異常な孤独感から遂には精神を病んでしまったヴィヴィアン・リーに纏わるよもやま話

異常な孤独感から遂には精神を病んでしまったヴィヴィアン・リーに纏わるよもやま話

私の知り合いで日本に住んでいる米国人については、先日ちょろっと口を滑らせてしまったが、またまた彼のリクエストにより、今回はヴィヴィアン・リーを話題にして見ようと思う。ちなみに、私が若い頃は彼女のことを「ビビアン・リー」と表記していたような記憶があるが、今は”V”の発音をいつの間にやら”ヴ”と表記しだしていたんですね?!


仮に、世界のあらゆる映画の中から1本選べっていう話になったら、やっぱりこの映画になるだろう。「七人の侍」だ、「戦艦ポチョムキン」だ、いろんな意見はあるでしょうけど、その時代の最高の技術、莫大な資金、その後の映画にもたらされた影響力となると、なかなか他の映画の追随を許さないと思える。第二次大戦中にこの映画を鑑賞したとある日本の海軍軍人が、「こんな映画を作った国家に戦争を仕掛けた日本は何て馬鹿なことをしたんだろうと笑われてしまう!!」と言ったか言わなかったとか・・・。

1939年初公開時のポスター

その2.『哀愁』(1940年)

『哀愁』(あいしゅう、原題:Waterloo Bridge)は、1940年公開の米国映画。もともとは1930年6月6日に、劇作家ロバート・シャーウッド作の2幕の舞台劇としてブロードウェイで初演されたもので、1931年にジェームズ・ホエール監督で映画化されている。

監督	マーヴィン・ルロイ
脚本	S・N・バーマン
ハンス・ラモー
ジョージ・フローシェル
原作	ロバート・E・シャーウッド
製作	シドニー・フランクリン
出演者	ヴィヴィアン・リー
    ロバート・テイラー

哀愁 [DVD] FRT-010

まさに究極の美男美女ロマンスだ!!
冒頭、ロマンス・グレーのロバート・テイラー大佐が、軍帽を、ちょいとハスに被って登場、過去の思い出に浸るシーンからしてニヤニヤしてしまう。(こんな二枚目の“大佐”で、戦争勝てるのかい?と思わず”つっこみ”!!)
回想形式が上手く使われて効果的だ。「蛍の光」の調べも、どこか哀しい。
そして、主役のヴィヴィアン・リー!男優至上主義の私が唯一認める、というか、彼女こそ、戦後派男優スターの面構え(K・ダグラスやR・ウィドマーク!)に拮抗できる≪美貌≫を持った、唯一の女優さんだと改めて思う。あの目、あの眉!!凄い人だ。

本作で主演のヴィヴィアン・リーは、前年製作の『風と共に去りぬ』では乱世を生き抜く強い女性を演じたが、本作ではその反対のか弱い踊り子を見事に演じているから、女優というのはまさに怖い。

日本公開時のポスター

その3.『欲望という名の電車』(1951年)

『欲望という名の電車』(よくぼうというなのでんしゃ、A Streetcar Named Desire)は、1951年の米国映画。テネシー・ウィリアムズによる同名戯曲の映画化作品で、ウィリアムズ自身が脚本にも参加している。この作品でヴィヴィアン・リーがアカデミー主演女優賞とヴェネツィア国際映画祭女優賞、カール・マルデンがアカデミー助演男優賞、キム・ハンターがアカデミー助演女優賞とゴールデングローブ賞女優賞を受賞している。

監督	エリア・カザン
脚本	テネシー・ウィリアムズ
   オスカー・ソウル
原作	テネシー・ウィリアムズ
製作	チャールズ・K・フェルドマン
出演者	ヴィヴィアン・リー
    マーロン・ブランド
    カール・マルデン
    キム・ハンター

欲望という名の電車 日本語吹替版 ヴィヴィアン・リー マーロン・ブランド DDC-023N [DVD]

貴婦人ぶってはいるが、父を亡くし家を失った故郷で放蕩の限りを尽くし、未成年誘惑のかどで追われるようにして都会に出た、もう若くはないアル中の南部女ブランチ・デュボワを、曲がりなりにもスカーレット・オハラだった女が演ずるということがハリウッドにどれだけ衝撃w2おもたらしたのだろうか?。V・リーは「風と共に去りぬ」に次ぐ第2のピークを本作で迎え、以後、映画ではこれに匹敵する演技を残さず逝ってしまった。一人のスター女優を燃やし尽くしてしまった、この作品の持つ“熱”・・・。彼女が訪ねるニューオリンズの妹(K・ハンター)、そして、その浅ましい夫(M・ブランド)は、救いを求めて彷徨する魂に手痛いしっぺ返しを喰らわす。ブランチの気位の高さに魅かれていた男ミッチ(K・マルデン)も彼女の真実を知り、露骨に肉体を求めてくる。ラスト、義弟の逞しい“男”に屈してしまう女の性・・・。狂気の他に彼女の逃げ場所はないのだろうか??。

『欲望という名の電車』がヴィヴィアンの未来を予言していた!!

1951年『欲望という名の電車』で再びアカデミー主演女優賞を獲得したが、これが黄金期の最後を飾る事となり、以降は体調を崩し(精神病)、1940年に大恋愛の末に結婚したオリヴィエとも1960年に離婚。結核を再発(1945年に発症)させ、精神状態もすさんだまま、孤独の中でロンドンのアパートで息を引き取った。

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ヴィヴィアン・リー

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