君のひとみは10000ボルト
「鳶色のひとみに 誘惑のかげり」で始まるおなじみのフレーズ。
サビの部分は
「君のひとみは10000ボルト」で盛りがる有名な曲ですが、この曲にはさまざまなエピソードがあります。
君のひとみは100万ボルト?
堀内孝雄の「君のひとみは10000ボルト」は1978年8月5日にリリースされました。90万枚以上を売り上げオリコンチャートで1位を記録し、年間でも4位となり1978年の代表曲になりました。
君のひとみは100万ボルトの話が出たのは、2007年11月28日のTBS番組「2時っチャオ!」で番組MCのTBS久保田智子アナウンサーが曲紹介で「君のひとみは100万ボルト」と読んでしまいました。
それを受けて堀内孝雄は「よく間違えられるんですよ。”ひゃく”の方が言いやすいんだな。どうせなら100万にしておけばよかった。」と優しく大人の対応をしました。
とは言えリリース当初から聞いていたファンも10000ボルトを100万ボルトと間違って歌ったりしていたんですよね。今思えば100万ボルトでも良かったですよね。でも女性の瞳がバチバチッと100万ボルトも放出したら、世の男性はみんなイチコロでしたね。
君のひとみは10000ボルトの誕生秘話

1970年代はザ・ベストテンをはじめ多くのベストテン番組があり、ヒットする曲はドラマの主題歌やCMのタイアップ曲など、お茶の間の視聴者がよく耳にする曲がヒットしていました。
「君のひとみは10000ボルト」は資生堂化粧品のCMソングとしてリリースされたのです。当時は資生堂VSカネボウのCMソングが音楽界をリードしていました。
そんな1978年の夏のカネボウキャンペーンソングはMr.サマータイムがヒットし、ライバル資生堂も秋のキャンペーンソングに、「冬の稲妻」「涙の誓い」「ジョニーの子守唄」とフォークソング界に颯爽と現れた3人の男たちに託しました。
えっ、3人?
「君のひとみは10000ボルト」は堀内孝雄のソロカバーだよねって思いますよね。シングルジャケットの堀内孝雄の下に[アリス]って書いてありますよね。
実はこの曲、アリスの3人でリリースする予定だったのです。
銀座にある資生堂のある会議室に呼ばれた堀内孝雄は、封筒から出した一枚の紙を見せられました。その紙には、「君のひとみは10000ボルト」と書かれていました。
ライバルであるカネボウに秘密が漏れないように、タイトルだけを見せたのです。多分資生堂のコピーライターがキャンペーンに使うコピーを作り、役員がOKを出して、それを堀内孝雄が目にしたのでしょう。
堀内孝雄は、谷村新司にタイトルを告げると、「それで詩をつけるの?」と言われたそうです。そこからあの歌詞が生まれ、その歌詞に堀内孝雄が曲をつけたのです。
堀内孝雄が当時を振り返って話す。
堀内孝雄『君のひとみは10000ボルト』それは1枚の紙から始まった - ライブドアニュース
そして曲が出来上がりアリスの曲として、レコーディングとなったわけですが、谷村新司が過労で休養となり、堀内孝雄のソロデビューとなったわけです。
堀内孝雄とは
堀内孝雄のプロフィール
1949年10月27日に大阪府大阪市阿倍野区に大衆食堂の3人兄弟の末っ子として生まれ、桃山学院高校出身であの「やしきたかじん」と同級生でした。
そのやしきたかじんとは「やしき」「ベーヤン」と呼び合う中で、とても仲が良かったそうです。さてなぜ堀内孝雄は「ベーヤン」って呼ばれているのって疑問が起こります。
本人談では赤穂浪士の剣客「堀部安兵衛」に名前が似ていたからと言っています。堀内と堀部、そこから「ベーヤン」?謎ですね。高校時代にやしきたかじんが呼んでいたということは、高校時代か中学時代あたりに呼ばれたんでしょうね。誰がつけたんでしょう。
もう「ベーヤン」以外は呼べないほどぴったりですけどね。
高校を卒業した20代後半頃、売れない歌手活動をしていた「やしきたかじん」とベーヤンはやしきが当時生活していた東京で再会をしました。
ベーヤンはやしきに「いまアリスやってんねん」と近況を報告すると、やしきはベーヤンがアダルト本を出版しているアリス出版で働いていると思い、「お前ええ歳してもう少し真面目に仕事せんか」と説教したと伝説が残っています。
やしきたかじんもまさか、アリスとして徐々にヒットを飛ばしているとは思いも寄らなかったのでしょうね。二人の仲が窺えるなんとも羨ましい話です。
堀内孝雄のシングル曲の代表

アリス時代には作詞谷村新司、作曲堀内孝雄というゴールデンコンビの曲で主なヒット曲は「遠くで汽笛を聴きながら」「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」「夢去りし街角」「秋止符」などがあり、その後のソロ活動では、「愛しき日々」「恋唄綴り」や、1988年からテレビ朝日ドラマ「はぐれ刑事純情派」の主題歌を2006年と長きに渡り歌い続けました。
愛しき日々
1986年10月25日に日本テレビ年末時代劇「白虎隊」で主題歌として起用され、オリコンチャートでも4位を記録し、翌1987年の第29回日本レコード大賞作曲賞を受賞しました。1991年をはじめ1997年、2006年と3回同曲を紅白歌合戦で熱唱しています。堀内孝雄の代表曲の一つです。
恋唄綴り
この曲は麻生詩織のデビューシングルとして1989年に作詞荒木とよひさ作曲堀内孝雄でリリースされました。テレビ朝日ドラマ「はぐれ刑事純情派」の挿入歌として流れました。
翌年1990年4月25日に堀内孝雄がカバーとしてリリースすると、オリコンチャートは5位ながら年間20位、さらに1991年も38位にランキングするほどのロングセールスとなりました。
1990年の歌謡大賞とレコード大賞歌謡曲・演歌部門で大賞を受賞し、さらに日本有線大賞も受賞するなど堀内孝雄にとって生涯忘れない年となりました。
レコード大賞と有線大賞のダブル受賞は史上4組目の快挙となりました。
ベーヤンが曲の終わりに「サンキュー」と言ったのは、恋唄綴りが最初でした。
