コナミがファミコン用に開発した「VRC Ⅵ」
VRC VI(Virtual Rom Controller 6) は1989年にコナミがファミコン用に開発したROMバンクコントロールチップ兼、音源LSIです。

このチップを搭載した作品は3作でした。
RC845 悪魔城伝説
RC846 魍魎戦記MADARA
RC861 エスパードリーム2 新たなる戦い
ハイクオリティーな音源を実現
↑をみてもよく分かりませんが、どうやら豊かな音色が出るようです。
上記3作品では一番認知されている「悪魔城伝説」でこのような感じ。
悪魔城伝説(1989年12月)
比較のために前作の「悪魔城ドラキュラ」を。
いわゆるファミコンサウンドと違うの分かりますか?
「ンビ、ンビ」とこもる音でなく、尖ってクリアな音色が奏でられていますね。
筆者が持っていたMSXでコナミが独自に提供していたSCC音源によく似ています。
※SCC音源も出力できたようです
コナミがMSX向けに開発したSCC音源はFM音源にも負けない!PSG音源に甘んじていたMSXユーザーに希望を与えてくれました。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
なんとFM音源を奏でてしまう「VRC Ⅶ」
なんとファミコンでFM音源!?
80年代至高の音源、それがFM音源。
PC88はじめとするパソコンでは用いられていましたが、ファミコンには搭載されていませんでしたよね。
残念ながらこのチップを搭載したゲームは1作品のみだったので、知らなかった方も多いと思います。
RC851 ラグランジュポイント
ラグランジュポイント(1991年4月)
これはもう、ファミコンの音ではありませんね。。。
独自チップを搭載したため「悪魔城伝説」は6,500円、「ラグランジュポイント」は8,500円と高額になってしまったのはネックでしたけど。
FM音源は1980年代の音楽やゲームサウンドに取り入れられ、当時を象徴するサウンドと評されました。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
80年代のコナミは凄かった
VRC Ⅵチップが搭載されたのは89年で、すでにPCエンジンやメガドライブが普及し始めた頃。
VRC Ⅶチップに至ってはスーパーファミコンが出た後ということで、何もファミコンで独自に開発しなくても…とは思うのですが、当時のコナミはこういう凄さがあったんです。
PCエンジンやメガドライブ、スーパーファミコンでは簡単に表現出来てもファミコンでは出来ない。かといって誰もが簡単に買い替えれるわけはない時代、ファミコンでも出来るんだよってことを証明してくれたコナミ。
また、PC88などに比べて常に劣勢だったMSXでも、コナミは最後までMSXの性能を引き出した作品を創り続けました。
音楽に関してはとても優秀な「コナミ矩形波倶楽部」の存在も忘れてはなりませんね。
当時のコナミのスピリット、胸が熱くなります。
ドラキュラⅢ【悪魔城伝説】 - Middle Edge(ミドルエッジ)
ファミマガ100号記念から生まれた至高のSF作品「ラグランジュポイント」 - Middle Edge(ミドルエッジ)