ソアラやマークII三兄弟など『ハイソカーブーム』の人気車種【10選】

ソアラやマークII三兄弟など『ハイソカーブーム』の人気車種【10選】

80年代のバブル期に巷を席巻していた「ハイソカー」。この記事では、当時高い人気を誇っていた10車種について特集してみたいと思います。


高級志向が芽生えた80年代

70年代のオイルショックを経て、バブル景気へと世の中が向かっていった80年代。暮らしが豊かになっていくに比例し、世間では高級ブランド志向が急速に高まり、男性はロレックスといった腕時計を、女性はCHANEL(シャネル)「N°5」といった香水やルイ・ヴィトンのバッグを身に纏っていました。

ロレックス デイトジャスト Ref.16233

CHANEL(シャネル)『N°5』

また家電の分野では、テレビ、洗濯機、冷蔵庫のいわゆる「三種の神器」は既に普及しており、更なる快適な生活を求める人々が増加。80年代前半には、定価10万円を超えるエアコンやビデオデッキ、定価20万円を超えるレーザーディスクなど、ハイクラスな生活を求める人々で家電量販店は溢れていました。そんな中、男性を中心に人気を集めていたのが今回ご紹介する「ハイソカー」です。

1981年に発売されたレーザーディスク第1号機「LD-1000」。当時、定価20万円以上する高級品でした。

パイオニア「LD-1000」

【ハイソカー動画】を製作しました!

今回、デートカー動画に引き続き、【ハイソカー動画】を製作しました。タイトルは「バブル期を駆け抜けた至高のハイソカーたち~それはまさに男たちの憧れだった~」です。
本稿に登場の車種を、映像ならではの動きと音、そしてナレーションで扱っております。

”昭和は遠くなりにけり”。
しかし、我々の青春時代は今も眩いばかりの光を放っています!

昭和後期のハイソカーブーム、目を細めてご覧いただければ幸いです。

下記の記事より【デートカー動画】がご覧になれます!

バブル期に流行したデートカー!『スケベノブ』って覚えてる?女性を落とす魅惑のレバー - Middle Edge(ミドルエッジ)

80年代の『ハイソカーブーム』

そもそも「ハイソカー」とはどういう意味なのでしょうか?ハイソカーの「ハイソ」とは「ハイソサエティー(high society)」の略称であり、直訳すれば「上流階級」という意味になります。それを車に当てはめた和製英語が「ハイソカー」です。現代であれば「セレブカー」などと呼んでも良いかもしれません。

2ドアハードトップ(1969年型)

3代目 トヨタ・クラウン

トヨペット クラウン 2ドアハードトップ MS51(カタログ)

3代目 トヨタ・クラウン

トヨペット クラウン 2ドアハードトップ MS51(カタログ)

3代目 トヨタ・クラウン

ハイソカーの特徴ですが、まず挙げられるのは白いボディカラー。これは3代目トヨタ・クラウンのキャッチコピー「白いクラウン」からの系譜と言われており、かつて定番であった黒から白へとボディカラーが変化したことで、より洗練された印象を我々に与えました。そして白のボディカラーに対して内装はワインレッドの場合が多く、この対比がより高級感を醸し出していました。



そんなハイソカーがブームとなる火付け役となったのは、1981年に登場したトヨタ・ソアラ。その初代及び2代目が、ハイソカーの定番として持て囃されました。一方で、ソアラに対抗する存在としてトヨタからはマークII、クレスタ、チェイサーのいわゆる「マークII三兄弟」、日産からは「セドグロ」と呼ばれたセドリックとグロリアなどが登場、バブル期には様々なハイソカーが巷を席巻しました。これらの車種は、女子大生など女性からも支持の厚い「モテ車」として、ヤンチャな層から大学生まで、若い男性がこぞって買い求めるという現象も見られました。



ここからは、当時人気の高かったハイソカーのうち10車種を厳選してご紹介したいと思います。

トヨタ《ソアラ》

まずご紹介するのはトヨタ《ソアラ》。1981年に登場した高級パーソナルクーペであり、マイコンで制御されたオートエアコン、目的地への到着時刻などを計算するドライブコンピュータなど当時の最先端技術が多数採用され、その高い性能からハイソカーブームの代名詞的存在として大変な人気を博しました。

前期型 2800GT エクストラ

トヨタ・ソアラ(初代)

後期型 3.0GT リミテッド

トヨタ・ソアラ(初代)

【画像提供:カーセンサーnet】

トヨタ・ソアラ(初代)

