 
  	映画『モガンボ』(1953年)の一場面
この作品でアカデミー主演女優賞の初ノミネートとなったエヴァ・ガードナーがとても魅力的な作品だ。動物が大好きな感じも伝わってきてチャーミング、遊びなれているようで、気の強い女に見えて、実は誠実で可愛い女をうまく演じていると思える。かたや敬愛するグレース・ケリーはちょっと損な役柄ですが、ぴったりとはまっていてこちらも好演。「ブリッコの下ネタの話・・・」には笑うことうけあいだ。このように、エヴァとグレースが人気を二分したため、アカデミー賞を二人ともとれなかったのかな・・・??。
その3.映画『裸足の伯爵夫人』
 
  	裸足の伯爵夫人 [DVD]
一人のスター女優の悲運の生涯を、彼女を売り出した映画監督やプロデューサーの目から回想する、語りのスタイルにマンキウィッツらしいうまさといやらしさが同居していた。マドリッドのカフェで踊る裸足のダンサー、マリア(ガードナー)に目をつけた映画監督のハリー(ボガート)は宣伝部長、プロデューサーを引き連れ、眼鏡に適った彼女をスカウト。チネチッタ撮影所での新作に起用し、宣伝の効果もあり作品は大ヒット。マリアはたちまち大スターとなる。妻殺しで起訴された父の法廷に立つという怖いもの知らずの行動もプラスに評価され、彼女はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。南米の富豪のヨットに遊び、リビエラへと赴いたマリアは、衝動的にジプシーの踊りの輪に加わる(いきいきと舞うガードナーが素晴らしい)。これを見たファブリーニ伯爵(ブラッツィ)は彼女に一目惚れし、早速週末のパーティのゲストに迎える。そして、求婚。かつての裸足のダンサーは伯爵夫人となるのだが、夫は戦傷による性的不能で、初夜の夜、診断書を見せて詫びるのだった。が、妊娠をしたマリア。苦悩する彼女を慰めようと伯爵家を訪れたハリーが夫の腕の中に見たものは、不貞を疑って彼に撃たれた、再び息をすることのないマリアだった……。
 
  	映画『裸足の伯爵夫人』(1954年)の一場面
形式が回想型なのだが、回想する人が一定ではないので始めやや混乱する。ジェントルなはずの伯爵が結婚する前に告白すべきところを、結婚後に伝えるのは卑劣だ。クールな人生観と夢見る人生観が共存した、ジレンマ。あと、モノクロの方がよかったかも。
私生活では・・・?!
 
  	コペンハーゲンの空港にて(1955年)
 
     
    




