『ガンプラり歩き旅』その64 ~番外編 輝く銀河を駆け抜けるダイターン3!(後)~

『ガンプラり歩き旅』その64 ~番外編 輝く銀河を駆け抜けるダイターン3!(後)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は前後編で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、アオシマ製プラモデル群から、『ガンダム』の富野由悠季監督の名作『無敵鋼人ダイターン3(1978年)の、当時のプラモデルや最新キットを紹介していきます!


世の為、人の為!メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3! この日輪の輝きを恐れぬのなら、かかってこいっ!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回の番外編で紹介していくのは、シミルボンでもその流れで『無敵鋼人ダイターン3』の作品紹介をするので、そこで再現画像に登場させるダイターン3のアクションフィギュアキットを終着点として、変形形態のダイファイターやダイタンクに用いたアオシマのキットなども合わせ、2回に分けてダイターン3プラモを紹介していこうという趣向です。


アオシマ 合体ロボット ダイターン3 1981年5月 1000円

合体ロボット版ダイターン3のパッケージ

今回の『無敵鋼人ダイターン3』再現画像で、ダイファイターとダイタンクの再現を務めるのは、アオシマがガンプラブーム追従で、1981年頃に展開していた、放映終了後の富野ロボットアニメを含んだ「合体ロボット」シリーズのダイターン3を選択した。

今回の番外編で『ガンプラり歩き旅』その60 ~イデオン編・8 番外編の番外編! 瞳こらせよ、産卵の時! 人よ命よ、生首を見る! スペシャルデラックスイデオン~(リンク)』でも触れたが、この時期アオシマは、児童層向けの「おやこ合体」「ミニ合体」「ポケットパワー」シリーズなどでオリジナルロボットの合体プラモデルを展開しつつ、ティーンズ向けのアニメスケールを1981年2月から正式に展開し始める。アニメスケールは、ガンプラがバンダイのベストメカコレクションの一角を占めながらメインストリームになっていったように、アオシマのアニメスケールシリーズもイデプラ一色になっていくのではあるが、さらにハイティーンに向けたアオシマは、イデプラだけを独立させて1/600シリーズを立ち上げるのである。

それに対して、アニメスケール立ち上げとほぼ同時期に、アオシマは「合体ロボット」シリーズを立ち上げる。
「合体ロボット」シリーズは、アオシマが版権を持っているサンライズロボットや自社オリジナルのロボットを題材に、同じロボット素体を使った2種類の変形のギミック付きがそれぞれまず別個で700円で売られ、最終的にそれらを統合した決定版画1000円で売られるという手順を踏んだ(この手順の踏み方は、ポケットパワーシリーズを踏襲している)。

完成した合体ロボット版ダイターン3

『伝説巨神イデオン』(1980年)の「合体巨神」「機動合体」、『無敵超人ザンボット3』(1977年)の「無敵合体」「合体超人」に並ぶ、アオシマの「合体ロボット」シリーズのダイターン3は、発売系列はそれぞれの作品の放映順とは微妙に異なる。
まずは700円定価で、ダイタンクに変形する「重機合体」とダイファイターに変形する「戦闘合体」が、「奇跡合体」「合体巨神」のイデオンに続き、ザンボット3より早い1981年4月に発売され、それらを統合した「合体ロボット ダイターン3」がすぐさま翌月に1000円で発売された。
ここで重要なポイントとしては、あくまで筆者は今回『ダイターン3』の変形状態のメカに、この合体ロボットシリーズを使うが、それはイデオンで言えば、1/600シリーズ版ではなく「合体巨神」版であり、残念ながらダイターン3とザンボット3では、イデプラの1/600シリーズに該当するリアルアニメテイストのスケールモデル風カテゴリは設けられていなかったのである。

また、なんというか身も蓋もない話ではあるが、この商品は「合体ロボット」シリーズと冠されているが、後に同シリーズで発売される『トライダーG7』(1980年)同様、ダイターン3は、そもそも「変形」はしても「合体」しない(笑)
だが、そこはそれ、バンダイ(旧ポピー)の「超合金」と同じで、アオシマの「合体ロボット」とはあくまでシリーズのブランド名だという解釈が前提で可能である。

サイドビューとバックビュー

完成した合体ロボット版ダイターン3を見ると、イデオンやザンボット3と比較して、プロポーションが向上してることが分かるだろう。
商品開発は3商品ほぼ同時期と思われるので、これは大河原邦男氏のデザインの功績であることが想像できる。大河原氏は、合体や変形をするメカデザインをするときは、自ら木を彫り出して玩具試作をプレゼンに持ち込んでいたことは有名だが、ダイターン3の場合、その変形のストレスの殆どは、脚付け根のジョイントがオフセットされていることから、脚が回転すると劇的に全体のシルエットが変化することと、膝が180度折りたたまれる変形をすることで、武骨な形状に鮮やかに変化することと、それら二つの変形において、ロボット時のシルエットのキーになる両肩の大きなアーマー(今回の文章では、このパーツを肩大アーマーと呼ぶ)が90度垂直に立って合わさることで、ロボットの印象を消し去った兵器らしさが醸し出される、この三点で成り立っている。

サイドビューとバックビューではバックパックの大きさが目立つが、これはバックパックがそのまま、ダイファイター時のメインウィングと垂直尾翼をかねるからであり、ここを小さく造形してしまうとダイファイター時が戦闘機に見えなくなる。
後年、バンダイの超合金魂などでは、大小二つのバックパックを使って差し替えでダイターン3とダイファイターを再現していたが、それもう「差し替え作業」であって「変形遊び」じゃないよね、と、大河さんなどは正直思うのだ。

ダイターン3の頭部

ポケットパワー版では、頭部は反り返るように襟元ごと背中へ向けて展開変形したが、今回は素直に差し替え式。ここで少し残念なのが、ダイターン3の顔の額の飾り(立て物?)が少し大きすぎて、人形の命ともいうべき顔の、特に目の部分が全く見えなくなってしまっていること。このキットはザンボット3と比較して目の部分の造形も良かっただけに、設計のケアレスミスか、惜しいウィークポイントになってしまっている。

ランナー状態

それでは、組立作業に遡って解説してみたい。
まずはランナー状態。ランナーは、白、赤、青と、今風のガンプラっぽいカラフルさだが、実はこれ、「重機合体」と「戦闘合体」2つのキットのパーツを合せた為に成り立ったランナー状態であって、決してアニメにおける色分けに準じているわけではなく、額の飾りやビッグ・ウェッブ、ウィングなどのイエローになるべきパーツが、赤と白のランナーに集中していたりして、結局全塗装することは前提のキットということになる。

