テッド・バンディの名がドラマ「レッド・アイズ」で登場!
ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」第1話
ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」第1話で起こった女性誘拐事件。
その一部始終を監視カメラで再生し、検証している島原由梨(松下奈緒)率いる神奈川県警の特殊部隊KSBCのメンバーたち。
誘拐された女性が公園の駐車場で偽ギブスをした人物と待ち合わせをしている場面。偽ギブスをした人物がスパナで女性を殴り、車に乗せ拉致して逃走する。
犯罪心理学の元国立大学教授・山崎辰二郎(木村祐一)が「テッド・バンディやな...」とつぶやく。
すかさず天才ハッカーの小牧要( 松村北斗)がテッド・バンディをパソコンで調べる。
『1974年から1978年の間に7つの州で30人以上の女性を強姦・殺害した殺人犯』
そこで山崎辰二郎が言う「テッド・バンディもシアトルでニセのギブスをはめて体が不自由だと装って犯行に及んだ」。
誘拐された女性の名前が判明し本人のSNSを割り出す。すると、SNSのアカウント『TED@』という人物を頻繁にやり取りをしていることがわかった。
TEDとはテッド・バンディのことだと山崎辰二郎が確信する。
ドラマ「レッドアイズ 監視捜査班」第1話に登場したテッド・バンディが実在した人物により、実際に起こった事件だということで長い年月を経て再び注目されることになります。
テッド・バンディとは?
生い立ち
「シリアルキラー」という言葉が生みだされるきっかけになったのがテッド・バンディと言われています。
そんなテッド・バンディがなぜ、残虐な連続殺人鬼になってしまったのか...。テッド・バンディの生い立ちについてもとても興味深いものがあります。
テッド・バンディは未婚の母のもと、私生児として生まれ父親は不明。
ただこの時、私生児だとばれないように祖父母の養子になります。
このテッド・バンディ自身は祖父母の事を両親だと思い、実の母のことを長い間、姉だと思って暮らしていたと言います。
祖父はヒステリックな性格で糧の中ではDVもあったようです。しかも動物虐待もしていたというのでテッド・バンディが育った環境がその後の人格形成に何かしらの影響を与えたのではないかと思ってしまいます。
実際、テッド・バンディは反社会性パーソナリティ障害を患っていたということです。
人物像
テッド・バンディはIQ160の頭脳を持ち、とてもハンサムだったということです。法学を学んでいたことから無罪を主張し、自分で自分の弁護をするなどメディアでも注目されていました。
そんな殺人犯らしからぬ彼をカリスマ性を感じ、女性ファンが法廷に詰め掛けたり、日々ファンレターが届くなどしていたと言われています。
中には本当に彼の無実を信じ、獄中結婚した女性もいます。
手口
テッド・バンディの手口はいくつもの事例の中で女性の同情をかうように、時に彼自身の足にギブスをはめたり、腕を三角巾きんで吊ってけがをしているように見せたり、足を引きずり松葉杖を使うというものでした。
けがをしている、または体が不自由だということで車に荷物を運ぶのを手伝ってほしいなどと女性を安心させ、近づいていたテッド・バンディです。
これはまさにドラマ「レッド・アイズ」第1話の中で男が女性を誘拐した時の姿、そして手口と同じでした。
殺害状況
頭がよくハンサムというデッド・バンディですが実際の殺害状況はとても残忍残虐なものでした。
巧みに女性を連れ出し人里離れた場所に行き暴行をし殺害。それだけではなく、屍姦行為や遺体の損壊にまで至り、時には殺害した女性の遺体から首を切り落とし、自宅アパートに持ち帰るという異常ぶりだったと言います。
夜に堂々と被害者宅に侵入し、女性を強姦することもあり海外では「シリアルキラー」と言われていますが、日本人の誰もが納得する表現だと『鬼畜』という言葉がどんな言葉よりも当てはまる気がします。
親友アン・ルールが語るテッド
元シアトル警察職員でベストセラー犯罪作家のアン・ルールはバンディを「彼は彼の被害者の死の瞬間や死後でさえも被害者の苦痛や支配に喜びを得るサディスティックなソシオパスであった」と表現しています。
ちなみにアン・ルールはテッド・バンディとの友情を描いた 『The Stranger Beside Me』でブレイクした作家です。
テッド・バンディは自殺者を思いとどまらせるための電話相談員をボランティアとしてやっていた時期があり、アン・ルールもそこの同僚だったことで彼と出会っています。

犯行の背景にあったもの

初恋~別れ
