『ふたりっ子』とは

『ふたりっ子』は1996年10月7日から1997年4月5日までNHKで放送された第55作目の連続テレビ小説(通称:朝ドラ)です。岩崎ひろみさん、菊池麻衣子さんがダブルヒロインを務め、作・脚本を大石静さんが担当しました。またヒロインの子供時代を演じた双子の女優、三倉茉奈さんと佳奈さんのデビュー作でもあります。全150回。平均視聴率は29.0%、最高視聴率は31.9%。
『ふたりっ子』のあらすじ

主題歌はNOKKOが担当!

『ふたりっ子』のオープニングテーマといえばNOKKO(ノッコ)の「Natural(ナチュラル)」。明るく軽快なメロディーが爽やかな朝にぴったりとマッチし、またNOKKOさんの伸びやかな歌声は、まるで物語に出てくる登場人物や私たち視聴者を優しく包み込むようでした。作品と共に多くの朝ドラファンの記憶に残る名主題歌の1つです。
岩崎ひろみ

ヒロインの一人。将棋に打ち込むヤンチャな性格の双子の妹・野田香子役を演じた岩崎ひろみ(いわさき・ひろみ)さんは、1976年11月23日生まれ千葉県八千代市出身の女優です。生後半年にしてNHK銀河テレビ小説『女の一生』で子役デビューを果たし、映画初出演は1988年公開の『木村家の人びと』でした。中学1年生の時に主演を務めたミュージカル『アニー』で若手女優として注目され、『ふたりっ子』への出演をきっかけに全国区の知名度を獲得しました。
またその明るいキャラクターを活かし、一時は女優業と並行しながらバラエティ番組にも出演していましたが、現在は俳優の吉田メタルさんと2007年に結婚し3児の母となっており、育児を優先としながらもドラマや舞台を中心に活躍しています。近年の主な出演作:ミュージカル『魔女の宅急便』(2017年)、テレビドラマ:『トットちゃん!』(2017年)、『なつぞら』(2019年)ほか。
菊池麻衣子

ヒロインの一人。香子とは対照的に真面目な性格の双子の姉・野田麗子役を演じた菊池麻衣子(きくち・まいこ)さんは、1974年7月19日生まれ東京都板橋区出身の女優です。高校在学中に受けた映画のオーディションがきっかけで芸能界入り。当初両親は「映画1本だけ」と芸能活動に反対していたという。慶應義塾大学商学部卒業。『ふたりっ子』で女優として注目され、現在も2時間ドラマを中心に活動しています。
私生活では2007年に結婚し、翌2008年に長女を出産。その後離婚しシングルマザーとなりました。近年の主な出演作:映画『夏ノ日、君ノ声』(2015年)、テレビドラマ:「深層捜査2」(2017年)、「記憶捜査〜新宿東署事件ファイル〜」(2019年)ほか。
三倉茉奈、三倉佳奈

双子の姉・麗子の子供時代を演じた三倉茉奈(みくら・まな)さん、双子の妹・香子の子供時代を演じた三倉佳奈(みくら・かな)さんは、1986年2月23日生まれ大阪市平野区出身の双子の女優です。共に関西学院大学社会学部社会学科卒業。4歳の時から児童劇団に所属し、子役オーディションを経て『ふたりっ子』でデビューしました。特に2人が演じたヒロインの少女期は視聴者からの反響がとても大きく、後に麗子の双子の娘役として再登場しています。
マナカナフィーバーからそれぞれの道へ
『ふたりっ子』終了後も「マナカナ」の愛称で人気を集め、双子の女優・タレントとしてドラマや舞台、バラエティ番組など多方面で活躍しました。そして2008年、NHK連続テレビ小説『だんだん』に史上初となる2度目の朝ドラヒロインとして再登板。

「茉奈佳奈」の名前で歌手デビューも果たし劇中歌を含むアルバムやシングル「いのちの歌」をリリース。2009年には『舞台版だんだん』で再び同役を演じダブル座長を務めました。『だんだん』への出演が2人にとって女優としての大きな転機となったことは間違いなく、ここから徐々に単独活動へと切り替わっていきました。現在もそれぞれのキャリアを重ね続けています。
近年の出演作と私生活について

茉奈さんの近年の主な出演作:テレビドラマ「SP〜警視庁警護課」シリーズ(2011年、2012年、2013年、2014年)、『べっぴんさん』(2016年)、『孤食ロボット』(2017年)、『いつかこの雨がやむ日まで』(2018年)、『なつぞら』(2019年:第112回、第114回)、『ペンション・恋は桃色』(2020年)、『オペレーションZ〜日本破滅、待ったなし〜』(2020年)ほか。私生活ではお笑いコンビたんぽぽの川村エミコさんが主催したバーベキューパーティで知り合い交際していた一般男性と2019年に結婚。2020年、第一子となる女児を出産しています。