ボディパーツの組立プロセス。白いのがポリキャップ

このキットを語るとき、まず特筆すべきはポリキャップ多用の仕様だろう。
写真を見てもらえば分かるが、ボディだけで実に5つのポリキャップを使う豪華さは、ガンプラでも80年代半ばを過ぎた辺りからのフォーマットレベルである。
アオシマはこのキットの前後から、主に『伝説巨神イデオン』の重機動メカの1/600 統一スケールのガンガ・ルブやザンザ・ルブ等でポリキャップを使用していくことになるのだが、今回のダイターン3の場合、それら重機動メカ群や、後のバンダイのガンプラにおけるポリキャップのように「関節の保持力を維持するため」が目的ではなく、どうやら「変形遊びで差し替えをするジョイント部分の保持力を維持するため」が目的であるようだ。
だが結果的には、脚の付け根や首や肩などの、付け外し部分の間接可動もポリキャップの恩恵を請けてはいる。

ポケットパワー版では固定だった脚の付け根にもポリキャップ装備。これで脚の前後可動も開脚も可能になる

何度も言うが、今回紹介するザンボット3とダイターン3のアオシマメインキットは、イデオンにおける比較対象は1/600 アニメスケールではなく「合体ロボット イデオン」であるので、ダイターンもザンボットも、売れ行き次第ではもっと設定に近いレベルでの合体や変形と可動が楽しめるハイティーン向け合体変形版が出ていたのかもしれない。

もっとも、合体ロボットシリーズでも、ザンボット3は同じシリーズのイデオンよりもアニメ設定に近い変形合体を成し遂げていたし、さらにダイターン3ではポリキャップを導入するなど、技術革新も進んでいる。
当時のロボットプラモ多数メーカー群雄割拠の中では、バンダイがメインストリーム過ぎたために基準が異なるアオシマは、時代遅れと受け止められたのかもしれないが、バンダイとは違う角度と速度で、しっかり進化し続けていたのである。

完成したダイターン3のポージング

さすが大河原メカというか、完成したダイターン3を見て、動きそうなところは一通り可動するのは素直に嬉しい。もっとも可動範囲は、さすがにそれほど広くはないが、同時期のガンプラと比較しても、同程度レベルであろうか(上の写真はなんとか頑張って「この日輪の輝きを恐れぬのなら」をやってみようとしたポーズ(笑))

腕の可動範囲

腕の可動範囲は、他のシリーズのダイターン3同様45度程度。
さすがにアニメスケールやポケットパワー版とは違い、今回はしっかり肘関節は、上腕と前腕の分かれ目に設けてある。肩も脇に水平に近く開くので、自然なファイティングポーズはとらせることができる。また、後述するが今回は肩大アーマーのボディへの接続が、ポケットパワー版とは違ったスプリング接続なので、肩アーマーが回転しようとするとスプリングの弾性で逃げてくれるので、肩の動きを妨げない構造となっている。

脚の開脚性能

上でも書いたが、ポケットパワー版では後ろ腰ブロックと一体化していた腿部も、腰ブロックとポリキャップで繋がるようになっていて、前後へも、左右への開脚も可能になっているのは、この時期のロボットプラモでは実は地味に革新的である。
膝も、ダイタンクへの変形可動が生きるので(曲がり軸が不自然というのはあるかもしれないが)ダジャレじゃないが大胆に曲がってくれる。ただ、足首が左右に対してはほぼ固定なので、派手なポーズをとらせても立たせて飾ることはまず無理だろう。

また、この合体ロボットダイターン3で次に記すべきは、それぞれが2つの商品を統合しているために、手持ち武器が豊富に用意されているということだろう。

合体用オプションと、手持ち武器一覧

ざっと並べるだけでも、ダイターン・ザンバー、ダイターン・ジャベリン、ビッグ・ウェッブ、ダイターン・スナッパーと結構な数の武器が付属しているのだが、それでもダイターン3は、当時のロボットアニメの中でも武装や武器が多い方のロボットなので、これでもまだまだ、ダイターン・ハンマーやダイターン・ミサイル、ダイターン・ウェッブなど、足りない武器はある。

ダイターン・ザンバーを構えたダイターン3

なんといっても、ダイターン3のメインビジュアルを彩るダイターン・ファンがないのが痛い。
このキットにはダイターン・スナッパーが2種付いているが、これを2種付けるぐらいなら、ダイターン・ファンを付けてくれた方が嬉しかったというファンも少なくないのではないだろうか。

ダイターン・ジャベリンを構えたダイターン3

バンダイのガンプラ同様、握り拳の手首に穴が開いていて、ほぼ全ての武器はその穴に差し込めて構えられるプレイバリューを持つ。

ビッグ・ウェッブを構えたダイターン3

「ビッグ・ウェッブを構えているのに、胸の金十字がそのままなのはおかしい」とか、無粋なツッコミを入れてはいけない(笑)

ダイターン・スナッパーを構えるダイターン3

なぜかダイターン・スナッパーだけは、軸が真っすぐな物と、うねり曲がっている物との2種が入っていた。おそらく「戦闘合体」「重機合体」でそれぞれ入っていた物だからなのだろうが、どうせ2種入るなら、スナッパーの先端を変えて欲しかったと思ったりもする。

では、ここからは変形プロセスを追って見ていこう。まずはダイターン3からダイファイターへ。

変形開始のダイターン3

本体からまずは、頭部、両腕、バックパックを取り外す。

肩大アーマーは、内部でスプリングでボディに接続されている

肩大アーマーを、スプリングのテンションとストッパーを利用して、垂直の状態に立てる。ここのメカニズムは、正直ポケットパワー版の構造の方が優れているように感じるが、プラの可動を何度も行った先での摩耗を考えると、スプリング方式の方が耐久性は高いのかもしれない。

腰後ろ中央部のジョイントを軸に、脚部全体を90度回転させる

このギミックによって、平坦なロボットのボディシルエットが、多段構造のスパルタンな戦闘機に早変わりするのだ。このギミックはポケットパワー版とほぼ同じである。

3つのパーツに分解されたバックパック

ポケットパワー版や近年の超合金魂版では、腕部をアニメどおりすっぽり包めるオプションが付属しているが、この合体ロボット版ではバックパックをそのまま使用する。
一番上に写っているのは、ダイファイター唯一のオプションでもあるバックパックの代わりに取りつけるスロープパーツである。

完成したダイファイター

バックパックを左右それぞれ肩の接続部に取りつけ、垂直尾翼を両脚のかかと同士(ここもポリキャップ)で挟んで固定することで完成するダイファイター。
シルエット的にはアニメ本編の形状に非常に近く、単体のキットとしても出来は良い。

ポケットパワー版(右)との比較

バランスとしては、主翼が大きくスパルタンなポケットパワー版も悪くはないが、戦闘機形態とロボット形態を両立させて完成度の高い(しかも生首がない(笑))合体ロボット版の方が決定版といえよう(笑)

天翔けるダイファイター!

