『ホーム・アローン』とは

『ホーム・アローン2』

その後「ホーム・アローン」シリーズはキャストやストーリーを一新させながら第5弾まで続きました。第3弾ではアレックス・D・リンツ、第4弾ではマイケル・ワインバーグ、そしてシリーズ完結編となった第5弾ではクリスチャン・マーティンがそれぞれ主人公の少年を演じています。
マコーレ・カルキン

『ホーム・アローン』と『ホーム・アローン2』で主人公の少年ケビン・マカリスター役を演じ一世を風靡したマコーレー・カルキン(Macaulay Culkin)は、1980年8月26日生まれニューヨーク州出身の俳優です。7人兄弟(5男2女)の次男で弟に同じく俳優のキーラン・カルキン、ロリー・カルキン、叔母には映画「ダイ・ハード」シリーズなどで知られる女優のボニー・ベデリアがいます。世界一有名な子役として『ギネスブック』に認定されるなど、90年代を代表する天才子役。また可愛らしいルックスと高い演技力でいくつかのヒット作にも恵まれました。

幼い友情と恋を描いた映画『マイ・ガール』(1991年)ではアンナ・クラムスキー演じるヒロイン、ベーダの幼なじみトーマス役を等身大にそして切なく演じ切り高い評価を受けました。2人のキュートなキスシーンはMTVムービー・アワードにて「ベストキス賞」を受賞しています。

1994年に主演した『リッチー・リッチ』では世界一有名な子役が世界一の大富豪の御曹司を演じたことでも話題となりましたよね。しかし当時マネージャーを務めていた父キットの非常識なギャラの要求により1994年後半にはオファーが激減。また両親が別れる際にマコーレの稼いだお金を巡り起こした裁判が泥沼化するなど、この頃から次第にプライベートでのトラブルが目立ち始めます。
一連のトラブルの影響により10代にして重度のアルコール依存症と診断されたり、薬物所持で逮捕されるなど私生活は荒れるばかり。17歳という若さで女優のレイチェル・マイナーと婚約し2ヵ月後に結婚するも2年で破局。また一時はそのあまりの激ヤセっぷりから余命半年報道が出たり、何度も死亡説が流れましたが、2016年頃より本格的に俳優活動を再開させています。
ジョー・ペシ
泥棒コンビの小さいほうハリーを演じたジョー・ペシ(Joe Pesci)は、イタリア系アメリカ人でニュージャージー州ニューアーク出身の映画俳優です。身長158cmと小柄でありながら特徴的な声と唯一無二の存在感で暴力的な役柄からコメディ作品に至るまでその演技の幅はとても広い。

