ななみ満月がゆく!オトナの毒々映画レビュー番外編「カメラを止めるな!」

ななみ満月がゆく!オトナの毒々映画レビュー番外編「カメラを止めるな!」

ななみ満月がゆく!オトナの毒々映画レビュー。今回は番外編「カメラを止めるな!(2018年)」by上田慎一郎です!


今話題の『カメラを止めるな!』を観てきた。とある人から今年の前半、「絶対話題になるから公開されたら観ろ」と言われていたため、ウキウキで映画館へ。あまりに気分が上がりすぎたためかクリスピークリームドーナツでまぁまぁ重いのを二つもを頼んでしまい、胃を抑えながら着席。我ながらアホである。このドーナツが後ほど悲劇を呼ぶとは知らずに。

「カメラを止めるな!(2018年)」by上田慎一郎

噂通り、最高の作品であった。ネット上でも評判は良く、私も星5つ中4.8くらいではないかと思う。0.2のマイナス要素は後述するので、まずはレポートを読み進めて頂きたい。

ちなみにこれから観に行く、という方はこのコラムをそっと閉じて欲しい。とりあえず何も前情報を入れずに観て欲しいからだ。色々情報を獲得してしまった状態で行くなんて、何とも勿体ない。観終わってから読むことを強く勧める。

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まず、「カメラを止めるな!」というタイトルから、皆さんは何を想像するだろうか?私は「REC」のような作品を想像していた。「とにかく面白い!」という話は耳にしていたため、わざと下調べなどは全くせず鑑賞へ。

のっけから突っ込みどころが満載!

物語のスタートは、よくありがちな「廃墟でゾンビ映画の撮影していたらホンモノ登場しちゃった!」である。

B級映画好きななみ満月、早々にこのド定番展開に胸が高鳴る。ド定番展開に加えて、役者同士の謎の「間」や、あまり意味のないセリフの掛け合いがちょこちょこあるのだ。そして、雑すぎるカメラワーク。ヒロインが走ればカメラが追うのは当たり前だが、画面が激しく揺れる揺れる。手元が狂いまくっていて、はしゃぎすぎた若者がアップしたインスタのストーリーみたいになってるではないか。

POV方式(主観ショット)などでアッサリ酔う私は、勿論これでも酔った。さっきのクリスピークリームドーナツが胃腸からわさわさ上がってきて、食べた事を後悔したほどである。開始早々、悲劇に見舞われる。必死に手元にあった梅しば(※ななみ満月は映画鑑賞の際必ず梅干しをお供にする※)を齧り何とか吐き気を抑えた。

悪いことは言わないので、酔いやすい人は揚げ物など事前に食べないほうがいい。他にもカメラが急に斜めになったり、役者が画面からハケて(いなくなって)いるのに風景だけが呆然と映っていたり、のっけから突っ込みどころが満載なのである。

あっという間のクライマックスにエンドロール…えっ!?

B級好きには堪らねぇ!と思ったが、これは決してB級映画ではないため、違和感が拭いきれない。なんなんだこれ…と思いつつも物語は進み、あっという間に物語はクライマックス。エンドロールまで流れ、もう終わり?状態に。

そして監督のカット!の声がかかり1ヶ月前…。のテロップ。この時点で、アッと誰しもが気付いた。なんと、序盤37分のゾンビ映画は劇中劇だったのだ!

ノーカットで、ゾンビ映画を生中継で放送する…という無茶振り企画を任せられた監督・日暮(あんま売れてなさそう)の作品が序盤に流れていたのである。

満載だった突っ込みどころが、実はこうでした~ばりに後半で全て解明されるのだ。その伏線回収の仕方がわざとらしくなく、テンポが非常に良い。笑える場面も多く有り、会場からも頻繁に笑い声が上がっていた。また、伏線回収だけでなく無茶振りされた作品をどうにか作り上げるために走り回る人間模様も描かれており、これがうまいことまとまっているのだ。

ジャンルは正直ホラーなのか、コメディなのか、よく分からないがその位置付けなどどうでもよくなるレベルに完成度が高い。ただ、ゾンビ映画、ではない。劇中劇がゾンビものなだけである。なのであらすじだけを読んで観に行くと、いい意味で期待を裏切られるだろう。

鑑賞後の「スッキリ」感が凄まじい!

作品づくりという事で現場やスタッフの動きがとてもリアルに描かれている。役者のわがままな姿、役者と制作の板挟みになる監督、カメラを回している間のトラブル、現場を駆け回るAD…。実際の現場に入ったことのある人間だと、よりあるある!と共感できるのだ。

90分という短い時間内で、キレイにおさまっており、鑑賞後の「スッキリ」感が凄まじい。今年観た中で一番面白いと素直に思った。全く前情報を入れず観に行ったが、あまりの面白さに没頭してしまうくらいあっという間の90分だった。

映画は、話題になっているからといって必ずしも満足度が高いとは言えない。しかしこの作品は話題通りであり、観にいかなくてはソン!と思わず人に勧めてしまうほどだ。細部までとても丁寧に仕上げられている作品ではないだろうか。

しかし、星4.8。マイナス要素の0.2は完全にカメラ酔い要素があることである。ドーナツ食ったお前のせいだろ!と言われるかもしれないが、ヤツだけのせいではない。揺れ耐性がない人にはゲロゲロの可能性大だからである。くだらないことでマイナス要素をつけて批判されそうだが、鑑賞の際に案外大事なことだと思ったので敢えて厳しめにしてみた。乗り物酔いしやすい人などは気を付けて頂きたい部分である。

そして年齢指定もないため、特別『観れる・観られない』が分かれる作品ではない。血しぶきなどがあるものの、決して怖くないのでホラーが苦手な方も安心して観に行けることだろう。何度も言うようだが、『ホラー』ジャンルではない。

余談であり、完全に好みの問題だが、娘役の真魚さんが部屋着として『シャイニング』のTシャツを着ていたのがただただツボ。なぜかこのポイントは個人的に高くて、大興奮してしまった。(図、参照)

ついつい長々と書いてしまったが、とにかくおススメの一言に尽きる。まだ観に行っていない人は勿体ないので早めに映画館へ足を運んで頂きたく思う。あまりに良すぎたので、ななみ満月はもう二回くらい観に行く予定。ちなみに都心だと、夏休みだからか席の埋まりがやたら早いのでご注意を。

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