テッド・バンディをシリアルキラーにさせたその犯行の背景にあったものがとても気になります。
生い立ちで幼少期からの家庭環境がよくなかったことで人格形成の時期が不幸だったかもしれませんが...。
バンディの学生時代にさかのぼります。
学校に行くようになると、バンディは成績もスポーツもよくできたと言います。ただ、私生児だとひた隠しにしていたせいか、自分に自信が持てないという点から社会性に欠けていたようです。
今でいう陰キャという感じでしょうか。そして覗きと盗みの常習犯だったようです。女性寮の覗もしていたとか。
そんなバンディでしたが、10代後半で初恋が訪れます。相手は裕福な家庭のお嬢様でとても美人のステファニーという女性でした。2人は婚約までします。
バンディはステファニーの両親の信頼を得るため、カリフォルニア州のスタンフォード大学に転入する頑張りを見せます。しかし、別れはステファニーのほうから告げられます。
失恋により、大学の成績も落ち失意のどん底状態になり大学を辞めてしまい、残ったのはステファニーへの憎しみでした。
普通で考えても男女の仲で心変わりはよくある話です。ただ、相手に執着してしまうと別れても心に残るものがいい思い出などではなく「恨み」「憎しみ」というのはあまりにも自分勝手なものでしかありませんね。
新たな出会いと悪夢の再会
1969年にテッド・バンディはカリフォルニアからワシントンに戻ります。シングルマザーのエリザベス・クレプファーと出会い交際します。
バンディはエリザベスとの交際期間中に連続殺人鬼として犯行を重ねていっています。二人の交際はバンディが捕まるまで続いていますが、エリザベスはバンディが犯人ではないかと疑いを持っていたと言われています。
ステファニーとの交際で失恋し、自分に自信を無くしていたバンディですが、好青年へと変わっていったきっかけが共和党ワシントン州副知事候補の選挙ボランティアになったことでした。
一生懸命活動に参加したバンディです。自身も取り戻していったようです。
そしてここで運命のいたずらなのでしょうか。婚約までしたステファニーと別れてから7年後に再会します。
ただこの時は素敵になったバンディにステファニーのほうから惹かれたようでした。でも今回はバンディのほうからステファニーを振ります。まるで7年越しの恨みを晴らしたかのように...。
実は、このステファニーとの再会で今度はバンディがステファニーを振ったことでバンディの中で何かスイッチが入ったのでしょうか。恐ろしい犯行が実行されていく事になります。
しかも襲う女性はステファニーと似た黒髪で真ん中から分けている髪型の女性でした。やはり眠っていたバンディの中の脅威はステファニーとの失恋から沸々と目覚めていっていたのでしょうか。
テッド・バンディを題材にした映画があります。
映画自体がフィクションの部分もあるのか?実際のテッド・バンディそのものを描いていくのかと興味がわきます。
テッド・バンディ題材の映画
映画『テッド・バンディ』公式サイト
テッド・バンディの最期
1989年1月24日のテッド・バンディの死刑が執行され、電気椅子の上で最期を迎えました。42歳でした。
最後の悪あがきだったのか、改心したのか?処刑の数日前に「全てを話す」と自らいい、刑の執行延期を求めています。実際は却下されています。
ただ最後にバンディが言ったのは「自分は暴力の中毒なんだ」。
これが本当に最後の自己弁護?自己分析?でもどんな言葉を持ってきても彼がした罪は消えないということです。
まとめ
テッド・バンディの名前をドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』で初めて聞いた人もいるでしょう。アメリカでは今でも語り継がれている最悪の連続殺人事件です。
この事件を知って日本でも同じようなシリアルキラーの事件は...?と記憶をたどると、ミドル世代だと思い浮かぶのは、戦後最大の連続女性誘拐殺人事件と言われた「大久保清事件」ではないでしょうか。
2度と同じような残虐な事件が起こりませんようにと願う反面、時代は変わってもシリアルキラーはまた現れるのではないかと....。
日本でもその昔、女性に振られたことをきっかけに恨みつらみで村人を次々殺していった映画「八つ墓村」のモデルとなり実際に起こった事件「津山三十人殺し」。
また令和の時代になって2017年に日本でも起こり、世間を震撼させた「座間事件」があります。
ただ思うのは、そんな犯罪者を作り出さない社会になり、人との繋がりが決して犯罪に繋がらない人の心が育つ世の中になってほしいということだけです。
映画「八つ墓村」のモデルになった事件「津山三十人殺し」の驚愕の真実 - Middle Edge(ミドルエッジ)