1990年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の犯罪伝記映画『グッドフェローズ』でアカデミー助演男優賞を受賞したほか、1992年公開の『いとこのビニー』や『リーサル・ウェポン』シリーズなどでも知られていますよね。同じイタリア系俳優のロバート・デ・ニーロとは非常に仲が良く、彼が監督を務めた『グッド・シェパード』(2006年)にも出演しています。その後しばらくの間スクリーンから遠ざかっていましたが、スコセッシ監督の『アイリッシュマン』(2019年)で約9年ぶりに映画出演を果たし、再びアカデミー助演男優賞にノミネートされました。またゴルファーとしてプロツアーに参戦したこともあります。
ダニエル・スターン
ジョー・ペシと共に間の抜けた泥棒コンビを演じそれが当たり役となったダニエル・スターン(Daniel Stern)は、1957年8月28日メリーランド州生まれワシントン育ちで、身長193センチの長身俳優です。高校時代から学生劇に出演し、卒業後はニューヨークへと渡り演技を学びました。舞台での活躍がピーター・イェーツの目に留まり1979年、『ヤング・ゼネレーション』で映画デビュー。その後ウディ・アレンやティム・バートン監督作品に出演するなど着実にキャリアを積み重ねていき、『ホーム・アローン』の大ヒットで人気と知名度を獲得したのです。
またかつてNHKでも放映されていた人気テレビシリーズ『素晴らしき日々』(1988年-1993年)では、主人公ケビン・アーノルドの心の声と番組ナレーションを務めていました。現在もテレビドラマや映画で活躍しています。主な出演作:映画『がんばれ!ルーキー』『ベリー・バッド・ウェディング』『ローラーガールズ・ダイアリー』、テレビシリーズ『Dilbert』『Manhattan』ほか。
キャスリン・オハラ
ケビンの母ケイト・マカリスターを演じたキャサリン・オハラ(Catherine O'Hara)は、1954年3月4日生まれトロント出身のカナダ人女優です。1974年よりキャリアをスタートさせ、当初はトロントを拠点とするコメディ集団に参加。同時にコメディエンヌ、ギルダ・ラドナーのもとでも学びました。コメディ番組『セカンド・シティ・テレビジョン』にレギュラー出演していたほか、1970年代後半からは声優としても数多くの作品に起用されています。スクリーンデビュー作はカナダ映画の『Deadly Companion』(1980年)。その後は活動の幅をアメリカにも広げ、ティム・バートン監督の『ビートルジュース』(1988年)や「ホーム・アローン」シリーズなど出演作が立て続けにヒットしたことで、女優としての地位を確固たるものにしました。
主な出演作:映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『デブラ・ウィンガーを探して』『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』『チキン・リトル』『モンスター・ハウス』、テレビシリーズ『シッツ・クリーク』(2015年-2020年)ほか。
ジョン・ハード
ケビンの父ピーター・マカリスターを演じたジョン・ハード(John Heard)は、1946年3月7日生まれワシントンD.C.出身の俳優です。舞台からキャリアをスタートさせ、1970年代後半頃に映画界へ進出しました。当初はエキセントリックな役柄を演じることが多かったが『ホーム・アローン』でみせた陽気な父親役が当たり役となり、その後もジャンルを問わず様々な作品で活躍。映画のみならずテレビシリーズへのゲスト出演も多く、中でも『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』で演じた警察官役ではエミー賞にノミネートされるなど、その演技力の高さにも定評がありました。私生活では3度の離婚歴があります。主な出演作:映画『プリズン・ウォー』『キャット・ピープル』『バウンティフルへの旅』『レナードの朝』ほか。
デヴィン・ラトレイ
ケビンの意地悪な兄バズ・マカリスターを演じたデヴィン・ラトレイ(Devin Ratray)は、1977年1月11日生まれニューヨーク州ニューヨーク市出身の元子役です。両親が俳優だったという環境から9歳で芸能界入り。映画デビュー作は1986年公開の『Where are the Children?』でした。『ホーム・アローン』の大ヒットにより続編『ホーム・アローン2』へも続投。その後もコンスタントに役者業を続け仕事が少なかった時期を乗り越えて、近年再び出演作品を増やしている模様です。主な出演作:映画『わんぱくデニス 』『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』ほか。
ヒラリー・ウルフ
ケビンの姉ミーガン・マカリスターを演じたヒラリー・ウルフ(Hillary Wolf )は、1977年2月7日生まれシカゴ出身の元女優/柔道選手です。幼い頃からキッズモデルや子役として活動し「ホーム・アローン」シリーズへの出演やコメディ映画『マイ・スイートファミリー』では主演も務めましたが、その一方で7歳の頃から始めた柔道でも才能が開花。14歳の時に出場したアメリカ選手権の44キロ級で優勝し、史上最年少の国内チャンピオンという快挙を成し遂げました。その後女優業は引退し本格的に柔道の道へ。1994年の世界ジュニア48キロ級で優勝したほか、1995年に出場した世界選手権では日本の田村亮子さんとも対戦しています。そして1996年のアトランタオリンピック、2000年のシドニーオリンピックにアメリカ代表として出場。現在は結婚し2人の息子を持つ母親となっています。
キーラン・カルキン
ケビンの従弟フラー・マカリスターを演じたキーラン・カルキン(Kieran Culkin)は、1982年9月30日生まれニューヨーク州出身の俳優です。7人兄弟の三男で兄はマコーレー・カルキン。『ホーム・アローン』でデビューし、その後も「花嫁のパパ」シリーズや『マイ・フレンド・メモリー』『シーズ・オール・ザット』『ミュージック・オブ・ハート』など話題作に出演し続けました。


