「飛べ!イサミ」はNHKオリジナルアニメの第一作!

「飛べ!イサミ」は1995年4月から1996年3月までの約1年間、NHK教育テレビで放送されていました。全50話。漫画や小説などの原作はなくNHK内部の公募から誕生した作品で、最初の企画段階でのタイトルは「しんせん組参上」だったそうです。
実は「飛べ!イサミ」はNHKオリジナルアニメの記念すべき第一作目の作品でした。この後「コレクター・ユイ」や「無人惑星サヴァイヴ」など今も印象に残るアニメが続々と誕生しています。
NHKで放送されるアニメは作画が良いものが多いのですが、「飛べ!イサミ」もたまに作画が崩れることはありつつも、よく動くことや主人公イサミの可愛いさが受けて人気のあるアニメでした。
ただ、「飛べ!イサミ」の何が一番評価されていたのかといえば主題歌OPです。そちらの印象が強すぎて、正直あまり内容は覚えていないという方がほとんどのようです。または新撰組の力で戦ってたのは覚えているけど、結局何と戦っててどうなったのか記憶がないという声も多めです。
せっかく内容も面白かったのに、このままではかなりもったいない!ということで、次はあらすじやキャラクターについて振り返っていきましょう。
「飛べ!イサミ」のあらすじ&キャラクター
飛べ!イサミ - Wikipedia
時代劇でも人気のある「新撰組」を題材にしたアクションアニメだった「飛べ!イサミ」。たしかに前半と後半ではアニメのテイストが若干違いました。それにあわせてOPも前半と後半でアニメーションが変わるのですが、後半はアクション強めの作りになっていましたね。
この「飛べ!イサミ」がきっかけで新撰組に興味を持った少年少女も多かったそうです。たしかに低年齢層でも楽しめる新撰組がテーマのアニメや漫画ってあまりありません。これがきっかけで新撰組に目覚めて、同じくNHK制作の大河ドラマ「新撰組!」でもハマったわ~という方もいるのではないでしょうか。
主な登場人物
ざっくり登場人物について紹介していきましょう!
しんせん組の三人がメインですが、全員小学5年生でクラスメイトです。その中心人物で主人公なのがイサミこと花丘イサミ。転校生として大江戸小学校にやってきました。勉強もスポーツも得意!勝気でボーイッシュな女の子です。ちなみにイサミは当時の内田有紀さんをイメージしてデザインされているそうです。「ショートカットでボーイッシュな可愛い女の子」がテーマだったんですね。
残るメンバーは月影トシと雪見ソウシです。熱血漢で喧嘩っ早いけど仲間想いのトシ。イサミともいさかいが絶えませんが実は内心好意を寄せています。非科学的なものは信じない主義ですが幽霊が苦手という可愛い一面あり。トシの弟で幼稚園児のケイも、三輪車でしょっちゅう三人についてきてはピンチを救ったりします。
一方ソウシはトシとは真逆で常に冷静、そしてかなりキザ。女性が大好きで相手が美人だととりあえず薔薇を差し出して言い寄ってしまうプレイボーイです。そのせいか女性関連の事で悲惨な目によくあってしまうという残念なポジションでした。
この三人が戦っていた相手が黒天狗党。
黒天狗党は世界征服を目論んでいて、そのために「ルミノタイト」を狙っています。このルミノタイトの研究者がイサミの父、花丘魁。黒天狗党に常々追われており、正体を隠すためミイラのように顔に包帯を巻いた姿をしています。気になる現在の素顔は、結局最終回まで登場しませんでした。
話を戻して、しんせん組と対峙する黒天狗党ですが、一応悪党なんですけどまったく憎めないキャラばかりでした。まず会長の黒天狗本人がイサミの祖父とは長年のライバルで、イサミのことも本当の孫のように可愛がっていたりします。
党員の一人であるゴールデン天狗は、ズボンのゴムがゆるいためしょっちゅうパンツを見せますし、銀天狗はとっさに正義の味方的な行動をとってしまい、しんせん組からお礼を言われる始末。
そんな感じでゆるく戦っていたので、「結局しんせん組ってなんのために戦ってたんだっけ?」となってる方が多いのではないでしょうか。お互い普段の姿では仲良しでしたからね。
他にも魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、三人の担任である高木はるか先生が人気でした。瑠美乃一族の末裔で、くノ一としてしんせん組をサポートしてくれるんですが、普段は眼鏡っこで天然キャラなのに、くノ一のコスチュームはちょっと色っぽい!というギャップが良かったようです。
最終回はどうなった?
「飛べ!イサミ」の最終回を紹介しますと、まず黒天狗党の会長・芹沢が実は宇宙人で故郷に帰るためルミノタイトを狙っていたことが判明します。その狙っていたルミノタイトが終盤で暴走してしまいます。
それまでお互いの素顔は分からないまま戦っていたのですが、正体が分かったことで和解。はるか先生も黒天狗党に対する一族の恨みを許します。そしてイサミ達しんせん組と黒天狗党が協力して暴走するルミノタイトを宇宙の彼方へ飛ばして地球の危機を救うのでした。
ルミノタイトを失って故郷に帰れなくなった芹沢ですが、満足して地球で生きていくことを決意。イサミの父親も無事に家に帰ってきてハッピーエンド。
「飛べ!イサミ」の主題歌OPは大人気!
「飛べ!イサミ」の人気の鍵はずばり主題歌OPです。
主題歌はTOKIOの「ハートを磨くっきゃない」。50話すべてで主題歌に変更はありませんでしたが、ちょうど半分の26話からOPアニメーションだけが変更になっています。
前半はネオンを取り入れた斬新なOP、後期はバンバン動く神すぎるOPになっています。
この「ハートを磨くっきゃない」を作曲されたのが芹澤廣明さん。チェッカーズの作曲家兼プロデューサーもされていたスゴイ方です。誰でも知っている曲をたくさん作曲されているのですが、アニメ主題歌の作曲も多数されており、あの「タッチ」や「キン肉マンGo Fight!」も芹澤氏作曲です。
「ハートを磨くっきゃない」もそうですが、一度聴くとすごく耳に残りますよね。「飛べ!イサミ」のOPが今も人気で語り継がれているのは、アニメーションの良さと音楽の良さの両方がぴったりきたからでしょう。
2003年にはファン待望のDVD発売!
1996年に放送が終了し、ビデオ化やLD化はされていた「飛べ!イサミ」ですが7年の時を経てファン待望のDVD化もされました。このことからもどれだけ人気の作品なのかが分かりますね。
コミック版もあり!
「飛べ!イサミ」はコミックスにもなっています。長谷川裕一先生が手がけており、全10巻。基本的な設定はアニメと同じなのですが、中盤以降の展開は違います。NHK出版が初めて出版した漫画単行本がこの「飛べ!イサミ」なんだそうです。
単行本10巻以降も「飛べ!イサミ メモリアル」「飛べ!イサミ ダッシュ」が発売されています。「メモリアル」は作者対談や設定資料などのムック本的な作り、「ダッシュ」は全3巻でアニメ版の続編として読んでも違和感のない作りになっています。
アニメだけでは物足りない!という方にはぜひ読んでいただきたいです。