ザンボット3では、ザンベースの垂直尾翼を兼ねていた「脚の脛ウィング」を、脚の回転で水平尾翼に見立て直す大河原マジックが、このデザインからも堪能できる。

それでは次に、この形態からのダイタンクへの変形を見ていこう。

余剰パーツを外して、脚を回転させ直した状態

まずは、ダイファイターをこの状態まで戻す。アニメ設定からして、ダイタンク時にはバックパックが丸ごと行方不明になるのだが、細かいことは言いっこなし(笑)

脚を今度は後方へ向けて180度畳む

このプロセス一つで、人間体形のロボットが、一つの「鋼の塊」に見えてくるのである。

むき出しになった関節部に、バーニアノズルパーツを4つ取りつける。

当時のアオシマが決してバンダイに劣らなかったところが、こういった配慮の部分だろう。今で言うアフターパーツに当たるバーニアを別パーツで用意して、変形の跡をそれらしく補完し、アニメ設定に極力準じてみせる。
1/600 イデオンでいえば、Cメカ爪先先端のシャッターの差し替えや、Aメカ袖口ダクトの別パーツ化にも言えたが、ここはアオシマの良心的な愚直さであろうと思われる。

両脇腹に、キャタピラパーツを差し込む

戦車のアイデンティティの一つであるキャタピラ。装着するだけで俄然、戦車らしくなる。
そして、もう一つの戦車のアイデンティティである砲塔を、両足首の裏に刺し、拳を取り外した腕を取り付けてダイタンクの完成である。

完成したダイタンク

システムとしての変形は最小限なのだが、得られた効果は大きい。
薄くシャープなダイファイターと、見事に印象を変えている。

後方から見たダイタンク

こちらでもバーニアパーツの効果がはっきり分かり、力強い印象を与えている。

轟音を響かせて、大地を進むダイタンク!

どうであろうか。
関節の可動範囲はいろいろ再設計の余地はあるが、1978年当時のアニメの、変形メカのプラモデル化としては、今にも通じるクオリティがあるといえるのではないだろうか?
合体ロボットシリーズは、イデオンは、設定にない武装だらけにされながらも、最小の差し替えパーツで車両3種メカへと変形をやり遂げた。ザンボット3はロボット形態での関節可動には難があるが、イデオンの1/600版レベルでの3機変形合体を成し遂げた。ダイターン3はシンプルな変形とはいえ、ほぼ完全にアニメイメージの3形態変形を完遂させた上で、アクションフィギュアとしても及第点の仕上がりをみせた。
これは当時のバンダイのガンプラにもなかったプレイバリューと方向性である。

合体ロボット版の、ザンボット3、ダイターン3、イデオン

作風やトレンドがどうであれ、合体するロボットは合体する玩具が、変形するロボットは変形する玩具が欲しいのが当たり前なのが児童層である。
いや、当時は安易な玩具的変形と合体を否定していたバンダイのガンプラでさえ、今となっては『機動戦士ガンダム』のコア・ブロックやGアーマー、『機動戦士Zガンダム』(1985年)以降の変形型モビル・スーツの、完全変形とアクションフィギュア性の両立を求めてやまない。

今回用意できた3種のアオシマダイターン3。左から、アニメスケール、合体ロボット版、ポケットパワー版

0年代初頭、ガンプラをはじめとする、バンダイのベストメカコレクションシリーズがなぜ受け入れられたかと言えば、プラモ化されたロボットやメカたちが、当たり前のようにテレビの中での活躍を再現できていたからであり、それは1/144ガンプラでこそ、関節可動フィギュア方向でブレイクしたが、バンダイのベストメカコレクションも、合体ロボットは正しくアニメ通りに合体させていた商品履歴がある。

アオシマの独特の合体アレンジセンスだけをあげつらって、イマドキの「当時を子どもで過ごさなかった人達」が嘲笑する流れを否定するつもりはないが、当時のアオシマのロボットプラモデル群には、ガンプラにはない「子ども達に創造という想像を与えよう」という、背筋の通った大人の気概のようなものを、今回の連載の、イデプラ以降の一連の流れで確認させてもらった次第である。

これで筆者による、アオシマ製富野ロボットプラモデルの旅は終わるが、アオシマのプラモデルが80年代初頭において、既に現代最新のバンダイの技術に拮抗できるポテンシャルを秘めていたことは、イデオンやザンボット3の比較でお分かりになっていただけたと思う。
「あの時代に生まれた物」が、現代でも価値を持ち続けるというのは、それらの時間をずっと過ごしてきた好事家から言わせていただければ、こんなうれしいことはない(あ、最後の最後でアムロの台詞になっちゃった(笑))

さて、次はシミルボン連載で主役を張る、ダイターン3のソフビ製ガレージキットの紹介である

浪漫堂 DX FLEXIBLE ROBOT KIT ダイターン3 2000年6月 9800円

アニメ設定画に忠実なフルアクションフィギュア完成体

今回は、ガレージキット(以下・ガレキ)の世界で、90年代初頭辺りに流行った、ソフビ製の組立キットを用意して、それを完成させて再現画像の主役に用いることにした。
この商品に関しては、見つけるまでは無知ゆえに知らず、なので本編再現のダイターン3も、アオシマ合体ロボット版でやってしまおうと思っていたのだ(それぐらいアオシマ版は出来が良かったのだという意味に受け取って下さい)。
筆者のポリシーと懐具合的には、超合金魂をこの再現画像シリーズで用いたくなかったというのもある。

この商品を紹介するには、ここからは少し長めに尺を使って、「ガレキとはなんぞや? ソフビキットとはなんぞや?」を先に解説しておかなければいけない。
ガレキ=ガレージキット=駐車場で少数生産されるホビーキット、というのは、海外での発祥がいつなのかはともかく、今で言うアニメや特撮の、メカや怪獣や美少女がガレキとして日本で作られ、売られ始めたのは、80年代中盤頃合いだったと思われる。