ティーンエイジャーになってからも着実にキャリアを重ね、映画『17歳の処方箋』(2002年)ではゴールデングローブ賞にノミネート。また近年は『FARGO/ファーゴ』などテレビドラマにも進出し、『サクセッション』(別名:キング・オブ・メディア)では再びゴールデン・グローブ賞にノミネートされました。私生活では2013年に元モデルのジャズ・シャルトンと結婚しています。
ブレンダ・フリッカー
『ホーム・アローン2』でケビンと友人になる孤独な老女、鳩おばさんを演じたブレンダ・フリッカー(Brenda Fricker)は、1945年2月17日生まれダブリン出身の女優です。親がジャーナリストだったこともあり、自身もその道を目指しアイリッシュ・タイムズで働いていましたが、次第に舞台に立つように。1970年代に入るとテレビドラマや映画などでキャリアを重ね、1986年からはイギリスの人気ドラマシリーズ『カジュアリティーズ』に出演しメーガン・ローチ役を演じました。1989年には伝記映画『マイ・レフトフット』でアカデミー助演女優賞を受賞した実力派。近年はグレン・クローズ主演の映画『アルバート氏の人生』(2011年)に出演しています。
ティム・カリー
『ホーム・アローン2』でケビンが宿泊したプラザホテルの癖が強い給仕係ヘクターを演じたティム・カリー(Tim Curry)は、1946年4月19日生まれウォリントン出身の俳優です。バーミンガム大学とケンブリッジ大学で演劇を学び、卒業後は舞台からキャリアをスタートさせました。

ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』で演じたフランクン・フルター博士役が大絶賛され、1975年公開の映画版でも同じ役を演じています。その後も映画『チャーリーズ・エンジェル』(2000年)や『名探偵ポワロ 死との約束』(2008)、テレビシリーズ『恐竜家族』など様々な話題作に出演してきましたが、2012年脳梗塞に襲われ現在は車椅子生活となってしまいました。そのため2010年に公開された映画『バーク アンド ヘア』以降は表舞台から退いている状況。しかし以前から声優としても多くの作品で活躍していたため、近年はその経験を活かして声の仕事を中心に活動しています。
ロブ・シュナイダー
『ホーム・アローン2』でチップを数える癖を持つプラザホテルのベルボーイ、セドリックを演じたロブ・シュナイダー(Rob Schneider)は、1963年10月31日生まれサンフランシスコ出身の下ネタを得意とするコメディアン、そして俳優です。学生時代からコメディに興味を持ち、コメディクラブに出演。その傍ら今では司会者としても有名なジェイ・レノや人気テレビドラマ『となりのサインフェルド』でお馴染みのジェリー・サインフェルドらの前座を務めていました。

またアメリカで1975年から続く長寿コメディバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にアジア系アメリカ人として初めてキャストメンバー入り。番組同期にはアダム・サンドラーやクリス・ロックなどがおり、特にサンドラーとは映画『ウォーターボーイ』(1998)や『ビッグ・ダディ』(1999年)、『50回目のファースト・キス』(2004年)をはじめ様々な作品で共演している戦友でもあります。また自身が主演した映画『ホット・チック』(2002年)のヒットによりファン層を拡大させるなど、現在もコメディ映画を中心に活躍する人気コメディアンの一人。
ダナ・アイヴィ
『ホーム・アローン2』でプラザホテルのフロント係の女性ストーンを演じたダナ・アイヴィ(Dana Ivey)は、1941年8月12日生まれジョージア州アトランタ出身の女優です。デビューは1962年に出演したテレビドラマの脇役。しかしその後しばらくは舞台に専念し、1981年『マクベス』でブロードウェイデビューを果たしました。メジャー映画への初出演は1985年にスティーヴン・スピルバーグが監督した『カラー・パープル』で、この頃から段々と映画での露出も増え始めます。「アダムス・ファミリー」シリーズで演じたモーティシア(アンジェリカ・ヒューストン)の友人マーガレット役でもお馴染みですよね。その後もテレビシリーズへのゲスト出演やトム・ハンクス、メグ・ライアン主演の映画『めぐり逢えたら』(1993年)をはじめ『サイモン・バーチ』(1998)や『キッド』(2000)、『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』(2003年)、『オーシャンズ8』(2018年)など数々のヒット作に恵まれました。映画『ラッシュアワー3』(2007年)では東洋人を代表するハリウッドスター、ジャッキー・チェンと共演しています。