晩年の黒澤作品を舐めてもらっては困ります。実は名作揃いなんですよ。ヒットはしなかったけどね。

晩年の黒澤作品を舐めてもらっては困ります。実は名作揃いなんですよ。ヒットはしなかったけどね。

80年以降、晩年の黒澤作品は一般にあまり評価が高くないように見受けられます。特に最後の3作品は商業的にも厳しいものでした。だからって、ダメなのか?!駄作なのか?!いやいや、まったくそんなことはないんですよ、これが!


黒澤明

「世界のクロサワ」、または「天皇」と呼ばれることさえある日本を代表する映画監督の黒澤明。黒澤明の作品と言えば、それはもう名作ばかり。生涯30本の監督作品を生み出していますが、どれをとっても面白く、アカデミー賞を始めとして、ヴェネツィア映画祭、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭と世界三大映画祭を総なめにしたその実力は折り紙つきです。

生年月日:1910年3月23日
没年月日:1998年9月6日(88歳没) 
出生地:東京都品川区
死没地:東京都世田谷区成城 
活動期間:1943年~1998年

黒澤明

しかし、晩年の黒澤作品は必ずしも評価が高いとは言い難いようで、高倉健なども「黒澤監督の晩年の作品には、良いものがないと思う。」と発言してますね。
さて、晩年の作品は本当に面白くないのか?!駄作なのか?!振り返ってみようではありませんか。

影武者 -①

黒澤明の晩年というと80年代以降ということでしょうか、作品で言うと「影武者」ですね。「影武者」は前作「デルス・ウザーラ」以来5年ぶりの作品で、時代劇ということになると「赤ひげ 」以来15年ぶりということになります。
しかも、主役を務めるのは座頭市でお馴染みのお騒がせ大物俳優である勝新太郎。更にショーケンこと萩原健一。面白くならないはずがありません。

物語は、ひょんなことから小泥棒が武田信玄の影武者となってしまったという戦国時代の悲喜劇を壮大なスケールで描いています。
期待は高まりましたが、撮影開始早々にして黒澤明と勝新太郎が衝突。個性の強い2人ですからねぇ、ぶつかるのは想定内だったのかもしれませんが勝新太郎は残念ながら降板してしまいます。
代役として起用されたのは、黒沢作品の次回作で主演が内定していた仲代達矢でした。まさしく影武者ですね。

影武者 -②

主役の交代というアクシデントから始まった「影武者」ですが、実は交代したのは主役だけではありません。音楽を担当していた佐藤勝もまた黒沢明と衝突して降板。急遽、池辺晋一郎が起用されています。まぁ、波乱含みのスタートだったんですね。
それでも作品は無事に完成し、1980年4月26日に公開されました。

監督:黒澤明
脚本:黒澤明、井手雅人
製作:黒澤明、田中友幸
外国版プロデューサー:フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス
出演者:仲代達矢、山崎努、萩原健一、根津甚八
音楽:池辺晋一郎
撮影:斎藤孝雄、上田正治
配給:東宝
公開:1980年4月26日
上映時間:179分

影武者

無名時代の南部虎弾(電撃ネットワーク)、柳葉敏郎、山田五郎などが出演していますが、出演者はほとんどがオーディションで選ばれています。結果、新人俳優や演技経験のない素人が重要な役についているんです。監督の演技指導があればキャリアなど問題ないということなのでしょうね。それを証明した作品でもあります。

アカデミー賞はノミネートに留まりましたが、カンヌ国際映画祭でのパルム・ドールをはじめとして多くの映画祭で受賞しています。

「乱」のスケールはデカイ。どのくらい大きいかというと、「デルス・ウザーラ」の完成後にはシナリオは完成していたにも関わらず、スケールが大きすぎて莫大な製作費が必要となったものの資金調達が出来なかったために撮影は延期されたという。
つまり、「乱」」は「影武者」の前に作られるはずだった作品なんですね。
「影武者」の大ヒットにより、資金が集まり無事に制作することができた、それが「乱」です。

監督:黒澤明
脚本:黒澤明、小國英雄、井手雅人
製作:セルジュ・シルベルマン、原正人
製作総指揮:古川勝巳
出演者:仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、隆大介、原田美枝子
音楽:武満徹
撮影:斎藤孝雄、上田正治
編集:黒澤明
配給:東宝
公開:1985年6月1日
上映時間:162分

制作で問題はなかったかといえば、やはりありました。
黒澤明と共同脚本を行っていた小国英雄が人物設定で対立し途中降板。また、降板こそしなかったものの音楽の武満徹とももめて、本作以降絶縁状態となってしまいました。

しかし、それでも「乱」は素晴らしい。アカデミー賞(衣裳デザイン賞)をはじめ、これまた多くの映画賞を受賞し、その芸術性は世界で高く評価されています。

結果「乱」は、黒澤明が監督した最後の時代劇となりました。本作をライフワークと考えていたそうですから思いを遂げたということなのでしょうね。

関連する投稿


寺尾聰が体験した世界の黒澤明伝説とは?大ヒット「ルビーの指環」誕生秘話も!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』に寺尾聰が出演!!

寺尾聰が体験した世界の黒澤明伝説とは?大ヒット「ルビーの指環」誕生秘話も!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』に寺尾聰が出演!!