ガレキと区別するために、通常のプラモデルはインジェクションキットと呼ばれることもあるが、要するにガレキとは、大企業ほど資本もマンパワーも生産工場システムも持っていないインディーズメーカーや素人程度でも、「原型を複製したパーツをパッケージしたキット商品」であれば作れる、売れるというのが前提条件で、簡単に言ってしまえば「プラモデルの同人誌」の“ようなもの”である。

日本のアニメ、特撮等のメカやキャラをガレキとして販売し、最初に話題になったのは、後にチョコエッグ等でミニフィギュアバブルを起こした海洋堂と、後にアニメ制作会社ガイナックスに育つ前のゼネラルプロダクツが有名であった。

そもそも海外ではミリタリーモデル等が流通していたガレキの基本どおり、当時から現在に至るまで、その製造過程はシンプルである(最近は3Dプリンター等出てきたのでそうとは限らないが)。
まず、原型を作り、それをシリコンで型どりする。そしてその型にレジンという、液状の樹脂素材を流し込み、それが硬化したところで型から抜けばパーツが一つ完成する。それを集めたのがガレキというのが基礎知識だ。

既存の大メーカーのインジェクションキットでは、金型コストがまず数千万円かかるし、流し込み用のプラ素材などのランニングコストも馬鹿にならない。
しかし、好事家の集まりでも、プラモデルではないが、プラモデル並みの精度と原型再現性を保った少数量産品を作り売ることが出来る。これがレジンキャストキットの強みだった。

ダイターン3! 我とあり!

80年代。時はまだバブル崩壊を直撃していない時代。
レジン系のキャストキットは瞬く間に脚光を浴びて、ワンダーフェスティバルを初めとして、JAFCON等の(コミケのような)ガレキの同人イベントがいくつも開催されて、人気ディーラーやカリスマ原型師などまで誕生していた。

しかし、ガレキ、特にレジンキットには、一つの大きなハードルがあった。
「離形剤」
生産時に、上で書いたようなプロセスを経るゆえ、硬化したレジンのパーツをシリコン型から抜くときに、型を破損させないように、液体レジンを流し込む前に、予め型に塗っておく剥離剤の役目をする油である。
ガレキを買ったエンドユーザーが、まず最初にやらなければいけないのが、この離形剤をパーツから洗い流す作業なのだが、これがまた、頑固どころではなく、その落とし方に正解がない。普通にどこのキットの離形剤も、洗剤で洗った程度では落ちてくれない。「中性洗剤を入れたお湯で鍋で煮る」「中性洗剤とクレンザーを混ぜたペーストを、使い古しの歯ブラシにつけてパーツをゴシゴシこする」「自動車用品のブレーキクリーナーに数日間漬け込む」等々、ガレキ愛好家単位で対抗策を立ててはいるようだが、ガレキブーム最高峰の頃には、生産数とコストを優先した結果、各メーカーの離形剤頑固率がさらに跳ね上がった。

この離形剤。放っておけばいいじゃないかと言えば、絶対そんなことはなく、これをまず落とさないことには、塗料も接着剤も全てパーツ表面の離形剤がはじいてしまって、塗装も接着も何もできない。
なので離形剤落としは必須の第1工程なのだが、これがいきなりラスボス級の存在なのでエンドユーザーを悩ませる。
挙句には、ツワモノの中には「サンドペーパーで全パーツをやすりがけして、パーツの一番表層の皮を一枚削り落とす」という荒業で対抗する人まで出てくる始末。もう「ガレキは初心者にはハードルが高い」なんてものじゃない! 作るのに、準備作業をしようとするだけで、ファミコンの『たけしの挑戦状』みたいなレベルなのだ!

他ならぬ大河さんも、離形剤対策に嫌気がさして、レジンキット制作からは遠のいてしまったが、かなりこの離形剤問題はガレキ業界に危機感をもたらしたようで、80年代の終わりには、今や完成品フィギュアで名の通ったコトブキヤ等が「離形剤を使っていないレジンキット」を開発して、賞賛を浴びた時期もあったほどである。

そこで「ソフビキット」が生まれたのであった。
「そこでって言われても」と、戸惑う読者さんも少なくないと思う。
ソフビと言えば、誰もが思い浮かべるのが、昭和の高度経済成長期から子どもの玩具の王様で、今も絶えない「怪獣人形」の、あの素材である。
正確には塩化ビニール。
メッキで形成された型の中に、熱して溶けた塩化ビニールを流し込み、冷えたら型から抜いて一つのパーツが出来上がり、それを組み合わせて怪獣人形は生産されていた。
ソフビは、レジンキットほど精密な原型ディテールの再現は出来ないが、金型コストやランニングコストはプラモデルよりぐっと安い。
パーツ分割も、シリコン型からのレジン抜きでは不可能な角度や形状のパーツも一つのパーツで抜けるので、複雑なデザインの立体の量産に向いている。
関節可動は、それこそ怪獣人形で手足を動かす「嵌着(かんちゃく)」が決め手となった。実際のガレキでは、ソフビでボールジョイントを形成したり、ABS樹脂やプラスチックパーツのフレームなど、サブマテリアルを用いている物も多いが、ソフビ素材だけで構成されているフルアクションキットも少なくなかった。
そしてなにより「離形剤がいらない」これが大きな決め手となった(正確には「レジンキットと比較すれば問題にならないぐらい影響が軽度)。

時は90年代に入る頃。それまでレジンキット一色だったガレキ市場に一気にソフビキット旋風が吹いた。
ソフビキットは、面倒な離形剤がないばかりか、組立も簡単で、極端な話、作るだけなら、アートナイフ一本と瞬間接着剤とドライヤーさえあれば出来てしまう。
塗装だって、サフェーサーを吹かなくても、プラモデル用のMrカラーで塗装が出来てしまう。
ガレキ市場は、緻密な再現性をあえて捨て去ることによって、一気に「初心者お断り」の看板を下げることが出来て、ガレキ初心者も多くがこれらの商品に飛びついた。

まずはさすがの海洋堂。当時ブレイクしていた『機動警察パトレイバー』(1988年)に目をつけ、これの1/35 ガレキシリーズをソフビで展開してみたところ大ヒット。

海洋堂 1/35 『機動警察パトレイバー』イングラム パッケージ

続いては、当時Larkというホビーショップが立ち上げた(海洋堂もゼネプロも、どこも最初はショップだったメーカーは多い)Waveというメーカーが、ソフビキットのリアルロボットガレキを次々と商品化して喝采を浴びた。