1981年から1986年にかけて生産されていた初代ソアラ。「未体験ゾーンへ。」「SUPER GRAN TURISMO」のキャッチコピーで、メルセデス・ベンツ・SLクラスなどの欧州車に対抗し得る国産車として売り出されました。前述のオートエアコンのほか、現代における高級車の基礎となる機能が多数搭載されており、また電子制御式サスペンション(TEMS)など、当時のトヨタの最先端技術を惜しげもなく採用した同社のイメージリーダーとして君臨していました。1981年には、第2回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

車内(2800GT エクストラ)

1986年から1991年にかけて生産されていた2代目ソアラ。「世界にひとつ、日本にソアラ。」のキャッチコピーで、初代のイメージを踏襲したその曲線美のフォルムは、バブル景気に沸いた当時の若者たちの憧れの的となりました。また漫画「シャコタンブギ」に登場するなど、ヤンキー・暴走族といった層にも人気が浸透していました。

前期型 2.0GT ツインターボ

トヨタ・ソアラ(2代目)

トヨタ《マークII》

1968年から2004年にかけて生産されたトヨタ《マークII》。クラウンとコロナの中間車種という扱いであったマークIIがハイソカーとして注目を集めるようになったのは、1980年に登場した4代目からのことでした。この4代目X60型では、直線を基調としたスタイリッシュなフォルムと「4ドアハードトップ」が採用され、その実用性の高さから中高年のみならず若年層にも人気を博しました。

ハードトップ 2000グランデ(1980年10月販売型)

トヨタ・コロナマークII(4代目)

1984年には、モデルチェンジした5代目X70型が登場。この代より車名が正式に「トヨタ・マークII」(車名からコロナの名前が外れた)となり、モデルの高級化・大型化が加速していきました。姉妹車として販売されていたチェイサー、クレスタとともに「マークII三兄弟」と呼ばれるようになったのもこの時期で、ハイソカーの代表格として、ソアラに負けず劣らずの争いを繰り広げていました。

ハードトップ(1984年8月発売型)

トヨタ・マークII(5代目)

トヨタ《チェイサー》

1977年から2001年にかけて生産されたトヨタ《チェイサー》。マークII及びクレスタの姉妹車という扱いであり、1980年に登場した2代目の時代から前述の「マークII三兄弟」を形成するようになりました。またスポーツカーとしての一面もあり、2代目においては最高級グレードにミシュランタイヤなどを採用した「アバンテ」を設定していました。なおアバンテについては、1984年に登場した3代目ではラグジュアリー系のグレードとなります。

GTツインターボ(1986年8月改良型)

トヨタ・チェイサー(3代目)

トヨタ《クレスタ》

1980年から2001年にかけて生産されたトヨタ《クレスタ》。前述のとおり「マークII三兄弟」の一角であり、登場したのは1980年と三兄弟の中では最も登場の遅い車種でした。その初代は4ドアピラードハードトップを採用したスタイリッシュなデザインとなっており、その高級感から一躍注目の的に。その影響で、マークIIとチェイサーがクレスタを意識したフルモデルチェンジを行い、その結果「マークII三兄弟」が形成されていきました。また、ヤンキーや暴走族の間で初代ソアラと双璧の人気を獲得していたことでも有名です。

1984年8月発売型

トヨタ・クレスタ(2代目)

トヨタ《クラウン》

1955年より生産されているトヨタ《クラウン》。日本を代表する高級乗用車としての地位を確立しているクラウンですが、ハイソカーブームの際に販売されていたのは7代目(1983年~1987年)であり、石坂浩二のCMで有名な「いつかはクラウン」というキャッチコピーはこの代で使用されていたものです。直線が主体のフォルムと4ドアハードトップの端正なデザインにより、ハイソカーという視点からも根強い人気を誇っていました。

セダン 2800ロイヤルサルーン
1983年9月発売型

トヨタ・クラウン(7代目)

4ドアハードトップ 2000スーパーセレクト
1985年9月発売型

トヨタ・クラウン(7代目)

トヨタ《カリーナED》

1985年から1998年にかけて生産されたトヨタ《カリーナED》。セリカのプラットフォームを使用した車であり、初代はその低い全高や流麗なスタイリング、そして求めやすい価格から若年層に人気の高いモデルとして君臨していました。

前期型 1.8 X

トヨタ・カリーナED(初代)