全国無料放送のBS12 トゥエルビにて放送中の、笑福亭鶴瓶と阿川佐和子がMCを務めるトークバラエティ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」の第43回(6月16日よる9時00分~放送分)にて、歌手・俳優の寺尾聰がゲスト出演することが明らかとなりました。


『七人の侍』のハリウッドリメイク!西部劇の金字塔『荒野の七人』シリーズ5作品がBS12トゥエルビで無料放送!!

『七人の侍』のハリウッドリメイク!西部劇の金字塔『荒野の七人』シリーズ5作品がBS12トゥエルビで無料放送!!

全国無料放送のBS12トゥエルビが毎週土曜日の夜7時から放送中の「土曜洋画劇場」にて、『荒野の七人』『続・荒野の七人』『新・荒野の七人/馬上の決闘』『荒野の七人/真昼の決闘』『マグニフィセント・セブン』の「荒野の七人」関連作品5本が放送されます。


高倉健、石原裕次郎、勝新太郎…昭和スターの生き様が明らかに!「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」 が放送決定!!

高倉健、石原裕次郎、勝新太郎…昭和スターの生き様が明らかに!「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」 が放送決定!!

全国無料放送のBS12 トゥエルビにて毎週木曜よる9時から放送中の「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」2月6日放送分では、谷隼人をナビゲーターに迎えて「昭和の大スター」との思い出を振り返ります。


【1月生まれの有名人】生年月日が全く同じ!同じ日に生まれた意外な芸人と・・・!?

【1月生まれの有名人】生年月日が全く同じ!同じ日に生まれた意外な芸人と・・・!?

メディアでは報じられることの少ない有名人の生年月日。実は、同じ生年月日の有名人は数多くいるものの、巷ではあまり知られていないの実情です。今回は、1950年代〜1980年代の1月生まれの有名人を対象に、生年月日が全く同じ有名人の組み合わせをご紹介します。


トム・クルーズらハリウッドスターとの交友録も大公開!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』に字幕翻訳家・戸田奈津子がゲスト出演!!

トム・クルーズらハリウッドスターとの交友録も大公開!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』に字幕翻訳家・戸田奈津子がゲスト出演!!

全国無料放送のBS12 トゥエルビで放送中のトークバラエティ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」第28回放送分(11月25日よる9時00分~)にて、映画字幕翻訳家・通訳の戸田奈津子がゲスト出演することが明らかとなりました。


最新の投稿


わずか10日で完売した伝説のガジェット!ゲオ限定『レトロアーケードドック』が待望の再販スタート

わずか10日で完売した伝説のガジェット!ゲオ限定『レトロアーケードドック』が待望の再販スタート

株式会社ゲオストアは、2025年12月の発売直後に即完売となった「レトロアーケードドック」の再販売を2026年3月5日より順次開始します。Nintendo Switchをセットするだけで、本格的なレバーとボタン操作が楽しめるアーケード筐体スタイルに変身。レトロゲームファン必見のアイテムが税込8,778円で登場です。


昭和の名CMソングが令和に復活!振付師えりなっち×太田胃にゃんの「食べすぎダンス」が話題

昭和の名CMソングが令和に復活!振付師えりなっち×太田胃にゃんの「食べすぎダンス」が話題

太田胃散が「太田胃散S」のリニューアルに合わせ、昭和レトロな世界観のスペシャルムービーを公開。SNSで人気の振付師えりなっち氏が手掛けた、公式キャラ「太田胃にゃん」が踊るポップな「食べすぎダンス」が20代・30代を中心に注目を集めています。生薬の力で「お疲れの胃」をケアする新サイトも必見です。


横浜銀蝿45周年記念!伝説の解散ライブを完全再現したファイナル公演がBlu-ray&DVDで映像化

横浜銀蝿45周年記念!伝説の解散ライブを完全再現したファイナル公演がBlu-ray&DVDで映像化

T.C.R.横浜銀蝿R.S.のデビュー45周年を記念したツアー「Final Countdown Setlist Retry」の横浜ファイナル公演が映像化決定。1983年の伝説的解散ライブをセットリストから衣装まで完全再現した熱狂のステージが、豪華ブックレット付きの完全生産限定盤として2026年3月18日に発売されます。


RIP SLYME×GiGOが初コラボ!25周年&活動休止前ラストライブを記念した限定景品が登場

RIP SLYME×GiGOが初コラボ!25周年&活動休止前ラストライブを記念した限定景品が登場

HIP HOPグループ「RIP SLYME」のデビュー25周年と活動休止前ラストライブを記念し、GiGOとのコラボが2026年3月10日より開始。ライブタイトル「GREATEST LIVE」を冠した限定景品や、メンバーのメッセージ入り店内放送、リポストキャンペーンなど、ファン垂涎の企画が目白押しです。


世田谷線が100円で乗り放題!開通100周年記念「サンクスキャンペーン」でデジタル乗車券が期間限定割引

世田谷線が100円で乗り放題!開通100周年記念「サンクスキャンペーン」でデジタル乗車券が期間限定割引

東急電鉄は世田谷線開通100周年を記念し、2026年3月13日から19日まで「サンクスキャンペーン」を開催します。デジタルチケットサービス「Q SKIP」限定で、1日乗り降り自由な「世田谷線散策きっぷ」を通常360円のところ100円で販売。SNS投稿で豪華な企画乗車券が当たるプレゼント企画も実施されます。