まず、『聖戦士ダンバイン』(1983年)に登場するオーラ・バトラーを、海洋堂のパトレイバーと同じく1/35で展開。

Wave 1/35 『聖戦士ダンバイン』 ダンバイン パッケージ

デザインにアレンジを加えはしたものの、発売する商品は放映当時、バンダイがプラモデル化しなかったオーラ・バトラーを中心に据えて、最終的にはソフビ同士の嵌着と可動だけでビルバインの完全変形を成し遂げるキットまで発売されて、今でもこのシリーズのファンは多い。
こうなるとWaveの勢いは止まらず、ガンダム関係でも(まだこの頃はHGUCもMGもなかったため、一度放映が終わった作品で商品化されなかったメカは、二度とバンダイからは出ないと思われていた)『機動戦士Zガンダム』のジ・Oを1/144でリリースするなど積極的に動き、そしてこの時期のソフビキットムーブメントの象徴ともいえる「1/100 サザビー」を売り出し業界に衝撃を与えた。

Wave 1/100 サザビー パッケージ

Waveの1/100 サザビーは、もちろんバンダイのガンプラが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)の1/100では、商品化されたのがνガンダムだけであることに目をつけ、狙って企画されたものである。
さすがに大型キットなので、ソフビだけではなく、プラスチックで構成されたフレームに、ソフビの装甲を付けていく構造で発売。その商品の出来もさることながら、わざわざボックスアートに、ガンプラで1/100 νガンダムのボックスアートを描いた高荷義之氏を招いて、それと対になる構図と統一感でパッケージをデザインしたことが話題になった。

怪獣ソフビキットの側では、多分こちらの方が先なのだろうが、ビリケン商会という老舗の怪獣系ガレキメーカーが、初代ゴジラや初代ウルトラマンなどを発売展開。その脇で、ファルシオンなる中堅メーカーが、『帰ってきたウルトラマン』に登場したタッコングやツインテール等の怪獣を、超絶的な出来栄えでリリースして伝説になるなど「やはりソフビと言えば怪獣だろう」というエピソードも多かった。

しかし、そんなソフビキットも、一過性のバブルのように消え去り、今ではロストテクノロジーかオーパーツ扱いされている(だから大河さん、今回ここまで「ソフビキットとは」の長文を書いたのよ)。
その理由としては、2000年代を境目に、完全にコトブキヤや海洋堂やWaveのビジネススタイルが「PVC製の塗装済み完成品アクションフィギュア」へ移ってしまったということ。
そしてそうなる副次的要因としては、ソフビキットがここまで何度も書いてきたように「原型の細かいディテールを量産品で再現しきれない」のと、あと「熱に弱い」というのがあった。

この後、組立プロセスでも記すが、塩化ビニールは高温では柔らかくなり、常温では固まる。それは良いのだが、ソフビは物が大きく肉厚が薄いと、日本の夏の暑さ程度でもふにゃっと柔らかくなって歪んでしまうのだ。
夏場の暑さで歪んでしまったり、家に帰ってみたら倒れていたり、パーツが外れてしまうなどのトラブルが後を絶たず、モデラー諸氏はそこで「ソフビキットの脚のパーツの中に石膏を流し込んで固めて重りにしておく」等も提唱したが、そんな手間をかけるぐらいなら、最初からライトユーザーは食いつかない。それゆえ、ソフビキットは完成品フィギュアの時代を待たずとも、遠からず淘汰される運命にあったのかもしれない。

さて、ここでようやく、今回のダイターン3のキットの話題に移ることになるが。
延々とここまで長い前置きを書いておきながら、まだ少し前置きは続く。

今回紹介する、ダイターン3の「完全塗装済み(ここ、後々試験に出るからしっかり記憶しておいてね)ソフビ製フルアクションキット」を発売したのは、浪曼堂という、かつて存在していたインディーズメーカーの商品である。
「浪“漫”堂」ではなく「浪“曼”堂」であるところがポイント。

浪曼堂はガンダムシリーズのガレージキットから始まって、ポリストーン製アクションフィギュアや、『キン肉マン』のアクションフィギュア、またタカラの復刻に先駆けて「ミクロマン」の正規版権商品展開も手掛けていた。
このメーカーの拘りもなかなかのもので、塗装済みポリストーン製のパーツをボールジョイントで繋ぐザンボエースのアクションフィギュア等は、わざわざノーマルパーツとは別に、最終回のエンディングで破損された腕部や脚部等がついていて、感動のラストシーンバージョンと差し替え可能にしていたりした。

しかし、最初に「ガレージキットは好事家の趣味」というようなことを書いたように、ガレキは模型作り中級者以上の趣味と言われているとおり、歴代のガレキは、どれだけ大手メーカーの玩具やプラモとパッケージや見た目が似てようが、どこかで間が抜けていたり、商品仕様の詰めが甘かったりするものなのである。

今回紹介するダイターン3は、その浪曼堂が90年代末から2000年代初頭にかけて、に「DX FLEXIBLE ROBOT KIT」というシリーズ名で発売した商品の一つ。
他のラインナップでは、ライディーン、ボルテスV、ザンボット3、ダンガードA、ゴーショーグンなどがあったらしい。

浪漫堂 DX FLEXIBLE ROBOT KIT ダイターン3 パッケージ

パッケージだけ見ると、まるで一流玩具メーカーの完成品フィギュアのようである。
いや、まぁ、今はここでは何も言うまい。この後、読者の皆さんと、一緒に組立工程を見ていこうではないか。
とりあえず、中をあけてみよう。

箱の中身

思った通り、ソフビのパーツの山が詰め込まれたビニール袋がゴロっと出てきた。
確かに、完全塗装済みと謡うだけあって、既にダイターン3の特徴的なボディの塗り分けや、足首のパーツ等が、フルカラー彩色で詰め込まれている。
ブルーやイエロー、ホワイトなど単色のパーツは、もともとその色のソフビでパーツが作られていて、塗装コストを軽減させている。
左下の、黒と黄色の小さなパーツの袋は、関節可動には欠かせない、ABS樹脂製のボールジョイントになる。
各ソフビパーツに、余剰部分が多く見られるのは、先ほど書いたソフビ生産の工程で、パーツ部分より多くの液状塩化ビニールが流し込まれるからであり、基本的にこれらの余剰部分をアートナイフで切り取って、パーツ同士を接着したりはめ込んだりすれば、ソフビキットは完成するように出来ている。基本的には……ね。
しかし、パーツにもボールジョイントにも、ナンバーや個体認識の手掛かりは刻印されてはいない……。この時点で大河さん、嫌な予感がひた走る……。
ま、まぁ。組立説明書にいろいろ詳しく書いてあるんだろう! そうだ、そうに違いない!
よし、組立説明書を開いてみよう!

