■木暮修(オサムちゃん・アニキ)-萩原健一
言わずと知れた「ショーケン」は、グループサウンズの時代「ザ・テンプターズ」のヴォーカルとして絶大な人気を誇っていました。
俳優転向後も、危なっかしいムードを漂わせた唯一無二の俳優さんで、亡くなられるまで圧倒的な存在感でした。
そんなショーケンの若さが爆発していたのが「小暮修」役であり、みんなが憧れた「アニキ」でしたね。
■乾亨(アキラ)-水谷豊
子役として13歳の時から芸能界で活躍されている水谷豊さんですが、今ではすっかり「相棒」シリーズの右京さんのイメージが定着しています。
水谷さんにとって「傷だらけの天使」は、俳優生命を救ってくれたドラマのようです。
沢山の作品に出演し評価も得ていた水谷さんですが、パッとしない時期もあり「このドラマがダメだったら故郷の北海道へ帰ろう」と考えていたそうです。
そして、そんな水谷さんをアキラ役に推薦したのは「萩原健一」さんでした。
萩原さんは、共演した際の水谷さんの仕事にかける"ひたむきさ"が好きだったそうです。
「最後の勝負」との思いが演技にもプラスになったのでしょうか、弟分「アキラ」は何とも憎めない愛されキャラとして、水谷豊さんの俳優人生の1ページに刻まれました。
他には、所長に岸田今日子さん、綾部情報社のナンバー2に 岸田森さんや、毎回ゲスト出演者が豪華でした。ちなみに第1話に子役時代の坂上忍さんが出演されていました。
傷だらけの天使 あなたの神回はどれ?最終回は別格!
最終回は別格としても、自由奔放に動き回る修と亨に魅了され、どこか可笑しくて切ないストーリーで一つに決めきれないですよね。
回ごとに脚本、監督が違っていたのも、それぞれの持ち味が出ていて楽しめました。
ちなみに、ショーケン(萩原健一さん)の思い出の回は、
第6話「草原に黒い十字架を」
修と亨が名画「六月のマドンナ」を、偽物とすり替えるように依頼された回でした。
母親が自殺した孤独な少女「なつめ」との話しですが、最後がやりきれなくてセリフがいちいち心に刺さりました。
「偽もんだよ、兄貴い…。貧しいねぇ」と亨 掘り続けながら「貧しいなぁ!」と修。
ストーリー的に「この回が神回」というのもありますが、全話通して修と亨のキャラが立っていて、そこへ「綾部情報社」のW岸田(綾部貴子と辰巳五郎)が絶妙でした。
修は、世の中に対する怒りや挫折感を破天荒なエネルギーで発散していましたが、ショーケンがハマり役だったというより、萩原健一さんそのものだった様に感じます。
亨は、チョッとオネエぽいような感じでペットの様にアニキにまとわりついていましたね。今の水谷豊さんの演技からは考えられませんが、ピョンピョン跳ねながらポケットに手を突っ込んで「アニキ~」好きでしたねぇ。
■修と亨が住んでいた"エンジェルビル"の現在
ショーケンの死去と同年に…「傷だらけの天使」の舞台となった“エンジェルビル”こと代々木会館が解体へ。 - Middle Edge(ミドルエッジ)