砂の城

「人生なんて砂の城のようなものかもしれない…」。富豪の一人娘として生まれたナタリーと孤児フランシスの哀しい恋物語。発表当時、少女漫画の一歩先をリードした長編の幕開け。
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上の説明が一部だとすると、
二部からは……孤児フランシスが他女性ともうけた17歳の差の男の子(マルコ後、フランシスへと改名)と恋するストーリー仕立てになります。
砂の城 主要登場人物 ※ネタばれ含みます
ナタリー&フランシス

裕福な家の娘ナタリーは孤児でナタリーと兄弟のように育てられたフランシスとの短くも激しい悲恋のちさまざまな不幸が折り重なり合い、フランシスと他女性とできた四才の幼子フランシス(本名はマルコ)を引き取ることになる。親と子のように寄り添うものの、二人は次第に惹かれ合って……。
ちなみに17歳年の差。
ちなみにナタリーは童話作家へ、フランシスは画家の道を歩む。
砂の城で繰り広げられる恋模様
さまざまさまざまな登場人物の恋模様がございますが、(※いやほんとに)
詳細は本編へと言いたいところですが、
今回、注目したいのはフランシスの恋。
そしてフェランの一途な恋(もはや愛といっていい)へクローズアップします。
ちなみに今回の記事のキーとなるフェランとは…。
フェラン

フランシスのルームメイト。
札付きの悪童。
夫を殺してしまった過去を持つ母を持つ。
最初はフランシスにはとりつくしまもなかったが、打ち解けていくとフランシスを愛するようになる。(※!)
フランシスが「これはもう恋なんだ」と決定的に気づく瞬間
はじめはただただ純粋に好きで好きなだけが……次第に“独り占め”したいという独占欲にかられていくフランシス。フランシス以外の男性と並んでいる姿を、幸福そうに笑っている姿を見てしまい、フランシスは泣き崩れます。

そこをフェランが見つけ、慰めます。
「ばか…あやまることないさ」
そしてフランシスは友人たちの支えによって持ち直しますが、
相変わらずナタリーのことをあきらめきれないのでした……。

すぐそばに愛おしいフランシスがいるのに、あえて想いを打ち明けないフェラン。
(※打ち明けるけど、「うそだよ」ってからかって冗談で済ましちゃうんだよね…)
ただただ黙ってそばにいる、フェラン。
自分を救ってくれた恩人をフェランは彼なりの恋の示し方として、ただ何も言わずそばに寄り添います。

惚れてまうやろ……!!!( ノД`)ワッ

もう泣くしかない……。
せつねぇです。
「なあフランシスうわっつらなんてそんなものさ
ほんとうのことなんか見ようとしなきゃ見えやしない」
とちょっと不満そうに口をとがらせるものの、惚れて好きになったものが負け。
「ぼくがもし女だったら絶対、君をほっときゃしないのになって」
最高の想いの通じ方ですね。
(´;ω;`)ウゥゥ

同じくフランシスへ報われない恋をぶつける猛者がおりますが。
「ば…ばかよあなたあんなにちかくにいたくせになんでだまって…」
の問いにこう答えます。
「ほしいのは気持ちだ 力ずくじゃ心までうばえない」
と……!!!
ここに恋するときに大事な心構えを持つ大きなヒントが隠されているような気がしてならないのです…!!!
感想

大人向けの恋愛話です。
これが70年代から80年代中頃までの少女漫画とは思えぬほどの成熟度!
中には未熟で痛ましい恋がたんまりありましたが、
くるむような愛を示し続けたフェランはもうかっこいい……!(´。✪ω✪。`)
「恋とは一体……?」「愛とは一体……?」
と大いに悩まされますが、
叶うことがなくても、誰かを好きでいつづけることのできるじぶんでありたいものだなと
フェランを見てそう思うのでした……!
ファンたちの感想
終わりに…

メインストーリーとしては、
死んだ恋人の子どもを引き取って育てるうちに、その子と愛し合ってしまう女の物語です。
34歳のナタリーと17歳のフランシス。
これを少女漫画として読者を惹きつけるほど読ませてしまうところはさすが一条ゆかり先生。
どうしてひとりの人にこんなに惹かれるのか、
なぜ年齢も超えて惹きつけられるのか、
どうやったら他の男に振られて泣いている女を優しく包み込めるのか、
なぜ恋はかなわないのか、
フェランのように、報われないのに恋しつづけ愛することができるのか……まるでわからなかった子ども時代。
今なら多少なりともわかってしまうのが大人になった証のプレゼントなのかもしれません。
こんな強烈な恋物語を世の中に生み出してくれたりぼん編集者さま、
そして何よりも見事描き上げた一条ゆかり先生には心からの敬礼を!(`・ω・´)ゞ
一条ゆかり「砂の城」壮大なドラマに酔いしれる - Middle Edge(ミドルエッジ)