ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【シドニー・ポワティエ編】

ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【シドニー・ポワティエ編】

私は昔、シドニー・ポワティエという男優を初めて知った時、名前から来る印象と映像から来る印象がちょっと違う一種のギャップを感じたことを覚えている。黒人だからと別に差別している訳ではなかったが、しかし映画を観ながら、そのギャップは瞬時に解消して行き、ついには私のお気に入りの俳優になったものだ。


映画界において、黒人最初のスーパースターとなった!!

シドニー・ポワティエ(Sidney Poitier, KBE、1927年2月20日 - )は、米国・フロリダ州マイアミ出身の映画俳優、監督。黒人俳優としての先駆者的存在のひとりで、男優としては初めてアカデミー主演男優賞を受賞した他、KBE(大英帝国勲章)や米国大統領自由勲章を与えられた。

生年月日	1927年2月20日(91歳)
出生地	米国・フロリダ州マイアミ
国籍	米国
職業	俳優、監督

シドニー・ポワティエ

シドニーの両親は、バハマのキャットアイランドで農場を営む

シドニー・ポアティエは、バハマのキャットアイランドでトマトの農場を営み、またバハマのナッソーでタクシー運転手としても働いていた父親のReginald James Poitierと、父親が営む農場で収穫したトマトを行商する母親のEvelyn(néeOutten)との間に1927年2月20日、米国のフロリダ州マイアミで生まれた。

青年期のシドニー

ポワティエは7人兄弟の末っ子で、彼の両親が農作物の行商で米国に渡っていた際に予定日より2か月も早く生まれてしまったのだ。米国で生まれたため、当然米国の市民権を有することとなる。15歳になるまでは、両親と共にバハマで暮らしたが、生活が苦しかったこともあり、単身で再び渡米。17歳の時にニューヨークに移り、あらゆる種のアルバイトを転々とし、年齢を詐称してまでアメリカ軍に入隊。生年月日に諸説があるのはこのためらしいのである。

軍隊を除隊後は、アメリカン・ニグロ・シアターに入団し、俳優を志し始めるが、故郷バハマの訛りがなかなか取れなかったため、初めは裏方での仕事が多かったが、猛稽古を積み重ね1945年に端役ではあったが、映画デビューした。この頃は映画よりも演劇の舞台で活動する方が長かったが、1950年の『復讐鬼』あたりから映画の役が付くようになり、1955年には『暴力教室』での生徒役で注目されてからは知名度が上がり、続く1958年に公開された『手錠のままの脱獄』では主演のトニー・カーティスと共にアカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、その後は順調にキャリアを重ね始めた。

アメリカン・ニグロ・シアターにて俳優を志す

1950~60年代の米国は、黒人の公民権運動が盛り上がる!!

黒人公民権運動(African-American Civil Rights Movement)とは、主に1950年代から1960年代にかけて、米国の黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った大衆運動で、主にW・E・B・デュボイス、マルコムX、 マーティン・ルーサー・キング、ローザ・パークスの4人が主導的な役割をした。

ポワティエが映画に進出し始めた1950年代は、以前の黒人俳優には肉体労働者のような端役や悪役程度にしか活躍の場が与えられていなかったが、公民権運動の活発化を受けて徐々に待遇が改善されてはいた。いわば黒人俳優の黎明期であったのだ。運も実力の内なんでしょうかね?!

公民権運動に大きな影響をもたらした人物達

1963の『野のユリ』で黒人俳優として初めてアカデミー主演賞を受賞。その後は『いつも心に太陽を』、『招かれざる客』、そして『夜の大捜査線』など、人種問題を正面から描いた問題作に出演して黒人俳優の道を切り開いた先駆者的な存在となった。

では、さっそくですが、映画の紹介!!

その1.『暴力教室』(1955)

『暴力教室』(ぼうりょくきょうしつ、Blackboard Jungle)は、1955年公開の米国映画。原作はエヴァン・ハンター(映画『鳥』の脚本や、エド・マクベイン名義での執筆でも有名)の小説。暴力的な描写が多いため、アメリカでも日本でも大人には反感を買うが、若者の間で大評判となる。1955年のアカデミー賞4部門にノミネートされた。

監督	リチャード・ブルックス
脚本	パンドロ・S・バーマン
原作	エヴァン・ハンター
製作	パンドロ・S・バーマン
出演者	グレン・フォード
    アン・フランシス
    ヴィク・モロー
    シドニー・ポワティエ

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主役グレン・フォードがなかなかの好演で、生徒側のシドニー・ポワティエも注目を浴びる存在に。この映画でデビューしたヴィック・モローは陰険な少年らしさを良く出しているが、その後の作品では役割が気に入らず、MGMを去った原因という。しかしそれがテレビの「コンバット」での成功につながったのだから、人生どっちに転ぶか解らない!!。

その2.『手錠のままの脱獄』(1958年)

『手錠のままの脱獄』(てじょうのままのだつごく、The Defiant Ones)は、1958年制作の米国映画。手錠で互いに繋がれた黒人と白人の二人の囚人が、当初は激しく反目し合いながらも絆を深めてゆく姿を描く。アカデミー賞脚本賞、撮影賞、ベルリン国際映画祭男優賞(シドニー・ポワティエ)などを受賞している。

