シザーハンズとは

ジョニー・デップ

『シザーハンズ』で両手がハサミの純真無垢な人造人間エドワード・シザーハンズを演じたジョニー・デップ(Johnny Depp)は、1963年6月9日生まれケンタッキー州オーエンズボロ出身の俳優で言わずと知れた映画界のスーパースターです。日本での愛称は「ジョニデ」。出世作『21ジャンプストリート』(テレビドラマ)で既にテレビ俳優としての人気を得ていたものの、同映画の大ヒットがさらなる知名度アップのキッカケとなりました。監督を務めたティム・バートンとはこの作品が縁となり、これまでに計8本もの映画でタッグを組むハリウッドきってのベストパートナー。バートン作品以外にも数々のヒット作に恵まれ、その中でも「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで演じたジャック・スパロウ役は世界中にファンを持つ当たり役の一つです。また演技力の高さから、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞といった賞レースの常連でもあります。
私生活ではウィノナ・ライダーやケイト・モスなど華々しい交際遍歴がありバツ2の婚約破棄が3回。長年事実婚関係にあったフランス人歌手兼女優のヴァネッサ・パラディとの間には2人の子ども(長女リリー=ローズ、長男ジョン)がいます。現在は俳優業のほかに映画製作会社「インフィニタム・ニヒル(en:Infinitum Nihil)」を妹と共同で設立し、プロデューサー業にも進出。またアリス・クーパーやジョー・ペリーと共にロックバンド「ハリウッド・ヴァンパイアーズ」を結成し、ミュージシャンとしても活動するなど、多方面で活躍しています。
ウィノナ・ライダー