日産《セドリック》

1960年から2004年にかけて生産された日産《セドリック》。ハイソカーブームの際に販売されていたのは1983年に登場した6代目であり、グロリアの7代目とともに当時「セドグロ」と呼ばれ、前述の「マークII三兄弟」に対抗する存在として一定の人気を獲得していました。特に、日産車特有の男らしいイメージからヤンチャ系の方々に人気があった模様。

4ドア ハードトップ V30ターボ ブロアムVIP
後期型(1985年6月 - 1987年6月)

日産・セドリック(6代目)

バン スタンダード

日産・セドリック(6代目)

カタログ

日産・セドリック(6代目)

日産《グロリア》

1959年から2004年にかけて生産された日産《グロリア》。トヨタ・クラウンと競合していた高級セダンであり、セドリックの姉妹車という位置付けでした。ハイソカーブーム期にはハードトップ・セダンとして7代目が登場。6代目セドリックとともに「セドグロ」と呼ばれていました。

セダン V20E GL(後期型)
1985年6月 - 1987年6月

日産・グロリア(7代目)

日産《ローレル》

1968年から2003年にかけて生産された日産《ローレル》。ハイソカーブーム期に販売されたのは5代目及び6代目であり、1989年に登場した6代目は「時代のまんなかにいます。」のキャッチコピーで、その豪華な仕様から日産におけるハイソカーの高級路線を担当していました。また、マニュアル車が後年まで設定されていたこともあり、走り屋人気の高い車種でもありました。

ハードトップ(前期型)

日産・ローレル(5代目)

前期型(1989年1月 - 1991年1月)

日産・ローレル(6代目)

日産《レパード》

1980年から2000年にかけて生産された日産《レパード》。ブルーバードの上級グレードという位置付けの高級パーソナルカーであり、ハイソカーブーム期には初代及び2代目が「private coupe」「若いと言うだけでは、手に負えない、クルマがある」などのキャッチコピーで売り出されたものの、既に人気を不動のものとしていたソアラなどの後塵を拝していました。

レパードTR-X ターボZGX 4ドア
後期型(1982年9月 - 1986年2月)

日産・レパード(初代)

そんなレパードが一躍脚光を浴びたのが、1986年から1987年にかけて放送されたドラマ「あぶない刑事」。2代目F31型レパードがドラマの劇中車に採用され「あぶない刑事」から「もっともあぶない刑事」までの間全般にわたり登場し、人気車種の仲間入りを果たしました。

アルティマ
前期型(1986年2月 - 1988年8月)
前部

日産・レパード(2代目)

まとめ

いかがでしたでしょうか?バブル期に特に人気が高かったと思われる10車種についてご紹介しましたが、これ以外にも日産・シーマ(初代)、ホンダ・インスパイア(初代)、マツダ・ルーチェ(3~5代目)、三菱・ディアマンテ(初代)などもハイソカー市場に食い込んでおり、実に多様な車種がバブル期のハイソカーブームを彩っていたことが伺えます。

あれから30年以上が経過し、若者の車離れが指摘されている現在。その一方で、バブル期の文化が再評価され、若者たちの間で流行するといった現象も見られます。近い将来、再びバブルのような熱狂とともにハイソカーが持て囃される時代が来るのでしょうか?気になるところではありますね。

後期型フロント

日産・セドリック/グロリアシーマ(初代)

E-FPY31

【画像提供:カーセンサーnet】

日産・セドリック/グロリアシーマ (初代)

三菱(MI)  ディアマンテ 2.5 25V-SE  セダン
【画像提供:カーセンサーnet】

三菱・ディアマンテ(初代)

おすすめの記事はこちら!

バブル期に流行したデートカー!『スケベノブ』って覚えてる?女性を落とす魅惑のレバー - Middle Edge(ミドルエッジ)

「デートカー」の思い出を語ろう!スケベノブで成功した方いますか?W - Middle Edge(ミドルエッジ)

【消えたモノゴト】迷車と呼ばれた自動車!どこが駄目だったんでしょう!? - Middle Edge(ミドルエッジ)

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。


キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

人気アニメ『キン肉マン』の「完璧超人始祖編」の名言・名場面を題材にした英会話学習書『キン肉マン超人英会話』が、2025年11月29日(土)にKADOKAWAより発売されます。超人たちの熱い言葉を通じて、楽しみながら実用的な英語表現をインプットできます。TOEIC満点保持者やプロレスキャスターなど、豪華プロ集団が監修・翻訳を担当した、ファン必携の英語学習本です。


【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。