【夏休み映画】1980年代はアニメ映画の宝庫だった!あの夏に上映されていた作品は?

【夏休み映画】1980年代はアニメ映画の宝庫だった!あの夏に上映されていた作品は?

1980年代はアニメ映画の最盛期と言っても過言ではないでしょう。それくらい不朽の名作が多いのがこの時代。そんな1980年代の夏休み、どんなアニメ映画が上映されていたのでしょうか?今も大人気のジブリ作品から懐かしいあの作品まで。夏のアニメ映画にスポットを当ててご紹介します。


『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』

ではさっそく80年代の夏に上映された作品をみていきましょう。
まずは今も不動の人気であるガンダムシリーズの劇場版「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」です。

1979年から放送されていたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」を再編集し、劇場版3部作として制作されたうちの第2部がこちら。1981年7月に公開されました。ちなみに第2部はアニメ版の16話から31話の前半までのストーリーがメインになっています。

地球連邦政府とジオン公国の戦争に巻き込まれ、連邦軍のモビルスーツであるガンダムのパイロットとなったアムロ・レイ。彼の目覚ましい成長に「ニュータイプ」の可能性を見出す上層部、強敵ランバ・ラルとの激戦や仲間の死により戦士として成長していくアムロの姿が描かれています。

そして「哀・戦士編」といえば主題歌の「哀 戦士」は外せません。ガンダム作品の中で1、2を争う名曲だと言われています。

『Dr.SLUMP ほよよ! 宇宙大冒険』

誰もが知っている鳥山明の「Dr.スランプ」、テレビアニメも大人気でした。そんなアラレちゃんの映画は80年代から90年代にかけて毎年のように上映されていたのですが、単独で上映されたのはこの「Dr.SLUMP ほよよ! 宇宙大冒険」だけ。他の作品は「東映まんがまつり」や「東映アニメフェスタ」の中で上映されていました。

1982年の7月に公開されましたがその際のタイトルは「Dr.SLUMP」で、サブタイトルは後に家庭用ビデオ版が発売される時に付いたのだとか。

この映画では山吹みどり先生とDr.マシリトの設定がアニメ版とは違っており、キーパーソンとなっています。みどり先生の故郷が実はタケヤサオダケ星で、諸事情ありその星を征服したマシリトとの結婚を余儀なくされ…それをおなじみアラレちゃん一行が助けにいくというストーリー。

マシリトが極度のマザコンという設定なのですが、これが強烈で今もトラウマになっている方が多いようです。

Dr.マシリトの声をこの劇場版では「ルパン三世」で有名な山田康雄さんが担当されていたり、いつもおどけて陽気なアラレちゃんが、珍しく本気で怒るシーンがあったりと見どころも多い作品となっています。

『はだしのゲン』

1983年7月公開。戦争や原爆の悲惨さを一体どれだけの人がこの「はだしのゲン」から学んだでしょうか。目をそらしたくなるシーンが多く、子どもの頃にこの映画をみた方は相当ショックを受けたと思います。

映画の上映時間が90分ということでキャラクターや設定、ストーリーが変更されている点も多め。キャラクターも原作の漫画版よりアニメタッチで描かれているのですが、それが余計にむごさを倍増させている気がします。

当時「はだしのゲン」は小学校の上映会や夏にテレビでよく放送されていました。家族の大切さと失う悲しみ、原爆の恐ろしさ、それでも生きていく人々のたくましさ。今の時代の子どもたちにもぜひ一度みてもらいたい作品です。

『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』

続いては「ガンダム」同様に今も根強い人気の「マクロスシリーズ」の映画、1984年7月に公開された「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 」です。

爆発的にヒットしていたテレビアニメ版「超時空要塞マクロス」を劇場版用に再構成、すべての映像を新しく描き起こしたという作品で、これもガンダムと同じく主題歌が大ヒットしています。

この作品が公開された1984年はアニメ映画の当たり年だったと言われています。「風の谷のナウシカ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」など今も有名すぎる作品が誕生したのがこの年。そんな作品の中で「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」はこの時代のセル画表現の最高峰ではないかと言われているのです。

さらに主題歌の「愛・おぼえていますか」はオリコンチャートで最高7位を獲得。リン・ミンメイ役の飯島真理さんは人気番組の「ザ・ベストテン」や「ザ・トップテン」でも見事ランクインし、登場しました。まるで社会現象のような状況だったんですね。

