付き合ってはいなかったものの、お互いに気になり、良い雰囲気だった拓海と茂木なつき。
しかし、茂木が中年男性との援助交際の場面を目撃して、感情的になってしまった拓海は、赤城山で行なわれていた交流戦に出向いて、以前から挑発されていた須藤京一にバトルを申し込んでしまいます。
走り慣れた秋名山のコースではないことや、それぞれの愛車の戦闘力に差がありすぎるといった要素から、拓海にまったく勝ち目がないバトルが始まってしまうのでした。
バトルを振り返ってみる
一切の手加減や油断はなく、合理的に勝ちにくるランエボⅢ。バトル序盤は、ハチロクが先行ポジションで良い勝負にも見えますが、S字コーナーでのカウンターアタックを受けて簡単に追い抜かれてしまいます。
大きな馬力によるパワーやミスファイアリングシステムによる高速のコーナリングを見せつけられ、拓海は圧倒的なスピードの差を感じてしまうのでした。追いつこうとアクセルを踏みますが、すでにエンジンの寿命が限界に達していたハチロクは煙を上げて走行不可能になるといったかたちで決着を迎えます。
京一本人も語っていますが、これはバトルというよりもレクチャーといった側面が強くて、向かうところ敵なしだった拓海が初めて挫折を味わうのです。
バトルの後に拓海が涙した本当の理由は何だったのでしょうか。ハチロクを壊したことの後悔なのか、茂木への想いによるものなのか、バトルで圧倒的な差を感じたせいなのか、おそらくは全てが正解で、色んな感情が入り交じって気持ちの整理がつかないのかもしれませんね。
【第三戦】トレノVSレビン
カローラレビン
対戦相手:秋山 渉
埼玉県を拠点にしている走り屋で、地元では敵なしの腕前を誇ります。レビンという非力な車で勝つことに強いこだわりがあって、ハンデキャップがありながらも、バトルの対戦相手を追い詰めることに自分なりの意義を見出しています。
拓海と勝負するにあたって、見た目は違っても同車種対決となるため、絶対に負けられないバトルだと思っているようです。
バトルのいきさつ
エンジンを載せ変えて復活を遂げた拓海のハチロクだったが、以前とは走行しているときのフィーリングが違って、不思議と乗りづらさを感じていました。
同じハチロクに乗る渉に出会い、そのことを相談すると明らかな欠陥があって真価を発揮できない状態だと教えられます。また、それと同時に拓海の知識のなさからは考えられないテクニックの凄さに、渉は憤りを感じて、それぞれのハチロク乗りとしてのプライドを賭けたバトルすることになるのです。
拓海は欠陥と指摘されたタコメーターを友人たちに協力を仰いで付け替え、父親から適切なエンジンの回転数を聞き出しました。拓海は初めて自らの意思で行動し、万全な状態にハチロクを仕上げてバトルに挑みます。
バトルを振り返ってみる
頭文字Dのシリーズを通して、拓海が経験するバトルで1・2位を争うほどのタフな勝負となります。拓海はこれまでが嘘のように自在にコントロールできて、さらにパワーアップを果たしたハチロクに感動します。この場面では、エボⅢとの対戦後に流した拓海の涙が報われたように感じられないでしょうか。
結果的には拓海が勝ちますが、渉は地元を知っていたことでの慢心や思い込みで負けてしまったように思えます。何本目かも分からなくなるほど走り続け、コースの状態は変化していたのに、そこに気づけなかった慢心。このコースでは、道幅が狭くて追い抜きはないという思い込み。こういった要素が拓海の勝因であり、渉の敗因であったように思えます。
頭文字D Second Stageでは、拓海のハチロクがパワーアップを果たすのが肝になりますが、そのプロセスを懇切丁寧に描かれていて、このバトルもそこに含まれているのではないでしょうか。だからこそ、同車種でありながらも、違うアプローチでチューンされたライバルとの対決という場面があったように思えてしまいます。
頭文字D Second Stageを視聴しよう
作画やCGは段違いにレベルアップ
バトルを中心に紹介してきましたが、拓海や親友の樹の恋愛パートは、胸が張り裂けそうな気持ちになってしまいます。学生時代や若かったころの切ない恋愛を思い出してしまうかもしれません。
ぜひこの機会に頭文字D Second Stageをご覧になり、気持ちを加熱してみましょう。