佳奈さんの近年の主な出演作:ラジオドラマ「まるっと☆しまね」不昧三昧!〜松江を築いたイケメン物語〜(2018年)、テレビドラマ:『越路吹雪物語』(2018年、第44話 - 最終話)、『あなたの番です』(2019年)、映画:『あなたの番です 劇場版』(2021年)、情報番組:「ミント!」(2019年10月 - 2021年2月)ほか。私生活では2012年に7年半の交際期間を経て、1歳年上の大学時代の同級生と結婚。二児の母親となっています。
段田安則
麗子・香子の父で千有希の夫、野田光一役を演じた段田安則(だんた・やすのり)さんは、1957年1月24日生まれ京都府出身の俳優です。舞台『夜の来訪者(英語版)』からは演出にも挑戦。
近年の主な出演作

舞台:『三人姉妹』(2015年)、『三婆』(2016年)、『ワーニャ伯父さん』(2017年)、『夢の裂け目』(2018年)、シス・カンパニー公演 『死と乙女』(2019年)、『風博士』(2019年、2020年)、『女の一生』(2020年、出演・演出)、テレビドラマ:『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(2012年、2016年)、「遺留捜査」シリーズ(2017年、2018年の第1話、2019年のSP)、『半沢直樹』(2020年)ほか。現在も舞台を中心に活躍しながら、多くの映像作品にも出演し、シリアスからコミカルまで巧みに演じる名バイプレーヤーです。
手塚理美
麗子・香子の母で光一の妻・野田千有希役を演じた手塚理美(てづか・さとみ)さんは、1961年6月7日生まれ東京都大田区出身の女優です。小学生の頃よりモデルとして活動を始め、中学1年生の時にユニチカの2代目マスコットガールとして本格的に芸能界デビュー。

グラビアモデルや歌手などのアイドル活動を経て、次第に女優業へとシフトしていき、朝ドラ『ハイカラさん』(1982年)ではヒロインを務めました。代表作は『ふぞろいの林檎たち』!
私生活について
近年の主な出演作
映画:『ストロベリーナイト』(2013年)、『イニシエーション・ラブ』(2015年)、テレビドラマ:『ストロベリーナイト』(2012年)、『明日の約束』(2017年)、『リピート〜運命を変える10か月〜』(2018年)、『信州発地域ドラマ ピンぼけの家族』(2020年)、大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)ほか。2人の息子が独立した2016年頃から、再び女優業を活発化させています。
中村嘉葎雄

香子にとって将棋そして人生の師匠。「銀じい」の愛称で多くの視聴者から親しまれ、賭け将棋を生業とする真剣師、佐伯銀蔵役を演じた中村嘉葎雄(なかむら・かつお)さんは、1938年4月23日生まれ東京市赤坂区南青山(現・東京都港区)出身の俳優です。
近年の主な出演作
映画:「20世紀少年」シリーズ(2009年)、『しあわせのパン』(2012年)、『利休にたずねよ』(2013年)、『駆込み女と駆出し男』(2015年)、テレビドラマ:NHK BSプレミアム『子連れ信兵衛』(2015年)、『子連れ信兵衛2』(2016年)、BS時代劇『鳴門秘帖』(2018年)ほか。現在も映画やドラマを中心にコンスタントに活動しています。
内野聖陽
のちに香子と恋仲になる青年で、将棋と星(天文学)をこよなく愛する森山史郎役を演じた内野聖陽(うちの・せいよう)さんは、1968年9月16日生まれ神奈川県横浜市出身の俳優です。実家は横浜市の曹洞宗寺院。大学在学中から演劇に触れ、英語劇でプレイボーイ役を演じたことから、一時期は演じることが嫌になり裏方に回ったこともあったという。
1992年、文学座研究所に入所。翌年には研修科1年、その後文学座の座員に。2013年7月までは本名の「うちの・まさあき」で活動していましたが、読めない人が多いという理由から、漢字はそのままに読み方のみを改名しました。
『ふたりっ子』後の活躍!

