OVA【ウィザードリィ】を振り返る！面白いポイントや豪華声優陣など

主人公目線でダンジョンを攻略して、ボスの打倒、宝物の入手といった目的を達成させるといった内容となっています。そのためには主人公や仲間たちを成長させるといった要素があり、日本の人気・名作RPGタイトルとして挙げられる『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』といった作品にも大きな影響を与えました。

1991年に松竹富士によって制作・発売されたアニメで、オリジナルのシナリオ1を題材して物語が展開されます。テレビアニメではないことから、内容的には短編アニメといったものでコンパクト。オリジナルのゲームユーザーに向けた内容というより、アニメファンにウィザードリィの世界観を知ってもらい、新規のゲームユーザーの囲い込みを狙ったものと考えられます。

1000年の呪いが封印され、世界を永遠の闇にしてしまうアミュレット。野望を抱く魔術師・ワードナは、そのアミュレットを悪用して世界征服を企んでいました。
トレボー王は、ワードナからアミュレットを奪還すべく冒険者たちを募りました。しかし、いつしか冒険者たちは危険を避け、迷宮のモンスターを倒して宝物を得ることに執心するようになります。

地下9階に辿り着いた一向は、強力なモンスターの群れに襲われていた女魔術師シーラと出会いました。彼女は伝説の刀『村正』を求めて姿を消した恋人のランディを追い、ここまでやってきたと言います…

ジューザは回復だけではなく、防御・攻撃などの呪文を使いこなすエキスパート。味方の中では、群を抜いた実力の持ち主です。しかし、その力に溺れることなく、何よりも優先して傷ついた仲間を助けようとします。
惜しげもなく自分自身の生命力を使い、仲間をサポートする姿には心が打たれます。傷ついた仲間たちを治すため、死んでしまった弟子のアルパーを蘇生するため、全ての生命力を使い果たしてしまう場面は、彼の優しさが伝わってくる名場面です。

恋人のランディは目的の『村正』を手に入れていたものの、モンスター化しており、自我は完全に失われていました。ランディを追い、ここまでやってきたシーラの気持ちを考えると切なくなってきます。
結果的には恋人のランディを倒さなくてはいけなくなってしまい、シーラの葛藤は相当のものだったはずです。こんな結末になってしまったのは、魔術師ワードナのせい。こうしてワードナ打倒を果たす意義に、ランディの敵討ちという要素が加わることになります。
単純な冒険活劇といった内容だけではなく、視聴者が感情移入してしまう心情を描いており、そういったところが物語として面白いものとなっています。

OVA版『ウィザードリィ』はアニメとして面白みのある作品であり、そのうえで、豪華な声優陣による共演が実現したコンテンツといえます。観たことがないというミドルエッジ世代は、ぜひ上記の動画をご覧になってみてください。
RPGからアニメになった作品はこれまでに数多くありますが、その中でも、OVA版『ウィザードリィ』はシリーズ化してほしいと思えるほどのクオリティーです。本編時間は短く、簡潔にまとまっているのも特徴といえるでしょう。原作のRPGを知らない人も、この作品を通して『ウィザードリィ』の世界観を知り、ゲームを始めるのもいいと思いますよ。