監督	スタンリー・クレイマー
脚本	ネイサン・E・ダグラス
ハロルド・ジェイコブ・スミス
製作	スタンリー・クレイマー
出演者	トニー・カーティス
    シドニー・ポワティエ

ちなみに、主演のシドニー・ポワティエはトニー・カーティスと共にアカデミー主演男優賞にノミネートされた。

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黒人と白人の囚人が手錠につながれたまま脱走した。警官が言う。「互いにすぐ殺し合うさ~」は当時の人種差別が当たり前の世相だったのだろう。昔のモノクロ映画なのに、かなりの迫力とシャープさ。やけっぱちの唄を口ずさむポワティエがまた切ない。

その3.『野のユリ』(1963年)

『野のユリ』(ののゆり、原題:Lilies of the Field)は、ウィリアム・エドマンド・バレットの1962年の小説『Lilies of the Field』を原作とする1963年公開の米国映画。主演のシドニー・ポワティエが黒人俳優として初のアカデミー主演男優賞を受賞した。監督は西部劇の転換点となった『ソルジャー・ブルー』のラルフ・ネルソン。

監督	ラルフ・ネルソン
脚本	ジェームズ・ポー
原作	ウィリアム・エドマンド・バレット
製作	ラルフ・ネルソン
出演者	シドニー・ポワティエ
    リリア・スカラ

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シドニー・ポワティエがアカデミー賞を取っただけでなく、話としても面白い映画だった。水を貰いに寄っただけのホーマー(ポワティエ)を修道院長(リリア・スカラ)が神様の導びきでやってきた男だと信じ込み、人の良いホーマーが次第に引き込まれていく経過が何とも滑稽だった。

1967年はシドニーにとって最高の年だっただろう!!

1967年にはシドニー・ポアティエの映画作品で、どれも忘れることができない3作品が製作されて、いずれも高評価をされている。

その4.『夜の大捜査線』(1967年)

『夜の大捜査線』(よるのだいそうさせん、原題:In the Heat of the Night)は1967年公開の米国のサスペンス映画。第40回アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ロッド・スタイガー)、脚色賞(スターリング・シリファント)、音響賞(サミュエル・ゴールドウィン撮影所サウンド部)、編集賞(ハル・アシュビー)を受賞した。

監督	ノーマン・ジュイソン
脚本	スターリング・シリファント
原作	ジョン・ボール
製作	ウォルター・ミリッシュ
出演者	ロッド・スタイガー
    シドニー・ポワティエ
    ウォーレン・オーツ

夜の大捜査線 [DVD]

北部からやって来た颯爽としたエリート黒人に反発する南部の貧乏白人達という構図は、オバマ大統領とティー・パーティーとの関係を思い起こさせる。今現在の状況はと言うと、白人達(トランプ大統領など)の逆襲かな??。ちなみにこの映画に出てくる白人達は、どいつもこいつも揃って、トランプの傀儡に見えてくるような・・・?!。宇宙人にこの映画を見せたら、「なるほど、人間という生物は、多数派である肌の白い劣等種族と、少数派である肌の黒い優等種族の 2 種類がいるのだな」と思い込むに違いないのではないか!?(言いすぎか?)。

その5.『いつも心に太陽を』(1967年)

『いつも心に太陽を』(いつもこころにたいようを、原題:To Sir, with Love)は、1967年公開の英国映画。エドワード・R・ブレイスウェイトの小説を元に映画化、ロンドンで撮影されたものである。白人の生徒たちの高校に赴任してきた黒人の教師の物語で、学園もの+白人と黒人の社会問題に視点を当てた意欲作である。

監督	ジェームズ・クラヴェル
脚本	ジェームズ・クラヴェル
製作	ジェームズ・クラヴェル
出演者	シドニー・ポワティエ
    クリスチャン・ロバーツ	
    ジュディ・ギーソン

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子供から大人へと成長を遂げる生徒と彼らによって自分も成長する教師、という教育ものにありがちなストーリーだが、今観ても色あせていない題材である。そもそもいつの時代の生徒も問題を抱えているのだから・・・?!

その6.『招かれざる客』(1967年)

『招かれざる客』(まねかれざるきゃく、Guess Who's Coming to Dinner)は、1967年の米国映画。第40回アカデミー賞では作品賞を含む10部門の候補となり、キャサリン・ヘプバーンが主演女優賞を、ウィリアム・ローズ(英語版)が脚本賞を受賞。公開を前に亡くなったスペンサー・トレイシーの遺作でもある。

監督	スタンリー・クレイマー
脚本	ウィリアム・ローズ(英語版)
製作	スタンリー・クレイマー
出演者	スペンサー・トレイシー
    シドニー・ポワティエ
    キャサリン・ヘプバーン

招かれざる客 [DVD]

自分の子供が外国人の結婚相手を連れて来たら・・・?。まぁビックラするわなぁ!! しかもタイムリミット付きで(映画だからしゃぁないが・・・)。私はアメリカ行ってきたから外国人にはある程度免疫が付いているが、純粋に日本なら尚更難しい問題だろう。ず~っと単一民族で来てたからなぁ~。里帰りとか何か不幸やお祝い事があった時大変そうだ。

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シドニー・ポワティエ

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