『はじめの一歩』とは?
はじめの一歩
鷹村守VSブライアン・ホーク
主人公・一歩の先輩であり、ボクシングへの道に導いた鷹村守の世界タイトルマッチへの挑戦を描いたパートとなります。脇役というには、あまりに大きな存在感をもつ鷹村守。今回は彼が主人公となるパートとなり、元々は『はじめの一歩』という作品の中においても、多くのファンから支持を得る登場人物にスポットが当てられた形になります。
鷹村の試合までの努力
基本的にはお調子者で、ひねくれた性格の持ち主です。ごう慢でわがままと、自分勝手な印象が先行するキャラクターです。しかし、ボクシングに対しては誰よりも真面目な姿勢で取り組んでいて、親代わりである会長に対して親孝行する姿に心打たれます。
ここでは、そんな彼の世界タイトルマッチに向けた努力を紹介していきたいと思います。
過酷な減量をやり遂げた
もともと鷹村の減量を描写する場面はありましたが、今回のパートでは、特に丁寧に減量に対して鷹村が苦しむ様子が描かれています。
口の中に干し椎茸を放り込んで、よく噛んで水々しい椎茸の姿に戻す場面や、お姉さんがせっかく作ってくれたスープを流し台に捨ててしまうところは見ていて痛々しい気持ちになります。
これまで受けた数々の屈辱
世界タイトルマッチに向けて、ブライアン・ホークから受けた数々の屈辱も、プライドの高い鷹村に対して読者が感情移入してしまう大きな要素になったと思います。
金髪美女たちをはべらして鷹村の試合観戦に訪れたこと、記者会見の場では軽くパンチを入れられたこと、目の前で恩義のある会長に手を上げられたこと、これらの要素は勧善懲悪を強く打ち出したもののように感じられます。
ブライアン・ホークの強さ
「ホーク」という単語を直訳すると「鷹」であり、その名前からも分かるように、ブライアン・ホークは鷹村と似た者同士といったコンセプトで生み出されたキャラクターだといえるでしょう。
そんな世界チャンピオンであるブライアン・ホークの強さを詳しく掘り下げていきます。
自由奔放なファイトスタイル
ブライアン・ホークはボクシングの世界チャンピオンではありますが、彼はリングの中でボクシングをしているわけではないです。ボクシングのルールを守りながら、抵触しないように喧嘩ファイトしているに過ぎないのかもしれません。
その証拠として、ブライアン・ホークはジャブ・ストレート・フック・アッパーといったボクシングに代表されるパンチを打たず、フットワークやガードのような技術をつかうこともありません。彼のファイトスタイルで際立っているのは、上体反らしと呼ばれるもので、それは広い意味ではいえばボクシングでいうスウェーという技術に入るのかもしれませんが、やはり本来のボクシングスタイルとが逸脱するものといえるでしょう。
リングでは殺人も許されると思っている
ニューヨークのダウンタウンで育ってきたブライアン・ホークは、いつも危険と隣り合わせで、命の保証がある環境で生きてこなかったことから、他人の命を大切にするといった価値観を持ち合わせていません。
そのため、リングでは不幸な事故が起きても許されることと思っており、対戦相手に一切の情け容赦をしないところは彼の強さだといえます。
鷹村VSブライアン・ホークの試合展開
ホークはこれまで鷹村のことを散々挑発していたことから、試合開始のゴングと共に激しい試合展開になると予想されました。しかし、お互いに様子をみるといった感じで、期待を裏切り、落ち着いた立ち上がりを見せました。
ボクシングVS喧嘩ファイト
ボクシングは喧嘩ファイトから進化して生まれたスポーツのはずですが、ホークの身体能力や反射速度は科学的に解析された近代ボクシングの前提を覆すほどのレベルで、第1ラウンドでは鷹村は劣勢に立たされてしまいます。
しかし、第2ラウンドに突入しても、鷹村はボクシングスタイルを貫き、積極的にフットワークやジャブをつかうことでホークを翻弄するのでした。この攻防で、鷹村はスピードでは自分に分があると確信を持ちますが、ホークもギアを上げ、鷹村以上の身のこなしを見せたことで、強烈なパンチを貰ってダウンを奪われてしまいます。
劣勢は覆せないと思われましたが、鷹村はファイトスタイルを変えず、あまりにも基本に忠実な前進しながらのジャブを打ったことで、とうとうホークの上体反らしを破ってみせました。
鷹村は基本に忠実なボクシングスタイルで戦っていましたが、ジャブを主体とする攻撃ではホークに大きなダメージは与えられません。ようやく試合を優位に進められるようになった鷹村でしたが、このタイミングで本来のスタイルである喧嘩スタイルに切り替えるのでした。
鷹村がファイトスタイルを変えたことで驚くホークでしたが、鷹村の動きに躍動感が出てきて、試合展開はさらに鷹村優勢で進んでいきます。
鷹村のKO宣言
試合は決着することなく第5ラウンドを終えて第6ラウンドを迎えますが、鷹村の体から汗は出なくなっていました。減量苦によるスタミナ切れで、鷹村の体は動かなくなってしまい、ホークが一方的に鷹村を攻める試合展開になってきました。
とうとう殴り続けられた鷹村は体を支えられなくなり、そのまま倒れそうになってしまいますが、何かに背中を支えられてダウンすることを拒否します。背中につっかえる感覚を覚えた鷹村は自分に期待してくれるセコンドや後輩の存在に気づいて、折れそうになった気持ちを改めて奮い立たせるのでした。
試合はいよいよクライマックス
堪らずにダウンするホークでしたが、鷹村も正気を取り戻し、どうしてホークが倒れているのか理解できずにいました。どんなパンチでホークを倒したのか、何も覚えていないのに試合が終わることを嫌い、ホークにダウンから早く立ち上がるよう挑発するのでした。
意識を取り戻した鷹村は積極的にホークを攻め、このまま試合は決着するかと思われましたが、追い詰められたホークの中で何かが目覚め、この瞬間、上体反らしをして鷹村のパンチをよけて攻撃に転じようとします。しかし、鷹村はホークのさらに上をいって、上体反らしをしたホークが体制を戻したタイミングにカウンターを叩き込んでダウンを奪います。
ホークはダウンから立ち上がりますが、鷹村の強烈なワンツーがきまって、スタンディングポジションのままダウンを取られ10カウントを迎えてしまうのでした。
鷹村守VSブライアン・ホーク 戦のまとめ
似た者同士の戦いではありましたが、それだけに才能と努力という要素を強調した試合内容だったように思えます。才能だけでいえば、きっとホークのほうが鷹村の才能を上回っていたはずですが、これまで鷹村が積み上げてきた練習や、自分自身を支えてくれる存在の大きさが彼自身の財産なのだと思います。
ぜひこの機会に原作コミックやアニメ版の『はじめの一歩』、鷹村VSホークの試合をご覧になってくださいね。