『銀河鉄道の夜』

宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」をアニメ映画化した作品。1985年7月に公開されました。

登場人物は擬人化されて猫の姿をしています。小説を読まずこの映画が初見だったため、原作でも猫が主役だと思い込んでいた人が少なからずいたのだとか。元々、宮沢賢治の弟である宮澤清六氏が擬人化することをよく思っておらず、研究者の間でも納得していない方々がいたそうで、そういった勘違いが起きるのはやはり好ましくないと批判もされたそうです。

とはいえ、逆に猫だから受け入れやすかったという声も多く、今もファンの多い作品であることには間違いありません。宮沢賢治の幻想的な世界観がしっかり表現されています。

『魔法の天使 クリィミーマミ VS 魔法のプリンセス ミンキーモモ 劇場の大決戦』

こちらは1985年7月、「魔法のプリンセスミンキーモモ 夢の中の輪舞」と併映された「魔法の天使クリィミーマミ ロング・グッドバイ」の公開を記念して制作された3分間のおまけ短編です。

モモとマミが戦うなんてまさに夢のコラボ!短いのですが作画も良く内容も面白い出来上がりです。最初の握手のシーンでいかにお互いをライバル視していたのかが分かるのがいいですよね。二人ともかなりの負けず嫌いです(笑)

どちらの作品も読売広告社の大野実氏がプロデューサーを務めていたことから実現したのだとか。遊び心満載ですね。

『天空の城ラピュタ』

ジブリで好きな作品ランキングがあれば必ず上位に入るであろう不朽の名作、「天空の城ラピュタ」は1986年8月に公開されました。

不思議なペンダント「飛行石」を持つ少女シータと、天涯孤独の少年パズー。今も空に浮かんでいるという伝説の島「ラピュタ」を巡って繰り広げられる冒険活劇です。

今でも地上波で放送があると「バルス」でネットが大混乱に陥る人気作品ですよね。「バルス」以外にも「人がゴミのようだ」「40秒で支度しな!」「目が~目が~~」など、名言もたくさん存在しています。

そんな絶大な人気を誇る「ラピュタ」ですが、上映当時はほとんど盛り上がりませんでした。興行成績もジブリ作品の中ではワースト記録。実際にみた観客の満足度はかなり高かったので、そもそも話題になっていなかったのが要因だと思われます。

当時はドラえもんや東映まんがまつりがアニメ映画では大盛況でしたし、ジブリ自体の知名度も低めでした。ここからどんどん飛躍し、今では日本を代表するアニメ制作会社となったのですから凄いものですね。

1989年の夏には『魔女の宅急便』が登場!

ヤマト運輸をはじめとする大手のスポンサーがついたこともあり大ヒット。前作である「となりのトトロ」の約3倍以上の収益となったそうですよ。この辺からジブリ最強となっていった感じがしますね。

『聖闘士星矢 邪神エリス』(東映まんがまつり)

当時子どもたちの間で大人気だったテレビアニメ「聖闘士星矢」の劇場版第一作です。1987年7月に公開された「東映まんがまつり」の1本として上映されました。

今も人気があり新しいシリーズが誕生している「聖闘士星矢」ですが、80年代に「小宇宙」と書いて「コスモ」と読んでいた世代にはやっぱりこの絵柄と声が一番ではないでしょうか。

「東映まんがまつり」も今となっては懐かしい思い出です。一回の映画で3本見れるというお得感、映画をみにいくともらえる紙のサンバイザーをかぶって帰る高揚した気持ち、今でも忘れられません。

ちなみにこの「聖闘士星矢」が上映された時の「東映まんがまつり」は「ドラゴンボール 魔神城のねむり姫」「光戦隊マスクマン」「超人機メタルダー」の4本立てでした。豪華!

