ジャニーズJr黄金期とは
ジャニーズJr黄金期とは、90年代中盤から2000年代初頭にかけて巻き起こった一大ムーブメントのことを指します。まだCDデビューもしていないジャニーズJrたちが音楽番組、バラエティー、ドラマ、映画、舞台、CMに登場し、日本のエンターテイメント界を席巻。滝沢秀明さんをリーダーに今井翼さん、今や国民的アイドルとなった嵐、関ジャニ∞、生田斗真さん、風間俊介さん、そして山下智久さんなど、のちのスーパーアイドルたちが当時Jrでありながらも、すでに爆発的な人気を獲得していた時代。次に誰がデビューしてもおかしくないほど一人一人の個性が豊かな時代でもありました。まさに記録にも記憶にも残るジャニーズの華やかな歴史の1ページとしてこれからも語り継がれていくことでしょう。
Jr黄金期のリーダー滝沢秀明とは

タッキーの愛称で親しまれた滝沢秀明さんはKinKi Kidsの堂本光一さんに憧れて自ら履歴書を送り1995年、オーディションを経てジャニーズ事務所に入所しました。入所からわずか半年後にはフジテレビ系のドラマ『木曜の怪談』でドラマデビューにして初主演を務めるという快挙を成し遂げます。その恵まれたルックスでドラマ放送開始と共に一躍時の人となった彼の人気は凄まじく、黄金期メンバーの中でも事務所の社長ジャニーさんから一目置かれるほど特別な存在でした。滝沢さんが居なければここまでJrが脚光を浴びることもなかったと言われるほど、正真正銘ジャニーズJr黄金期の顔!まさにカリスマ!そしてJrのセンターポジションはいつだって彼のものでした。またデビュー前にも関わらず先輩のコンサートのグッズ売り場にはタッキーのグッズも置かれていたという逸話まで残されています。後輩の面倒見も良く「小さなジャニーさん」と呼ばれるほど、Jr時代から人をまとめるリーダー的な才能を発揮していました。
同期の今井翼さんと「タッキー&翼」を結成しCDデビューしたのは2002年のこと。その後もドラマやバラエティー、歌手活動を並行して続け、2005年にはNHKの大河ドラマ『義経』に主役の源義経として当時の最年少記録で大抜擢されます。ここでの演技力が高い評価を受け、第14回橋田賞を受賞しました。この頃から徐々に活躍の場をテレビから舞台へと移行していき、そこから生まれた作品が大人気舞台『滝沢歌舞伎』です。
しかし充実したキャリアを積み重ねながらも2018年、グループを解散。今井さんはメニエール病の治療に専念するため事務所を退所。自身は裏方としてジャニーズを支え、お世話になったジャニーさんのやって来たことを未来へと繋げていきたいという強い思いから、惜しまれつつ23年間の芸能生活に幕を閉じ引退しました。現在は第二のジャニーズJr黄金期を作るべく、Jrたちの育成に奮闘中!また2019年よりジャニーズ事務所傘下の関連会社「ジャニーズアイランド」の社長に就任した他、同年9月からは新役員人事にてジャニーズ事務所の副社長にも抜擢されました。そして相方の今井さんは現在、健康を取り戻しながら「松竹エンタテインメント」所属の俳優としてマイペースに芸能活動を続けています。
伝説のバラエティー番組『8時だJ』

まだデビュー前のジャニーズJrが全国放送のしかもゴールデンタイムに冠番組を持つなんてことは、それまで考えられないことでした。『8時だJ』は1998年から約1年間放送され「Jrの気持ち」や「Jrシアター」、運動神経を競う「J-1グランプリ」といった多くの人気コーナーを誕生させ、当時の黄金期メンバーの勢いを感じずにはいられない伝説のバラエティー番組です。また「スーパーアイドル相葉ちゃん」などJrそれぞれの個性が注目される場ともなり、8時だJをきっかけに自分の推しを見つける視聴者も多かったことでしょう。司会進行はお笑いタレントのヒロミさんと当時16歳のタッキーが務めました。そしてこの番組の「ジャニーズJr.オーディション」に合格しジャニーズ入りを果たしたのが、人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」にて、おかくらの板前として働く森山壮太役でお馴染みの俳優・長谷川純さんです。
定番曲はコレだ!
ジャニーズには代々歌い継がれている様々な楽曲があります。その中でもJr黄金期から現在まで歌い継がれるJrの定番ソングと言えばこの2曲!
『Can do! Can go!』
イントロを聴くと一瞬にして『8時だJ』のオープニングを思い出す人も多いのではないでしょうか。まさに黄金期メンバーと彼らを応援していたファンを繋ぐ青春ソングです。また2018年に放送された『8時だJ』大同窓会スペシャルの最後を締めくくったのもこの曲でした。しかしこれはジャニーズJrのオリジナルソングというわけではなく、1998年に発売されたミニアルバム『SUPER HEROES』に収録されているV6の楽曲です。
『明日に向かって』
『Can do! Can go!』とともに人気を集めるJrソングと言えば『明日に向かって』。Jrがコンサートや歌番組で披露する際の定番曲で、嵐のデビューシングル『A・RA・SHI』のB面にも収録されています。また毎年恒例のジャニーズカウントダウンライブ(通称カウコン)にて黄金期時代「東の滝沢・西のすばる」と称され人気を博した滝沢さん(当時:タッキー&翼)と渋谷すばるさん(当時:関ジャニ∞)が2015-2016のカウコンに2人揃って登場し、ファンのリクエストに答える形で久々に同曲を披露し会場を沸かせたことも、ファンにとっては記憶に新しい出来事でしょう。今となっては大変貴重なツーショットとなりましたね。
彼らが残した作品たち
ここからは才能溢れる彼らがJr時代に出演した懐かしき作品の一部をご紹介します。
ドラマ『怪奇倶楽部』

