本編動画やストーリー・魅力などを振り返っていきます。


『ミノタウロスの皿』とは?

『ミノタウロスの皿』

『ミノタウロスの皿』は、藤子-F-不二雄さんによるSF短編マンガ。
1969年に小学館『ビッグコミック』に大人向けの短編漫画として掲載され、1977年には、ゴールデンコミックス『異色短編集』の第1巻として、単行本にも収録されました。
1990年には、オリジナルビデオ作品としてアニメ化も実現しています。

OVA版『ミノタウロスの皿』

当時、発売されたVHSビデオは『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』も同時収録されていて、お得感のある商品です。今回の記事では、こちらのOVA版『ミノタウロスの皿』の内容を中心に振り返っていきたいと思います。

OVA版『ミノタウロスの皿』の本編動画・ストーリー

宇宙船の故障により、地球に似た惑星に緊急着陸することになった主人公・立花。不時着によって宇宙船は爆発してしまうも、その寸前に命からがら脱出した立花は、ミノアという少女に救出されて一命を取り止めるのでした。

その惑星では、人間はウシに似た種族に家畜として飼われており、地球でのウシと人間の関係とは真逆であることに驚きを隠せない立花。命の恩人である少女ミノアは美しいうえに気立ても良く、立花はそんな彼女に惹かれていきます。
しかし、ミノアは食用種としてウシたちに飼われており、最高級の食材に与えられるといわれる称号”ミノタウロスの皿”に選ばれ、近々行なわれる祭典で民衆に食べられる運命にあったのです。それを知った立花は一連の行事を阻止しようと奔走するのですが、当の本人であるミノアは喜んで食べられようとしており、支配者であるウシたちも立花の主張を聞き入れようとはしませんでした。
文化が異なる惑星に緊急着陸した立花や、高級食材としてウシたちに食べられようとしているミノアが迎える結末とは…!?

OVA版『ミノタウロスの皿』の魅力とは?

『ミノタウロスの皿』は、藤子-F-不二雄さんが漫画家として転機を迎えた作品といえるのです。OVA版『ミノタウロスの皿』は原作コミックの内容を忠実に再現したものに仕上げられており、その秀逸さを堪能できるところが嬉しいですね。

主人公・立花の声を演じている古川登志夫さんの仕事ぶりも素晴らしいです。古川登志夫さんといえば、

カイ・シデン /『機動戦士ガンダム』

諸星あたる /『うる星やつら』

このようなキャラクターを演じてきており、ミドルエッジ世代の記憶にもその声が刻まれている声優かと思います。軟弱・軟派な人物から主人公の強敵まで、幅広い役柄を演じられることでも一目置かれる存在といえますよね。
OVA版『ミノタウロスの皿』の立花は喧嘩っ早いところがあり、『ドラゴンボール』に登場するピッコロに似たイメージといえるでしょうか。そんな古川登志夫さんの仕事ぶりにも注目してみてくださいね。

会話はできるけど、価値観が違うことで意思疎通が成り立たないといったメッセージ性も深いし、家畜を食べるといったことに対して、改めて、これまでの認識を考えさせられる内容です。
グロテスクな描写はありませんが、私たちの常識では家畜であるウシの立場に人間を当てはめていることで、妙なリアリティーや狂気を感じさせる内容に仕上げられています。
人によっては食欲がなくなるような内容だと思いますので、食事しながらのご視聴はおすすめしません。食事の意義や意味について、私たち人間は動物の命を食べることで生きていられるのだと痛感させられることでしょう。

OVA版『ミノタウロスの皿』のまとめ

漫画家・藤子-F-不二雄さんの作風において、ひとつの転機となった『ミノタウロスの皿』。
そういった意味でも貴重なコンテンツだと思います。OVA版では、主人公・立花をベテラン声優として名高い古川登志夫さんが演じているところにも注目したいですね。
食物として飼われている人間という世界観もパンチが効いていて、その強烈さはトラウマになってしまうかもしれません。それほどのインパクトがあるから、視聴者に訴えかけてくるメッセージ性も深いと思います。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になってみてくださいね。ウシと人間の立場が入れ替えられた不思議な世界観に、生命の大切さやコミュニケーションの難しさといったものを痛感させられるでしょう。

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