不思議の国のアリスの制作秘話!アリスはこうして誕生した!
「不思議の国のアリス」といえば誰もが知っている名作、著者であるルイス・キャロル氏の代表的な作品です。元々は知人の少女アリス・プレザンス・リデルにプレゼントする為に作成した手書きの本でしたが、知人達からの評価は高く出版することになりました。
1858年に刊行された本作は順調に売り上げを伸ばし1886年には7万8000部という大ベストセラーの座を勝ち取ります。しかし出版元のマクミラン社との契約の関係上出版費用が著者持ちだった為、キャロル氏にとっては痛手となりました。またイラストレータージョン・テニエルが初版本の印刷に不満があると言ってきたことがあり、それにより出版を中止し初版本の文字組からやり直したエピソードまであります。
さて「不思議の国のアリス」が誕生する発端は1862年7月4日、前述のアリス・プレザンス・リデルはリデル家3姉妹(13歳のロリーナ・10歳のアリス・8歳のイーディス)のなかで特に著者のお気に入りでした。ある日「アリス」という少女が主人公の冒険物語を聞かせたところ彼女が興味を持ちます。そこでキャロル氏は1963年に完成した「地下の国のアリス」に挿絵や装丁などを加え、アリスにプレゼントしました。
更にキャロル氏は友人の児童文学・幻想文学作家のジョージ・マクドナルドの自宅に原稿を持って訪れます。そこでジョージと家族に原稿を見せたところ作品は大好評。地下の国のアリスは18,000語からボリュームを増やした35,000語もの作品「不思議の国のアリス」に生まれ変わったのです。
突然異世界に迷い込んだアリスが出会った主な登場人物を紹介!
幼い少女アリスは何の変哲もない日常を過ごしていましたが、川辺の土手で過ごしていると目の前を人の言葉を話す不思議な白いウサギが通り過ぎます。白ウサギに興味を持ち追いかけていくと大きなウサギ穴に落下、そこは奇妙な空間が広がる謎の部屋でした。
それから白ウサギを始めハートの女王やトランプ兵・チェシャ猫など、異世界の住人達とやり取りをしていくなかで脱出を目指していく物語です。
以下ではアリスが出会った主な登場人物を紹介していきます。
アリス
本作の主人公、優しく素直で礼儀正しい少女で好奇心は豊富。一人二役を演じるなどの空想癖や学校で覚えた知識を披露したがる衒学的な部分もあるキャラクター。
著者が親しかったアリス·プレザンス・リデルは黒髪のおかっぱ頭でしたが、ジョン·テニエルはエプロンドレスを着た金髪ロングの少女としてアリスを描きました。
白ウサギ
人間の言葉を話し服を着た不思議な白ウサギ。物語の冒頭から何度も姿を見せるキャラクターで、臆病·脆弱·狐疑逡巡な性格。
白ウサギのモデルはヘンリー・ウェントワース・アクランドという人物で、リデル家のかかりつけ医でした。
芋虫
森の中で出会った巨大な青虫でアリスにぞんざいな口調で様々なことを問い質してきます。但し去り際にアリスが「元の背丈に戻りたい」と話していたことから、その場にあったキノコの円い笠のどちらか一方を食べれば背が伸びると言い残し去っていきました。
三月ウサギ
狂ったお茶会を開いているノウサギで仲間達からは「狂っている」と評されています。実際他人の会話に茶々を入れたりすることが好きです。帽子屋であるマッドハッターとは仲が良く、お茶会仲間にもなっています。
マッドハッター(帽子屋)
値札の付いた帽子を被っている人物で、「お誕生日じゃないお茶会」にアリスを招待していました。なかなか話が通じずアリスを困らせますが、実際は優しく思いやりのあるキャラクターです。
チェシャ猫
いたずら好きでユーモア溢れる神出鬼没な猫。しかしハートの女王やお茶会について教えるなど物語で重要な役割を果たしています。
ハートの女王
トランプの国の女王ですがいつも威張っていてアリスに意地悪なことをしてきます。卑怯なことばかりしてアリスを排除しようとするなど、本作のラスボス的なキャラクターと言っても過言ではありません。
不思議の国のアリスはある病気にも関係が?それは一体何!?
本作の特徴は普通では起こり得ないファンタジーな現象が度々発生することで、この世界観にあるキーワードは少女・可愛い・おとぎ話・不思議の4つ。アリスは大きくなったり小さくなったりしながら不思議な世界を冒険していくのですが、このエピソードが元となり命名された症状があります。
それが「不思議の国のアリス症候群」で、物の見え方に異変をきたし自分の身体の大きささえ正しく認識出来ません。具体的にどうすればいいのか対処法が確立していない為、患者はアリスのような悩みを抱えています。尚不思議の国のアリス症候群は子供に多く見られる病気として知られているようです。
不思議の国のアリスの結末は夢オチ!それでもワクワクするストーリー!
アリスは様々な困難に立ち向かいながら異世界を冒険していきますが、なんと今までの冒険は全て夢だったというオチがつきます。しかし突然狭いか広いかも判断できない密室に迷い込み、人気のない室内でドアノブが喋り出す場面はホラー。その後もアリスを疎ましく思う巨大な毛虫やいじめっ子の花などこの世のものではないキャラクターが次々と登場します。
キャラクター達には愛くるしさがありますが心から信用出来る仲間のいないアリスは常に孤独。理解不能な現象に見舞われ徹底的に孤独となったアリスが、夢から覚めるまでに経験する数々の出来事は決して見る者を飽きさせないでしょう。