ピュアな人造人間エドワードと恋に落ちる少女キムを演じたウィノナ・ライダー(Winona Ryder)は、1971年10月29日生まれミネソタ州ウィノナ出身の女優です。すでに『ヘザース/ベロニカの熱い日』(1989年)や『悲しみよさようなら』(1990年)など青春映画のヒロインとしてティーンのアイドル的存在だった彼女。また『ビートルジュース』(1988年)以来、ティム・バートン作品初期の常連でもありました。
その後も作品に恵まれ『恋する人魚たち』(1990年)で高い評価を受けたほか、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(1993年)でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞、そして『若草物語』(1994年)ではアカデミー主演女優賞にノミネートされました。また原作に惚れ込んだ『17歳のカルテ』(1999年)ではプロデューサー業にも挑戦しています。
私生活では『シザーハンズ』で共演したジョニー・デップと実生活でも交際。2人は1990年代初頭の象徴的なカップルとして大きな注目を集め、一時は婚約にまで至りましたが、その後破局しました。彼女にベタ惚れだったジョニーの腕には「ウィノナ・フォーエヴァー(WINONA FOREVER)」とのタトゥーが施されていたのは有名な話ですよね。2001年に窃盗事件を起こし逮捕されたりと少し荒れた時期もありましたが、2016年より放送開始となったドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でゴールデングローブ賞ドラマ部門女優賞にノミネートされるなど、現在も第一線で活躍しています。
ダイアン・ウィースト
心優しいキムの母親ペグを演じたダイアン・ウィースト(Dianne Wiest)は、1948年3月28日生まれミズーリ州出身。映画・テレビドラマ・舞台と幅広く活躍している彼女は1986年の『ハンナとその姉妹』と1994年の『ブロードウェイと銃弾』でアカデミー助演女優賞を2回受賞するという史上二人目の快挙を成し遂げた名女優です。2008年から放送されたドラマ『イン・トリートメント(In Treatment)』にはシーズン1~2の計17エピソードに出演し、エミー賞助演女優賞を受賞しました。現在も様々な作品で活躍中。私生活では結婚はしておらず2人の養子がいます。
アンソニー・マイケル・ホール
キムのボーイフレンド、ジムを演じたアンソニー・マイケル・ホール(Anthony Michael Hall)は1968年4月14日生まれマサチューセッツ州ボストン出身の俳優です。ヒットメーカー、ジョン・ヒューズが監督を務めた映画『ブレックファスト・クラブ』への出演を機に、一躍スターの座を得た80年代を代表する青春スター「ブラット・パック」の1人です。またテレビシリーズ『デッド・ゾーン』の主人公ジョニー・スミス役でもお馴染みですよね。現在もテレビや映画で活躍しています。
キャシー・ベイカー
エドワードのことを気に入る近所の主婦ジョイスを演じたキャシー・ベイカー(Kathy Baker)は、1950年6月8日生まれテキサス州ミッドランド出身の女優です。元々はパティシエを目指しパリの専門学校で学びましたが帰国後、演劇に魅了され舞台の世界へ。1983年には舞台出演と並行しながら映画デビューを果たし、現在は主にドラマや映画などの映像作品で活躍しています(これまでにプライムタイム・エミー賞を3度も受賞している実力派)。近年の出演作は映画『ジェイン・オースティンの読書会』『ウォルト・ディズニーの約束』『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』ほか。
アラン・アーキン
ペグの夫ビルを演じたアラン・アーキン(Alan Arkin)は、1934年3月26日生まれニューヨーク市出身の俳優です。学生時代はフォークグループに所属し、1958年から1968年までは「ベイビー・シッターズ」というグループに加わりミュージシャン活動を行なっていました。しかしその後、幼い頃からの夢であった俳優の道へと進みます。数多くの地方舞台を経験したのちオフ・ブロードウェイからブロードウェイに進出。そして1966年、映画デビュー作『アメリカ上陸作戦』でいきなりアカデミー賞主演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞受賞という快挙を成し遂げ一気に映画界の成功者となりました。近年では物語の重要な役どころを担う名バイプレーヤーとして活躍しています。最近の主な出演作は映画『リトル・ミス・サンシャイン』『アルゴ』『ダンボ』ほか。2人の息子、アダムとマシューも俳優です。
ロバート・オリヴェリ
キムの弟ケヴィンを演じたロバート・オリヴェリ(Robert Oliveri)は、1978年4月28日生まれカリフォルニア州ロサンゼルス出身の元子役。当初はドラマシリーズやテレビ映画など主にテレビを中心に活躍していましたが、1989年『ミクロキッズ』で映画デビューを果たし、同作で主人公の息子ニック役を演じ印象を残します。『シザーハンズ』後も『ジャイアント・ベビー』(1992年)や東京ディズニーランドの人気アトラクション『ミクロアドベンチャー』にVTR出演するなどしていましたが、1994年以降目立った俳優活動は行なっておりません。
ヴィンセント・プライス
人造人間エドワード・シザーハンズを作った発明家を演じたヴィンセント・プライス(Vincent Leonard Price, Jr.)は、1911年5月27日生まれミズーリ州セントルイス出身の俳優です。裕福な家庭に生まれ、高校卒業後はイェール大学で美術史や芸術を学び1935年に舞台デビューしました。1938年には映画デビューを果たし、ホラーからコメディーまでジャンルを問わず幅広い作品に出演。またその美声を活かし声優としても活躍しました。
彼の熱狂的なファンであったティム・バートンは自身の監督デビュー作である短編アニメ『ヴィンセント』(1982年)に語り手として起用。そして『シザーハンズ』が1993年に肺癌のため82歳で死去したヴィンセントにとって実写映画での遺作となっています。そのほか美術品収集家としてピカソやダリなどの作品を所蔵していたり、食を愛したその豊富な知識から料理本を出版していたりと、あらゆる分野に精通する文化人としても知られた存在でした。私生活では3度結婚しています。
コンチャータ・フェレル
近所に住むアクの強い主婦ヘレンを演じたコンチャータ・フェレル(Conchata Ferrell)は、1943年3月28日生まれウェストヴァージニア州チャールストン出身の女優です。キャリアのスタートは舞台から。ニューヨークを拠点とする劇団に参加し、その後ブロードウェイデビュー。1974年にはテレビ進出し、映画初出演は1976年公開の『ネットワーク』でした。個性的な声を活かし声優としても活躍。また映画『サムライ・カウボーイ』(1994年)では郷ひろみと共演しています。近年ではテレビドラマ『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』に2003年から2014年まで、ハーパー家の口の悪い家政婦バルタ役として出演。しかし2020年、心疾患のため77歳で死去しました。
ディック・アンソニー・ウィリアムズ
孤独なエドワードに理解を示す黒人警官アレン巡査を演じたディック・アンソニー・ウィリアムズ(Dick Anthony Williams)は、1934年8月9日生まれイリノイ州シカゴ出身。1968年に俳優デビューして以来、テレビドラマや映画など様々な作品へ出演しキャリアを重ねてきました。主な出演作は映画『狼たちの午後』『天国から落ちた男』ほか。私生活では女優のグロリア・エドワーズと結婚し二人の子供がいます。しかし2012年に77歳で死去しました。
オーラン・ジョーンズ
エドワードを悪魔呼ばわりする女エスメラルダを演じたオーラン・ジョーンズ(O-Lan Jones)は、1950年5月23日生まれカリフォルニア州ロサンゼルス出身。クセの強い役柄を演じることが多く、脇役ながら印象に残る女優と言えるでしょう。映画『マーズ・アタック!』(1996年)で再びティム・バートン作品に出演したほか、テレビシリーズ『マーシャル・ロー』では香港の大スター、サモ・ハン・キンポーと共演しました。私生活では劇作家で俳優のサム・シェパードと結婚していましたが、1984年に離婚。現在も映画やドラマで活躍しています。近年の出演作は映画『トゥルーマン・ショー』『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』ほか。
エモ過ぎるCM!
2021年、驚きのCMが誕生しました。これはアメリカ最大のスポーツイベント「スーパーボウル」のためだけにキャデラックが製作したもので、それはまるで映画『シザーハンズ』の続編のような仕上がり。ティモシー・シャラメがエドワード・シザーハンズ(ジョニー・デップ)の息子エドガー役を見事に演じ、そして何と言っても母親役として登場したウィノナ・ライダーの出演に感動した映画ファンも多いことでしょう。設定のすべてが完璧でした。