浪漫堂 DX FLEXIBLE ROBOT KIT ダイターン3 組立説明書

一枚! いっちまぁあああいかよぉおおおっ!
しかも、パーツにナンバーが割り振られてねぇと思ったら、説明書にもナンバーが言及されてない。最初っからの確信犯かよぉおおっ!
「見て判断しろよ」ってか!? 「自分で見て判断してね♪」ってか!?

組立説明書 上部

これがパーツ一式のアリバイ証明書。ソフビパーツに関しては、図でグレーのスクリーントーンが貼ってあるところが余剰部分なんで、そこをカットしてください的な意味だっていうのは分かる。
けど……腕や脚の「左右の違い」に、まったく手掛かりがない……。
一覧図では一応それらしく並べて書いてあるけど、実は部品図が適当過ぎてまったく参考にならない!
これ、手足の左右は共通パーツでいいんだろうなぁ!?
っていうか、一番右上の方に、先ほどの黒と黄色のボールジョイントの図も載っているんだけれども。
どれがどれだかわかんねぇよ! パッと見、3種類ぐらいにしか見分けられねぇよ!
「スジボリを入れると良いでしょう」とか、ちょっと優しそうなアドバイスする前に、自社商品の部品チェックぐらいちゃんとさせろよ!
浪曼堂さん、もうメーカーとして存在しないんだから、仮にこれにパーツ欠品とかあっても、どこも対応してくれないんでしょ?
あ、あと。細かいことだけれども、右足首の余剰パーツのところ、トーン貼り忘れてるからね! 商品出荷までに、スタッフも誰か気づいてやれよ!

……で、パーツ構成的には、基本全てがソフビと、関節のボールジョイントはABS樹脂。
このキットは変形や合体はせずに、ロボット形態でのアクション性を追求しているんで、肩の回転可動に干渉しそうな肩大アーマーと、脚の白いウィングは、ゴムのように柔らかい、軟質ソフビという材質で作られている(素材としての扱い方は軟質も硬質も同じ)。
額の立物(?)の黄色い飾りと、腰脇のスナッパーパーツはプラ製。
後は「謎の金属棒2本」で、太い方がダイターン・ジャベリン用で、細くてぐにゃぐにゃ曲げられる方は、ダイターン・スナッパー用っぽい。

まぁとりあえず、ソフビキットを作るプロセスを実際に見て頂きましょう。
ここで選ぶは、一番無難っぽいバックパックの組立です!

組立説明書 バックパック組立指示部分

シンプル! めっちゃシンプル! だからといってこれ、決して「簡単」じゃないぞ。説明図が簡素なだけだからね! ウィングとか先端のミサイルっぽいのとか、左右本当にこれ、どっちでもいいんだろうなぁオイ!

バックパックの垂直尾翼パーツ

これが、余剰パーツ部分(以下・バリ)がついたまんまの、バックパックの尾翼のパーツです。これのバリをカットしなきゃいけないんですが……。

アートナイフ

デザインナイフとも呼ばれているけど、モデラーが長年親しんでいるのが、このOLFA社製のアートナイフ。ソフビキットにはこれがないと絶対作業が出来ませんぞ。

アートナイフでバリをカットしていく

ソフビは生産の過程で、同じパーツの中でも、肉厚な部分と薄い部分にかなりの差があって、肉厚のところを力入れてアートナイフの刃先を入れると、いきなり刃が薄いゾーンに突入して、一気に滑って指をスパッと切ってしまうことがある。
ぶっちゃけ、ソフビキットを作ったことがあるモデラーさんであれば、一度や二度はバンドエイドのお世話になったことがあるはず!
かくいう大河さんも、今回ダイターン3を作るだけで、3回ほど指を切り、バンドエイドのお世話になりました。同じ指に3枚別角度でバンドエイドが貼ってあるとか、なんだ、俺はリストカッターの女子高生メンヘラか!

バリを切り取ったパーツ

不要部分を切り取り終わったウィング。基本的にはこの要領で、全てのパーツのバリを切り取ればいい。たまにバリのふりしてパーツの一部ですとか、パーツの角なんで気づかれにくいですがバリですみたいな、フェイクやフェイントをソフビキットは仕掛けてくるので気を付けるように!

バリを切り取り終わったバックパックパーツ一覧

この場合、ウィングのパーツとバックパック本体は、微妙に嵌着ではめ込み固定することになる(怪獣ソフビの手足と違って可動しないけどね)。
嵌着とは、要は物理的に小さい穴に、穴より大きなパーツを通り抜けさせて、くぼみの部分で固定させるということなんだが……。

ドライヤーで、嵌着の穴を温めて柔らかくする

上でも書いたけど、ソフビは熱を加えるとすぐ柔らかくなって、一時的にゴムのように多少の無理は効くようになるので、ドライヤーで温めてはめ込まれる側の穴をこじ開けられるようにする。
ソフビキットの多くはこの構造論を使うので、ドライヤーもやはりソフビ者には必須マテリアル。
スキンヘッドの大河さんの部屋に、なぜかドライヤーが置いてあって、部屋にきた目ざとい系女子に見つかって「大河さん。この部屋に通ってくる女子がいますね!」ってツッコまれたけど、ソフビのためだけにドライヤー持ってるとか、説明するのも馬鹿らしいし面倒なんで、「そういう認識でいいです」とだけ応えておいた(笑)

パーツをはめこんでから、嵌着部分を瞬間接着剤で接着。

ソフビと瞬間接着剤は相性がとても良い。瞬着は、ガンプラやレジンガレキを作る人も使うが、昔から「瞬着で組み立てると、倒れたりショックを与えた時にもろい」と言われて、確かにそういうところがあるので使いどころを誤れない。
しかし、これがソフビ相手になると、ソフビ同士を瞬着でくっ付けた場合、まずアクシデントで外れることは100%ない。逆に、間違えて接着してしまったパーツをはがそうと思うと地獄を見る。それぐらい、ソフビと瞬着は相性が良い。
ここでの接着は、嵌着をとおしたウィングパーツを、裏側から固定補強するために瞬着を流し込んでおくのだ。

