Origa (オリガ)とは

生い立ち
Origaはもともと旧ソ連のノヴォシビルスクの郊外にある農村で生まれました。
幼い頃からロシアの軽音楽であるエストラーダやロシア民謡を親しみ、9歳の頃にはテレビ出演を果たし、兵役を終え帰郷する兵士についての歌を披露していたそうです。
1980年代後半から旧ソ連で進められた政治体制の改革運動「ペレストロイカ」をきっかけに、初めて西側のポップ・ミュージックに触れたことで深い感銘を受けたといいます。
その後音楽大学に入学し音楽教師を志望していたOrigaでしたが、大学卒業間近である1991年の夏に、旧ソ連を訪れた札幌大学の教授と偶然懇意になり日本に招かれました。そして、卒業後の1991年11月に姉妹都市の交流プログラムの一員として来日することになったのです。
日本でのデビュー
その交流プログラムで来日したOriga は、3か月の滞在となっていました。
その3か月の間に、数々のコンサートやテレビに出演しており、それがスカウトのきっかけとなってインディーズレーベルからアルバムをリリースするに至ります。
そして、1993年には浜田省吾やスピッツが在籍するロード&スカイと契約を果たし、翌年にファースト・アルバム『ORIGA』をリリース。日本でのメジャー・デビューとなったのです。
オリガ オフィシャルホームページ
*ORIGA*
Origaが残した名曲達
ここでOrigaが残した名曲の一部をご紹介したいと思います。
アニメ、映画、ゲームなどで、Origaの歌声を聴いたことがあるかもしれません。
是非聴いてみてくださいね。
ポーリュシカ・ポーレ
この曲は1934年にロシアで作られた曲であり、ロシア内戦における赤軍の活躍を歌ったものです。
直訳すると「愛しき草原よ草原」という意味になります。
日本でも1971年に仲雅美が歌ったことで認知されており、Origaの歌を聴いたことが無い方でも、この曲は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
1998年に放送された堂本剛主演のドラマ「青の時代」(TBS系)のオープニングテーマに、Origaによるカバー曲が使用されたことでも知られています。
この曲を聴くと、Origaが天使の声だということが納得して頂けると思います。
rise
「rise」はテレビアニメ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』のオープニング主題歌になりました。
この曲は英語で歌われていますが、Origaの独特の発声かロシア訛りか判りませんが、一瞬英語として聞き取るのに躊躇しました。歌い方のせいかもしれません。
『攻殻機動隊』という近未来の世界観にとても合っている曲だと思います。
New Bodhum
この曲はファイナルファンタジーXIII-2のサウンドトラックとなりました。
ゲームの世界観を忠実に表現しているOrigaには脱帽です。
YoutubeのレビューにもOrigaへのリスペクトが沢山見られるのも頷けます。
「我が心のマリア」でリードボーカルを

この曲は1995年に発生した阪神・淡路大震災の復興のために寄付するという目的で制作されたチャリティー・シングルです。
全編英語詞による厳かなバラードに仕上がっており、この曲でOrigaはリードボーカルを務めました。
浜田省吾はOrigaの歌声を「本当にクラシーバ(ロシア語で“美しい”の意味)だよね。天使の歌声ですよね」と評していました。
菅野よう子との出会い
日本とロシアを行き来する生活を送っていたOrigaですが、1996年頃に拠点を日本として活動の根を張る様になりました。
そして、作曲家として著名な菅野よう子と組んで、コマーシャル・ソングやアニメソングを数多く手がけました。

個人的に思うのですが、Origaが日本に根を張る活動をされた動機には、菅野よう子の存在が大きかったのではないかと思います。
才能溢れる菅野よう子と、天使の歌声を持つOrigaとのタッグは、この世界に多くの宝物を遺した様に思います。
プラネタリウムへの楽曲提供
私は姫神もプラネタリウムも大好きなのですが、確かにOrigaの天使の声は、その両方と相性が抜群に良いのが判ります。
上の動画ではナレーションも入り、神秘的な世界観が拡がっています。
素晴らしいですね!
こういった作品に触れると、心が洗われた様な気がしてきます。
Origaの軌跡を辿ってみて
天使の歌声と銘打って書いたこの記事ですが、間違いなかったと納得して頂けたのではないでしょうか?
Origaは残念ながら2015年1月17日に肺がんによる心不全で亡くなれています。
しかし、多くの作品を残され、その作品達は今も尚この世界で必要とされている様に思います。
たとえ短く人生が終わったとしても、この世界に素晴らしいものを残しているOrigaを、私は尊敬してやみません。
これからも、もっと多くの方にOrigaの歌声を聴いて頂きたいと、心から願っております。