『妖魔』とは?
少女マンガとして有名なリボン系で連載されていたコンテンツでは珍しく、忍びの世界を題材とした内容で、少女マンガとしては異彩を放つタイトルといえます。連載終了してから3年後の1989年には、OVAとしてアニメ化も実現しました。
今回の記事は、こちらのOVA版『妖魔』を中心にご紹介させていただきます。
OVA版『妖魔』のストーリー
捨て子として忍びの里で育った緋影(ひえい)と魔狼(まろう)。二人は兄弟のように育ち、忍びとして、里でトップを争うほどの使い手になりました。
ある日、不意打ちで飛んできた手裏剣をかわしきれず、緋影は生死をさまようほどの怪我を負います。手裏剣は魔狼が投げたもので、刃先には猛毒が塗られていたことが判明。すると、魔狼は長老からの責めを追い、里から追い出されてしまうのでした。
緋影が意識を取り戻した頃、すでに里に魔狼の姿はなく、その後の顛末を知ります。魔狼が手裏剣を投げたのは、何かの間違いか事情があってのことだと考え、里を抜け、彼の後を追うための旅に出ました。
しかし、緋影を待ち受けていたものは妖魔たち。執拗に命を狙われるようになった緋影は魔狼との再会を果たせるのでしょうか…
OVA版『妖魔』の魅力とは?
少女マンガらしからぬ、本格的な忍者ものといった作風は『妖魔』の大きな個性といえるでしょう。少年マンガみたいではあるものの、恋愛要素のあるストーリーの繊細な構成は、やはり少女マンガらしさを感じさせます。
少女マンガ・少年マンガ、どちらの要素も兼ね備えているといったポイントは『妖魔』の魅力といえるでしょう。
少年マンガに見られるような必殺技で妖魔を倒すといった描写は見られず、主人公・緋影は忍者刀などの武具を用いて妖魔を倒します。そういった背景もあり、バトル描写は意外とあっさりしている印象です。バトルものといった期待には応えられないかもしれませんが、子供受けしそうな要素は薄めで、大人が楽しめるコンテンツといえますね。
OVA版『妖魔』の類似作品とその比較
『忍風カムイ外伝』
内容&あらすじ
『世界忍者戦ジライヤ』
内容&あらすじ
『NARUTO―なると―』
内容&あらすじ
OVA版『妖魔』まとめ
原作コミックが少女マンガだと思えないOVA版『妖魔』。物語冒頭は硬派な忍者ものアクションといった雰囲気が漂います。しかし、緋影や魔狼に想いを寄せるヒロインの存在は少女マンガの描写そのものだといえます。
アクション要素やバトル展開を好むユーザーにはおすすめできませんが、ダークファンタジー系や人間ドラマに富んだ物語が好きだという視聴者には響くでしょう。この機会に、OVA版『妖魔』をご覧になり、そのストーリー展開や魅力をぜひお楽しみください。