『バイオレンスジャック』とは?
それぞれの作品において、主人公のバイオレンスジャックを演じている声優が異なります。しかし、主人公は寡黙なイメージということもあり、そのことによる違和感はほとんどありません。設定も原作コミックからアレンジが加えられ、彗星の衝突によって無法地帯となった世界観といった設定となっています。ただ原作コミックに見られる過激な描写は、そのまま映像化されており、万人受けする内容とはいえないでしょう。
今回の記事では、OVA版として発売された『バイオレンスジャック』について紹介していきたいと思います。
OVA版『バオイレンスジャック』各エピソード
永井豪の原作の雰囲気をそのままにオリジナルストーリーで贈るバイオレンス巨編。大地震で崩壊した地下街を舞台に、抗争を繰り広げる3つの勢力と、伝説の男“バイオレンスジャック”との死闘を描く。
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荒廃した世界に生きる健気なカップル。しかし、突如として現れた暴走族に襲われ、青年は無残な死を遂げ、娘は輪姦されてしまいます。修羅場から生き延びた娘は暴走族に復讐を誓うのでした。
暴走族は悪行の限りを尽くし、度々、近隣の街に出向いては好き勝手に暴れ回っていました。そんなときに謎の大男・バイオレンスジャックが現れ、街の住民のピンチを救うのでした。しかし、騒ぎに乗じ、街の女性教師が暴走族に拐われてしまいます。頼みの綱であるバイオレンスジャックも重傷を負い、満足に動ける状態にはありませんでした…
類似作品『北斗の拳』との比較検証
こちらでは両作品の共通点・相違点をまとめ、内容の理解を深めていきたいと思います。
共通点
口数の少ない主人公
ケンシロウとバイオレンスジャックの共通点といえば、やはり口数の少なさが挙げられるでしょう。どちらも積極的に発言するといったタイプではなく、じっと展開を見守っている印象を受けます。
こうしたキャラクター性から、どちらも人間模様を克明に描かれていて、表立ったきれいな部分だけではなく、裏側の醜い部分を強調しているように思えます。
悪党に対して非情さ
ケンシロウも、バイオレンスジャックも、どちらも険しい表情をしていることが多いです。しかし、穏やかな表情を覗かせる場面もあり、本来は優しい性格をしていることを伺わせています。そして、悪党に対しての非情さというところも共通していますよね。
人間と人間らしさを失なった者への態度が極端に違っていて、そのギャップがそれぞれのキャラクター性の魅力になっているような気がします
相違点
バトル描写の違い
バイオレンスジャックは大男で、ジャックナイフで敵と戦います。それに対し、ケンシロウも設定としては大柄なのでしょうが、敵はケンシロウよりも遥かに巨漢であるパターンが多いです。そして、ケンシロウは拳法を習得しており、基本的には素手で戦います。
こうした違いからいえるのは、『北斗の拳』はバトル展開を重視しているのに対し、『バイオレンスジャック』は敵を倒すときは過激な描写がありつつも、意外とあっさりしているということでしょう。
こういった違いから、それぞれの作品が重視しているところが異なることが伺えます。
戦いの中から男同士の友情や美徳を描いている『北斗の拳』に対し、それらの要素を控えめにして人間としての根幹部分の道徳を描いているように思えます。
アダルト要素の有無
暴力的な描写が際立つ両作品ですが、性的な表現には決定的な違いがあります。登場する女性はほぼレイプされてしまう『バイオレンスジャック』に対し、『北斗の拳』にはそのような場面はありません。
『バイオレンスジャック』は男性ユーザーに向けてのサービスを強く意識しているように思えます。永井豪さん&ダイナミックプロの作品は『バイオレンスジャック』以外においても、そもそもセクシャル要素を重視するコンテンツが多く、原作者の個性を強く反映していることを伺わせます。
リアリティーを考えるなら、性的描写を排除した『北斗の拳』よりも、大胆にレイプされる女性を描いた『バイオレンスジャック』に軍配が上がりますよね。逆にそういった要素のない『北斗の拳』に不自然さを感じていまいます。
OVA版『バイオレンスジャック』まとめ
これまで3作に渡ってOVA化されてきた『バイオレンスジャック』。その世界観は、まさに永井豪さんとダイナミックプロによる『北斗の拳』そのものといった印象です。アダルト要素も加わり、男性ユーザーにとっては魅力的な内容といえるでしょう。
記事を読んで、少しでも内容が気になるようであれば、記事内に掲載している本編動画をご覧になり、ご自身の目で見届けていただければと思います。目を覆いたくなる場面もあるかもしれませんが、その強烈なインパクトは相当なもので、現代のアニメ・OVA作品にはない要素を楽しめるはずです。