3つのウィングが付いたバックパック

というわけで、アートナイフ、瞬間接着剤、ドライヤー、この3つのうちどれが欠けてもソフビキットは作れないし、逆にこの3つさえあれば作れてしまうソフビキットも少なくない。後はこれの繰り返しでキットを組んでいくことになる。

組立説明図 全身メイン

……にしても、いい加減過ぎねぇか、この組立説明図!?
基本、全身の組立説明書がこの図一つだけって、どういうことよって思わない!?
いや、「これ」がガレキよ!? 確かに「このいい加減さ」がガレキなんですよ!
もっとひどいガレキになると、完成品の写真が一枚入っているだけで「写真をよく見て、組み上げてください」とだけ書いてあったガレキとか、本当にあったからね!?
どんだけ初心者お断りなんだよ! これだって、この図だけでボールジョイントの違いを判別するのって、半端じゃねーぞ!?
あとね、これも後で出てくるネタだけど、この図にある(ダイターン・スナッパーの先端になる)腰横のパーツの指示に「2.5mmピンパイス、又はキリ等で穴を開けます」ってあるけど、これ、嘘だからね!?
大河さん、最初から怪しいと思ったんだよ、そしたら案の定、このピンの直系は1.5mmだったんだよ! なぜかの推理解決篇はまた後で。

市販のプラ板等でふさぐとより良いでしょう

アドバイスかよ!
って、これ一応おたくんところの商品だろ?
アドバイスいらねーから、パーツの穴をふさいでおくか、ふさぐパーツを入れておけよ!
あったよ!? 確かに、80年代ガレキ黎明期のバキュームフォームキットとかペーパークラフトキットとかには「ここは自作してください」っていう、威風堂々と顧客に自力解決を促す仕様のガレキってのは! あったけどサァ!
あんた、仮にも2000年の商品だろう!

首のボールジョイントの処理のしかた

おぉおぉおおいィィィイっ!
「処理のしかた」じゃねぇええええっ!
これ、ミスだよね? あきらかな設計だか生産だかの、どっちにしても浪曼堂さんサイドの、エラーミスだよねぇええっ!?
なんで、なんでミスを自社でリカバリーしないで、勝手にエンドユーザーの努力補完が前提になっちゃってるの!?
「この程度の設計ミス、取説にセロテープかませろって書いておけばいいさ」じゃねぇえぞぉおおっ!

ダイターン・ジャベリンの組立指示

はい、ここで先ほどの「2.5mm事件」の解決篇です。
真相から先に述べると、この取扱説明書、穴を開けるところには全部「2.5mm」って指定があります。
額の立て物、スナッパーの先端、ジャベリンの軸、スナッパーの軸、全部どれもこれも「2.5mm」って指示があります。
だけどね? よく見ると全部穴の系が違うの。
まずジャベリンとスナッパーの金属シャフトの太さが全然違うし、さらにそこから、額の立て物とスナッパー先端部品の取り付けピンが一回り細いんですよ(ちなみに実測では、ダイターン・ジャベリンの軸太さは3.5mm、ダイターン・スナッパーの軸太さは2.5mm、プラパーツの取り付けピンはそれぞれ1.5mm)。
なのに説明書では「2.5mm」! どこもかしこも「2.5mm」!
ここから導き出される真実は一つ!
犯人は浪曼堂! お前だぁああっ! じっちゃんの顔にかけて!
……っていうか、そろそろこの組立説明書と真剣に向き合うのがばかばかしくなってきたよ……。いや「ガレキの取説」なんて確かにこんなもんよ? こんなもんだけどさぁ……だからガレキは廃れるんだよ……。

ダイターン・スナッパー 組立説明図

あとね。ここの、ダイターン・スナッパーの組立指示。
これ、知らない人が見たらさ、先端のこういうパーツが専用に用意されてると思わない?
確かに、ガレキのマイナーフィギュアを、本編観てない人が買うとは誰も予想しないし、スナッパーの先端は、実は腰脇のパーツだって知ってはいるけどさ。
パーツの絵だけで、なんの説明もないのってどうよ?
「ここは、腰の脇のパーツを使ってください」って一言書こうよ……一言でいいのにさ……。もうやだ(笑)

武器類のパーツ状態

えっと……。確かこの商品「完全塗装済み組立キット」でしたよね。
だから顔も脚もフル彩色で、そりゃもういい仕事してはいたんだけど……。
えっと……。ダイターン・ザンバーがどうして真っ白なの?
刃の部分は白でいいとして、ダイターン・ザンバーの柄の部分って、確かレッドだよねぇ? なんでパーツは真っ白なん?
あとダイターン・ハンマー。これって確かアニメでは、球体部分がグレーかミディアムブルーで、棘の部分だけレッドでしたよねぇ?
なに、この、アニメとはまったく関係ないシルバーで丸ごと塗装して、一気にこのまま雰囲気で誤魔化しちゃえ的な塗装仕様は?
ひょっとして「完全塗装済み」って「ロボット本体に限る」みたいな、そういう、なんか謎の「江川卓空白の一日」みたいなトリックがあるの?
っていうかダイターン・ザンバー。2つのパーツの分割が、刃部分の浅いところで仕切られてるけど、これ最初から「柄と刃」で分割しておけば、柄のパーツはダイターン・ジャベリンの先端パーツごと赤で塗装しておけばよかったんじゃないの?

……と、ここまではまぁ、要は「手抜きだね」で済む問題なんだけど。
今回一番「うーん」と唸ってしまったのは、ダイターン3のボディのカラーリング。

塗装済みのダイターン3のボディパーツ

青と赤と黄色と、グレーをシルバーに置き換えたマスク塗装。
うん、普通じゃない? と誰もが思うのかもしれないけれど、これ、実は間違った彩色指示図を基に彩色してるのね。

放映当時のアニメ彩色設定見本のダイターン3

これ、当時の公式のカラーリング見本なんだけど、このカラーリングのダイターン3に違和感ある人はいないだろうか?
いるはずなんだよね。
実はダイターン3は、発表された公式の彩色見本と、放映本編に登場するダイターン3とでは、上半身のボディの青のカラーリングが異なっているのだ。
この設定書のカラーリングと、それに基づいたと思われるこのキット(や、超合金魂の初版)では、ダイターン3の上半身の青部分は、腕や脚と同じ紺色で塗装されているけど、実は放映当時の決定稿と作中でのダイターン3は、胸部の青がスカイブルーで統一されていて、こっちが「本当の色」なのだ。