『ふたりっ子』で俳優として注目され、翌1997年にはドラマ『ミセスシンデレラ』でさらに知名度をアップ。2000年、『エリザベート』でミュージカル初出演を果たし、この作品が役者としての(表現法など)、一つのターニングポイントとなっています。

牧文四郎を演じた『蝉しぐれ』(2003年)でモンテカルロ・テレビ祭、主演男優賞を受賞。大河ドラマ『風林火山』(2007年)では主人公の山本勘助を演じました。近年は西島秀俊さんとダブル主演したドラマ『きのう何食べた?』(2019年)の矢吹賢二役でもお馴染みですよね。
近年の主な出演作と私生活について

舞台:『東海道四谷怪談』(2015年)、『ハムレット』(2017年)、『化粧二題』(2019年)、『最貧前線』(2019年)、テレビドラマ:「臨場」シリーズ(2009年、2010年)、「JIN-仁-」(2009年、2011年)、『とんび』(2013年)、大河ドラマ『真田丸』(2016年)、「きのう何食べた?」(2019年、2020年)、『おかえりモネ』(2021年)、映画:『臨場・劇場版』(2012年)、『初恋』(2020年)、『きのう何食べた?』(2021年・予定)ほか。
私生活では『エリザベート』で共演し交際していた女優の一路真輝さんと2006年に結婚し、同年に女児が誕生。しかし2011年に離婚しました。2011年末、デビュー以来在籍していた文学座を退団し、個人事務所(スターダストプロモーションと業務提携)を設立。現在も舞台・ドラマ・映画で精力的に活躍している実力派です。
伊原剛志
野田豆腐店のある商店街に店を構える理容店「バーバー黒岩」の息子で香子と麗子の幼なじみ。そして麗子を一途に想い続ける黒岩政夫役を演じた伊原剛志(いはら・つよし)さんは、1963年11月6日福岡県北九州市生まれ、大阪府大阪市生野区育ちの俳優です。1982年、ジャパンアクションクラブに入団。翌1983年に舞台デビュー後、『コータローまかりとおる!』(1984年)で映画初出演を果たしました。
『ふたりっ子』後の活躍!

『ふたりっ子』に出演したことで全国的な知名度を獲得すると、その後もドラマや映画を中心にキャリアを重ね、2006年には名優クリント・イーストウッドが監督を務めたハリウッド映画『硫黄島からの手紙』で西竹一役を演じ、2012年に出演したブラジル映画『汚れた心』ではその演技力が高く評価され、第15回プンタデルエステ国際映画祭にて主演男優賞を受賞しています。

最近では朝ドラ『花子とアン』(2014年)に出演し、ヒロインはな(吉高由里子)の父親役を好演したことでも知られていますよね。同年4月期には『トクボウ 警察庁特殊防犯課』で連続ドラマ初主演を務めるなど、現在もコンスタントに活躍し続けています。
近年の主な出演作と私生活について

テレビドラマ:『花子とアン』、『トクボウ 警察庁特殊防犯課』(2014年)、『後妻業』(2019年)、映画:『十三人の刺客』(2010年)、『BRAVE HEARTS 海猿』(2012年)、『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』(2014年)、『ラスト・ナイツ』(2015年)、『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』(2021年)ほか。私生活では1990年、女優の相築あきこと結婚するも2000年に離婚。2001年に一般女性と再婚しています。子供は3人。
河合美智子

通天閣の歌姫といわれる演歌歌手・オーロラ輝子を演じた河合美智子(かわい・みちこ)さんは、これが当たり役となり一気に全国区の知名度を獲得した1968年6月13日生まれ神奈川県平塚市出身の女優です。1983年、『ションベンライダー』の主役に抜擢され映画デビュー。同映画の役名だった「河合美智子」をそのまま芸名とし、また主題歌『わたし・多感な頃』で歌手デビューも果たしました。10代から若手演技派女優として注目され、『ふたりっ子』で大ブレイク!ちなみにオーロラ輝子のモデルは演歌歌手の叶麗子さん。叶さん自身も「ダイナマイト玲子」としてゲスト出演しています。

『ふたりっ子』後の活躍!
『ふたりっ子』終了後もオーロラ輝子として歌番組に出演したり、昼ドラや2時間ドラマを中心に活躍。またその個性的で明るいキャラクターを活かし、『たけし・逸見の平成教育委員会』などバラエティ番組にも登場しました。2008年には三倉茉奈さん、佳奈さんがヒロインを務めた朝ドラ『だんだん』に石井真弓役として出演し、マナカナと12年ぶりに共演しています。
近年の主な出演作と私生活について
映画:『ホームカミング』(2011年)、『ママ、ごはんまだ?』(2017年)、テレビドラマ:土曜ワイド劇場「おみやさんスペシャル」(2016年2月13日)、土曜ワイド劇場「100の資格を持つ女〜ふたりのバツイチ殺人捜査〜11」(2016年6月18日)、月曜名作劇場「新・浅見光彦シリーズ2 後鳥羽伝説殺人事件」(2018年2月26日)ほか。

私生活では2004年に12歳年下で番組制作会社のディレクターと結婚。しかし2011年5月末に離婚していたことが2013年8月に報じられました。
現在は兵庫県豊岡市に居住し、舞台を中心に活動している模様です。