『ガンプラり歩き旅』その80 ~あり得たかもしれない「もう一つのZガンダム」旧1/144HGキット版完全紹介!~

『ガンプラり歩き旅』その80 ~あり得たかもしれない「もう一つのZガンダム」旧1/144HGキット版完全紹介!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!


さて、そこで究極のHG命題であった「ウェイブ・ライダーへの変形」であるが、頭部は取り外し式にすることで、股関節はポリパーツを率先して使用することで、それぞれ解決をみたが、ゼータガンダム最大にして最強の難敵は「背部バインダーの展開変形」であった。
ゼータガンダム背部の2枚の大きなバインダーは、普段はゼータガンダムの背中で逆三角形シルエットを形成しているが、ウェイブ・ライダーに変形するには、取り付け支柱が180度回転して、バインダーをボディ前面に移動させ、なおかつバインダー同士がボディをピッタリと隠し、シールドを中心に隙間なく合わさり、今度は二等辺三角形を作らなければいけない。

この変形は、いわゆる「二次元の嘘」であり、歴代ガンプラでも、細かいパーツ分割でいくらでも小細工を仕込める1/100 MG以上のサイズか、1/144でもジグソーパズル的構造に特化したRGゼータガンダムでしか変形は成しえていない。
少なくともこの時期の「三次元では不可能な変形」を前にした、HGシリーズの開発技術陣の出した答えは「変形後の形状を、立体化可能なものにデザイン変更すること」という、まるでコロンブスの卵のような結論であった。

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バックビュー。バインダーがノーマルのゼータガンダムの物とは全く違うところに注目

ウェイブ・シューター。
「バンダイが妥協した、変形しやすいゼータガンダムの飛行形態」と言ってしまえば身も蓋もないが、ある意味MSV的な趣もあり、なおかつゼータガンダムのバインダーをボディ前面にまで回転させるのではなく、サイドまでの90度回転に抑えておきながら、スパルタンな戦闘機に見せることが出来るという秀逸なデザイン。
模型的に充分に変形が可能で、なおかつ他の要素もクリアできるという部分で、旧HG版ゼータガンダムはこの変形を採用した。
そこでは、1987年に模型雑誌主導企画で商品展開が行われた『ガンダムセンチネル』における1/144 ゼータプラスC1の変形機能の設計と開発技術が基盤となっているとも言えたのではないだろうか。

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ウェイブ・シューター形態。見方によってはウェイブ・ライダーとは違う格好良さもあるので、このデザインを好むファンも少なくない

このデザイン変更であれば、背部バインダーの可動が無理をしなくて済む。本来であれば背部バインダーは、底面の胸部と腹部の裏側を覆って隠す役割も兼任していたが、それはシールドの形状を大きくすることで代替できる。
少なくとも、無理をし過ぎたり拘り過ぎで中途半端な出来の代物に「ハイグレード」の冠をつけるよりは、逆転の発想でデザインを変えることで、他の要素をこぼさずに拾い尽くすという選択肢は、この時点では満点とはいえないものの、ベストであったことが伺える。

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HGゼータガンダム、上半身の可動

まずはモビル・スーツ形態での可動範囲から。
上半身は優秀。もともと放映当時の旧キットでも優秀だった肘の角度は90度。肩の開きも、今のHGUCと比較すると勝負にもならないが、元々の肩アーマーのデザイン的に、三次元で立体化するのであれば、ここまで開くのが普通に考えて限界だろう。
最新のHGUC ゼータガンダムで取り入れられた「肩脇白いプレートで開く」解釈は、アニメでの可動と比較すると違和感が半端ないのも事実。

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開脚性能

開脚は、元の旧キットが微塵も開かなかっただけに、これだけ開くだけでも充分という手ごたえが当時はあった。これも、股関節をポリパーツ支柱で支えたおかげである。

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脚部。前後可動

ゼータガンダムの腰アーマーが、基本的には脚部を囲む形で配置されているデザイン問題と、変形機構の兼ね合いから、股関節はやはり前後にはほぼ動かないが、膝は元デザインにあったプレートを脛に収納できるようにクリアランスを煮詰めることで90度まで折れ曲がることが可能。というか、それが出来なければ脚部は変形自体ができないのだ(笑)

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オプション一覧

オプションは、ビーム・ライフル、ビーム・サーベル、シールドの基本3種類。
サーベルがクリアパーツではないのは、まだこの時代の標準であり、大事なのはライフルのバレルが長短2種用意されていて、差し替えで銃身の長さを変えることが出来るギミックが、このキットで既に完成されていたこと。
シールドの裾が広いのは、上でも書いたがウェイブ・シューター形態時に、ボディ底面を全部隠す役目をシールドだけで請け負う必要があったからである。

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構えられたビーム・ライフル

ゼータガンダムのビーム・ライフルは当時の標準モビル・スーツよりも大型で、今の時代のキットでも、持ち難さがお約束だが、保持力はイマドキのHGUC並みに高い。

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ビーム・サーベルを握るゼータガンダム

今の目で見るとサーベルがクリアパーツでないことが安っぽさに繋がるかもしれないが、1/144でビーム・サーベルがクリアパーツになったのは、HGUCも軌道に乗った頃合いからであり、この時期はまだまだこれで充分であった。

このように、少なくともモビル・スーツ形態では、プロポーション、可動、オプション全てが旧キットを大幅に上回っている上に、システムインジェクションで塗装せずとも、ここまでの配色再現が可能になっている(一部シール補完あり)。
ここまでを見るだけでも、HG版ガンダムと同じインパクトとクオリティを実感できるのだが、何度も書いたがこのキット、ここからさらに、ウェイブ・シューターというオリジナル飛行形態へと変形をする。
そのプロセスを解説していこう。

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変形前のゼータガンダム

肩の位置や脚の長さなど、まだまだ改善の余地はあるが、30年近く前のキットでこのレベルはやはりすごい

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背部バインダー

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