第6回日本アカデミー賞
第6回日本アカデミー賞は1983年2月17日に東京プリンスホテルで開催された日本アカデミー賞発表・授賞式である。司会は山城新伍と石田えり。
最優秀作品賞『蒲田行進曲』
劇作家つかこうへいの代表作の一つ。京都の映画撮影所を舞台に、俳優らの交錯する心情を描いた人情喜劇。クライマックスで10メートルの高さの階段から転がり落ちる「階段落ち」は見もの。
プロデューサーの提案で、当初は松田優作が銀四郎役での出演を依頼されたが辞退した。その後キャスティングは難航し、スケジュールの余裕がなくなったことから、つかこうへい作品の舞台に数多く出演していた風間杜夫と平田満が起用されて、これが2人の出世作となった。

蒲田行進曲
優秀作品賞は以下の通り。
鬼龍院花子の生涯
疑惑
未完の対局
誘拐報道
最優秀監督賞:深作欣二『蒲田行進曲』『道頓堀川』
深作欣二監督は茨城県緑岡村出身。妻は女優の中原早苗。長男は映画監督の深作健太。
『蒲田行進曲』で第56回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画監督賞、第25回ブルーリボン賞 監督賞、第37回毎日映画コンクール 監督賞を獲得している。
また、1987年には『火宅の人』で第10回日本アカデミー賞 最優秀監督賞・最優秀脚本賞 を受賞する。

深作欣二
優秀監督賞と作品は以下の通り。
伊藤俊也(誘拐報道)
五社英雄(鬼龍院花子の生涯)
野村芳太郎(疑惑)
柳町光男(さらば愛しき大地)
最優秀主演男優賞:平田満『蒲田行進曲』
平田満は愛知県豊橋市出身。妻は女優の井上加奈子。市井の人を中心に演じて活躍するほか、癖の強い小悪人や犯人役などでも幅広い演技を見せている。
CMなどへの露出が少しずつ増えていた1982年に本作『蒲田行進曲』の村岡安次(ヤス)役に抜擢された。

愛の狩人
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優秀主演男優賞は以下の通り。
武田鉄矢(刑事物語、えきすとら)
仲代達矢(鬼龍院花子の生涯)
根津甚八(さらば愛しき大地、この子の七つのお祝いに)
萩原健一(誘拐報道)
最優秀主演女優賞:松坂慶子『蒲田行進曲』『道頓堀川』
松坂慶子は東京都大田区出身。1973年のNHK大河ドラマ『国盗り物語』で濃姫を演じたことで広く知られるようになった。
『蒲田行進曲』では売れなくなった女優の小夏役、『道頓堀川』では小料理屋『梅の木』の女将まち子役を演じた。これらの出演でキネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞にも輝いている。

エッセンシャル・ベスト松坂慶子
優秀主演女優賞は以下の通り。
いしだあゆみ(野獣刑事、男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋)
田中裕子(ザ・レイプ)
夏目雅子(鬼龍院花子の生涯)
桃井かおり(疑惑、青春の門・自立篇)
最優秀助演男優賞:風間杜夫『蒲田行進曲』

風間杜夫は東京都世田谷区出身。子役から芸歴をスタートし、少年雑誌の表紙を飾るほどの売れっ子になったが、「俳優を一生の仕事にするなら、子役の仕事をやめた方がいい」という米倉斉加年の言葉に従い、13歳で劇団を退団している。
本作『蒲田行進曲』に銀四郎役で出演したことによって顔が広く知られるようになった。テレビドラマ『スチュワーデス物語』の村沢浩教官役でも人気を集める。
優秀助演男優賞は以下の通り。
あおい輝彦(大日本帝国)
泉谷しげる(赤い帽子の女、野獣刑事)
柄本明(疑惑、道頓堀川、男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋、セーラー服と機関銃)
鹿賀丈史(疑惑)
最優秀助演女優賞:小柳ルミ子『誘拐報道』
小柳ルミ子は福岡県福岡市出身。歌手デビューした「わたしの城下町」で大ヒットを記録し、第13回日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得した。アイドル卒業後も歌手、女優として活躍。
『誘拐報道』では、身代金を要求する古屋数男の妻である古屋芳江役を演じ、キネマ旬報賞 助演女優賞も獲得している。

小柳ルミ子
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優秀助演女優賞は以下の通り。
秋吉久美子(誘拐報道、制覇、凶弾)
加賀まりこ(道頓堀川、ダイアモンドは傷つかない)
中井貴惠(あゝ野麦峠・新緑篇、制覇)
山口美也子(さらば愛しき大地)