『AKIRA』

1988年7月に公開された大友克洋監督の「AKIRA」。総制作費はなんと10億円、制作期間3年という超大作。当時も公開前から注目され話題になっていました。

この「AKIRA」が最近注目されたのですが、それが2020年の東京オリンピックを予知していたという点です。

「AKIRA」の舞台は2019年の首都であるネオ東京。現実の日本とは違い、この世界では反政府ゲリラと軍が日々衝突しています。そしてストーリーの展開の中で2020年の東京オリンピック会場が登場します。

大友克洋監督はどうして2020年の東京オリンピックを30年以上前に想定できたのでしょうか。推測ですが、現実の1964年に開催された東京オリンピックが戦後復興の象徴であったように、「AKIRA」の世界でもそういった意図で2020年にオリンピックを開催させたのではないかと言われています。偶然とはいえすごい一致ですよね。

来年のオリンピックを前にもう一度「AKIRA」をみたいという方も多いのではないでしょうか。

『機動警察パトレイバー the Movie』

最後は1989年7月に公開された押井守監督作品「機動警察パトレイバー the Movie」です。

内容は知らなくても「機動警察パトレイバー」というタイトルだけは知っているという方も多いであろうこちらの作品。大人気シリーズで漫画・テレビアニメ・実写化と幅広いジャンルで扱われています。少し変わっているのは元々OVAで人気に火が付き、この劇場版が制作されてその後にテレビアニメ化されたという所ではないでしょうか。

1999年の東京を舞台に、警察に導入された人型作業ロボット「レイバー」と人間模様を中心にしたストーリーなのですが、ガンダムやマクロスに続き「ロボットアニメ」の一時代を築いた作品だと言えます。

この映画はそれまで「パトレイバー」をみていないくても楽しめる作品になっています。さらにこれ以降の劇場版に比べてもレイバーによるアクションシーンが多めで、観終わったあとの爽快感も一番という声も多め。当時のスクリーンでみた方には思い出深い映画となったのではないでしょうか。

関連するキーワード


映画 アニメ 1980年代

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

放送開始から55周年を迎えた国民的アニメ『サザエさん』が、コナミアーケードゲームスより初のアーケードゲーム化!タッチパネルで楽しむ「まちがいさがし」が2026年春に稼働予定です。アニメ本編の画像を使った問題や、2人対戦モードなど充実の内容で、小さなお子様からシニア層まで幅広い世代が楽しめる期待の新作です。


【懸賞金10万円】クレーンゲームの原点!国産初「クラウン602」全国大捜索プロジェクト始動

【懸賞金10万円】クレーンゲームの原点!国産初「クラウン602」全国大捜索プロジェクト始動

今年で誕生60周年を迎える国産初のクレーンゲーム機「クラウン602」の実機と情報を、タイトーが全国で大募集する「#クラウン602を探せ!」プロジェクトを開始。高度経済成長期に夢を与えた幻の筐体を次世代に継承するため、実機情報提供者には賞金10万円、思い出エピソードの提供者には抽選で最新ゲームソフトが贈呈されます。募集期間は2025年10月24日から2026年1月16日までです。


特撮愛あふれる「永遠のスケッチ」金谷裕~特撮画展が台場で開催!初代ウルトラマン・古谷敏氏も来場

特撮愛あふれる「永遠のスケッチ」金谷裕~特撮画展が台場で開催!初代ウルトラマン・古谷敏氏も来場

漫画家・金谷裕氏のイラスト画集『オール・ウルトラマン・スケッチ・ギャラリー』の刊行を記念し、「特撮画展~Hiroshi Kanatani TOKUSATSU SKETCH GALLERY~」がグランドニッコー東京 台場にて開催されます。円谷プロのウルトラマン・怪獣に加え、東宝など5社の特撮キャラクターのイラスト全235枚を展示。会期中の11月29日には初代ウルトラマンスーツアクターの古谷敏氏のサイン会も実施されます。


赤塚不二夫が生誕90周年!RIP SLYME、氣志團ら豪華出演陣が渋谷に集結する記念音楽フェス詳細発表

赤塚不二夫が生誕90周年!RIP SLYME、氣志團ら豪華出演陣が渋谷に集結する記念音楽フェス詳細発表

漫画家・赤塚不二夫の生誕90周年を記念したミュージックフェスティバル「コニャニャチハのコンバンハ!」の詳細が解禁されました。2025年12月5日・6日にLINE CUBE SHIBUYAで開催。RIP SLYME、氣志團、小泉今日子らが赤塚スピリッツ溢れるステージを披露します。チケット先行抽選は10月20日(月)からスタート!


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。