ジャニーズJr黄金期の全てはこの番組から始まりました。『怪奇俱楽部』はジャニーズ事務所に入所後わずか半年というキャリアの滝沢少年がドラマ初出演にして初主演を務めた秀作です。当時フジテレビに存在したゴールデンタイムのドラマ枠でオムニバス形式をとっていた「木曜の怪談」からの1作品。滝沢さんは主人公の赤星のぼる役を好演しました。また同期のJrで共演者でもあった今井翼さん川野直輝さんと共に「怪奇トリオ」としても大活躍していましたよね。
ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』

事務所の先輩KinKi KidsのW主演で1997年日本テレビ系で放送された『ぼくらの勇気未満都市』。本作にはこれが連続ドラマ初出演となった相葉雅紀さんと松本潤さんも初めてとは思えない存在感で登場しています。また光一さん演じるヤマトの親友キイチ役で人気Jrだった小原裕貴さんも出演していました。2017年にはKinKi Kidsのデビュー20周年を祝う特別企画として、同番組の放送から20年後の現代を描いたスペシャルドラマも制作され、多くのファンを喜ばせました。
ドラマ『魔女の条件』

1999年、滝沢さんと松嶋菜々子さんのW主演で話題となったTBSドラマ『魔女の条件』。本作は平均視聴率は21.5%、最終回の最高視聴率29.5%という高視聴率を叩き出し、社会現象となった90年代を代表する名作の1つです。人気絶頂のタッキーが等身大の高校生の危うさを見事に演じ、その演技力の高さにも注目が集まりました。光と未知の恋の行方に毎回ハラハラ・ドキドキさせられましたよね。また主題歌を務めた宇多田ヒカルさんの「First Love」がより一層物語を切なく盛り上げました。
ドラマ『あぶない放課後』

関西ジャニーズJrだった渋谷すばるさんと二宮和也さんによるW主演作。原作は「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さんによる漫画『天才ファミリー・カンパニー』です。当時テレビ朝日系列に存在した月曜ドラマ・イン枠にて放送されました。まったく性格の異なる異母兄弟の青春と成長を描いた物語。また数々の映画やドラマに主演してきた二宮さんの数少ない恋愛要素アリの作品としても貴重な1作となっています。
映画『マイ・フレンド・フォーエバー』

日本でも大ヒットした映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のビデオ版の日本語吹き替えを担当したのが、当時ドラマ『木曜の怪談』に出演し人気に火が付き始めていた滝沢さんと今井翼さんです。2人は主人公の少年、エリックとデクスターの声を担当しました。まだ幼さが残る彼らの声の演技にも注目が集まりましたよね。
映画『新宿少年探偵団』

1998年公開の『新宿少年探偵団』で映画初出演にして初主演を務めた相葉さん、松本さん、横山裕さんの3人。今でこそジャニーズJrが映画で主演を張る機会は増えてきましたが、当時は映画出演はもちろん主演などとても稀な時代。近年のJrに多くのチャンスが与えられているのは黄金期での大成功が良い教科書となっているからなのではないでしょうか。
伝説の東京ドームコンサート!
ジャニーズJr黄金期の伝説と言えば、1999年10月に開催されたJr単独での東京ドームコンサートが思い出されます。これまでにも横浜アリーナや大阪城ホールなどでの単独コンサートは行なわれてきましたが、ドーム規模ではこれが史上初の試みでした。ステージ製作に3億円、衣装代に1億円をかけた大規模演出は圧巻のひと言。またこの公演では同年11月にCDデビューを控えていた嵐の初お披露目が行われ、総勢120人のジャニーズJrと計5万5千人のファンに祝福されながら、彼らは新たなステージへと歩み出して行ったのです。
それぞれの道へ…
ジャニーズJrとは、ある意味みんなが仲間でありライバルのような存在。そんなJr黄金期の1つのピークはもしかすると嵐がデビューしたことで迎えたのかもしれません。その後の彼らはそれぞれの道を歩み始めます。嵐、関ジャニ∞、タッキー&翼など、グループとしてデビューする人たちもいれば、俳優としてキャリアを積み重ねていく人もいます。しかし黄金期前からJrの花形的存在だった小原裕貴さんはジャニーズJrを卒業し、芸能活動からの引退を決断しました。また怪奇トリオとして人気だった川野直輝さんも退所するなど様々な思いを胸にそれぞれの場所へと進んでいった黄金期メンバーの少年たち。道は違えど「ジャニーズJr黄金期」の伝説は永久に不滅です!
伝説ふたたび?

2020年夏、ジャニーズJr内のユニット「美 少年」がテレビ朝日で放送されたドラマ『真夏の少年〜19452020』にてメンバー全員で主演を務めるという大役を任されました。彼らの若さ溢れる体当たり演技は、何だかあの頃のような青春を感じさせてくれます。また事務所の大先輩・木村拓哉さんが主演を務める『BG~身辺警護人(第2章)』には、なにわ男子 / 関西ジャニーズJrの道枝駿佑さんがレギュラー出演。さらにはジャニーズJr.の公式YouTubeチャンネル『ジャニーズJr.チャンネル』を開設するなど、その活躍は目まぐるしい。私たちが熱狂したあのJr黄金期がふたたびやって来る日も近いのかもしれませんね。
まとめ
「滝沢秀明」という一人の圧倒的な美少年を中心に、突如として巻き起こったジャニーズJr黄金期。それはまるでシャボン玉のように一瞬で、儚いものでした。しかし彼らがくれた夢の時間は、決して色あせることなく、いつまでも私たちの青春の1ページとして輝き続けるでしょう。皆さんの推しは誰でしたか?