本編で活躍するダイターン3 胸部のブルーに注目

ついでに言えば、だから頭部の耳も同じスカイブルーなので、全てを紺色で仕上げたこのキットの彩色担当は、公式資料は見て色を決めたのだろうけれど、作品本編は一度も観たことがなかったことが伺える。
一回でも観ていたら、しでかさないミスだと言い切れるからだ。

完成させたダイターン3の上半身

なので。大河さんはガンダムカラーのMSライトブルーを使って、胸部と耳を塗りなおしておいた(あと、プラ製の額の立て物の中心のレッドも要塗装)。
「完全塗装済み」とはいったい……。

完成したダイターン3 設定画のポーズ

とりあえず、完成するにはしたダイターン3フルアクションフィギュア。
ここまで散々けなしてきておいて今更だけど、完成してみた手ごたえ自体は悪くない。

サイドビューとバックビュー

合体や変形をしない分、アニメ本編のパーツバランスがしっかり踏まえられていて、背中に大きなバックパックとウィングが広がりつつも、下半身がどっしりしている体形は理想像に近い。

肘の関節部分

関節可動は、肩の回転のみ嵌着で、後はABS樹脂製のボールジョイントで自在に動かせる。
ボールジョイントと受け側の穴がうまくすり合わせ出来ていないのか、肘関節等は少し外れやすいが、ガンプラのRGガンダム辺りのパーツポロリと比較すれば全然許せるレベル。材質がソフビなので、ドライヤーがあればすぐ奥までボールジョイントを押し込むことも出来るのもポイントが高い。

両腕の可動範囲

昨今のアクションフィギュアの、「そもそもそこまでのポーズいらねーだろ」から見ると甘い方かもしれないが、肩や股関節はダブルボールジョイントなので可動領域は確保されている。
残念なのは、ボディが固定で、腰をひねったりかがんだりが出来ない程度であろうか。

完成したダイターン3のバストショット

顔の造形、塗装の仕上がり(耳と胸のブルーの色間違い以外)は満点の出来。理想のダイターン3。

足首の可動

足首はボールジョイント内蔵なので、開脚時の接地性も良好。上でも書いたが、肩大アーマーと、脚部の白いブレードは、軟質ソフビでパーツが作られているので、こういった「二次元の嘘」の再現には非常に役立つ。

脚部前後の可動領域

この時期のロボットのアクションフィギュアで、この前後開脚性能は高い方だろう。イマドキだと、腰アーマーをスカート分割するのがトレンドだが、あくまでダブルボールジョイントを使って、腰の下から脚部を可動させて破綻のないシルエットに仕上げてある。

ファイティングポーズのダイターン3

可動の難点としては、脚部付け根のダブルボールジョイントが、脚を開く際内股になりがちだということか。この難点も、飾るときにしっかり股間を開いておけば問題はない。

オプション一覧

付属してくる武装は、ダイターン・ザンバー、ダイターン・スナッパー、ダイターン・ファン、ダイターン・ジャベリン、ダイターン・ハンマー。
ダイターン・スナッパーの軸が柔軟な素材であるのは嬉しいのだが、ワイヤーが伸びた状態しか再現されていないのと、柄の部分のパーツがなぜか黄色成型なのが理解に苦しむ。ここでも「全塗装済みってなんだっけ」という疑問が脳裏をよぎる(笑)
また、ダイターン・ウェッブとビッグ・ウェッブは付属していない。あと、ダイターン・ファンが閉じた状態の物しか付属しないのはやはり寂しい。今回の番外編で、4つのダイターン3の立体物を紹介したが「展開しているダイターン・ファン」が付属しているものは一つもなかった。
うーん。メインイメージアイテムなんだけどなぁ?
あ、ダイターン・ザンバーとダイターン・ハンマーはちゃんと塗装し直しておきました。

手首のオプションは3つ。
武器持ち手は通常の拳に穴を開けて兼用(この辺りは、ソフビ製のよいところ)

ダイターン・ファンを構えるダイターン3

指さし手首は、当然登場の名乗りの時用だろうし(今回の一枚目の再現画像)、平手はサン・アタックを放つ直前の十字構えの時用だろう。

日輪の力を借りて! 今、必殺の!

ダイターン・ハンマーを構えるダイターン3

この手のアイテムでいつも迷うのは「ハンマーの鎖を、本物の鎖で再現すると、ハンマー先端を支柱で支えないと、ハンマーがだらりと落ちた状態でしか飾れない」ということ。再現画像だといくらでもアプローチのやり方はあるのだけれども。

ダイターン・ジャベリンを構えるダイターン3

ダイターン・スナッパーを構えるダイターン3

この、武器の豊富さはありがたい。

ダイターン・ザンバーを構えるダイターン3

ダイターン・ザンバーを手にしたからには「あの名シーン」も再現せねばなるまい。

日輪の輝きを背に受けて……

基本、ソフビ製なので、武器の持ち替えも関節ポロリも、ドライヤーが必須になってくるのだが、総じて言えることは、散々文句は書いたが、完成してみれば、いやよいアクションフィギュアじゃないですかと、思わずにやにやしたくなる。
これが、変形システムを備えてるフィギュアだと、どうしても扱いがデリケートになってしまうものだが。完成後の耐久性は、場合によっては超合金魂版よりも扱いやすいのではないだろうか。

ポージングの柔軟性と自由度的には、かなりレベルの高いダイターン3フィギュアとなる

ただやはり、上から目線ではないが、初心者さんや素人さんには、このキットを無条件でお勧めはできない。
ガレージキットゆえの詰めの甘さと馴れ合い感や、ソフビキットならではの特徴をこれまでのガレキ経験で体得していれば許せもしようが、組立説明書の良くも悪くもの雑っぽさといい、逆に「どうして顧客をないがしろにするのか」を何度も考えさせられてしまう「18年前のキット」であった。

アオシマと浪曼堂。それぞれのダイターン3

2018年の今でこそ、変形、プロポーション、可動、ギミック、全てにおいて超合金魂版がオールインワンのように片付けられているのはダイターン3に限った話ではないが、今回紹介したアオシマ版も浪曼堂版も、それぞれに弱点もあるが、またそれぞれに、超合金魂版にはない長所と魅力を蓄えている名作でもある。

アニメもフィギュアもプラモデルも「昔は良かった」だけでも「最新が最強」だけでもない、それぞれの時代のそれぞれのメーカーの拘りを、個々に感じてみてもよいのではないだろうか?


(取材協力 青島文化教材社)

市川大河公式サイト

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