ウータン・クランとは。
正直、お上品なバンドではございません。
本人たちはおそらく、自分たちの人種に対する差別に対抗して、その「理不尽な怒り」を歌詞に込めているのだと思いますが、それが完全に逆説的な言葉づかいになっていて、ちょっとすごいタイトルが多くて、ここで紹介するのもはばかられるようなものもあります。
基本、ヒップホップはスラングにまみれた歌詞であり、あまりにも過激なため、当局に逮捕され牢屋に入ったメンバーもいるそうです。(1998年放送の「第6回空耳アワード」で、スチャダラパーのBOSEさんが言っていました。)
デビュー作「Enter the Wu-Tang (36 Chambers)」。

「よ、よ、嫁、ホラホラ、嫁、フマキラーついてるよ」。
ウータン・クランの作品の中ではかなりの数の空耳が生まれていますが、その中で、タモリさんが出す評価で一番高い「ジャンパー」を獲得した空耳が、「よ、よ、嫁、ホラホラ、嫁、フマキラーついてるよ」という空耳作品です。
原曲はこちら。
アルバム4曲目「7th Chamber」の冒頭です。
いきなり来ますね。
実際の空耳の初登場時には、浅草キッドの玉袋筋太郎さんが、「フマキラーつかねえよ!つくわけねえよ!」と絶叫していました。
殺虫剤の中でも一番有名ではないかと思われる「フマキラー」。
この語源は、「フライ(ハエ)」の「フ」と、「マスキート(蚊)」の「マ」をやっつける(キラー)がくっついたものらしいです。
空耳ファンは、フマキラーの缶を見ただけで、反射的にこの空耳が頭で鳴るのです。
(私だけか?)。
「ちょっと待って見してチンポコ」。
続いては、「ちょっと 待って 見して チンポコ」という風に聞こえる空耳です。
テレビの空耳画像はないのですが、上の「フマキラー」の空耳投稿者と同じ方が投稿した作品です。
2曲目の「思い知れ〇〇〇」(放送禁止用語)の中の作品です。
空耳とは、「何でこの歌詞がこんな日本語に聞こえるんだろう」と思うものが大半ですが、これはその最たるものの一つですね。
原詞は、「CAPTURE THE METHOD MAN STATURE FOR RHYMIN」らしいです。
「空耳アワード2004」で、クリス・ペプラーさんが英語で発音しても、まったく聞こえませんでした。
ウソッ、釈放?。
空耳アワーで、ウータン・クランの作品で一番最初に登場したのが、この「ウソッ、釈放?」という空耳だったと思います。
6曲目「チェスボクシンの戦い」という曲から採用されています。
原曲はこちら。
うわー!あっちか!!。
9曲目「メソッド・マン」という曲から採用されています。
これもかなり日本語に聞こえる、というか、イントネーションがいかにも「しまった!」と思った日本人の心の中の声と合っていて、面白いです。
このアルバムからは、他にも空耳作品が出ています。
他にも、5曲目「昔のことさ」から、「人間いないよ、逃げろ逃げろ逃げろ・・・」と聞こえる空耳など、動画サイトには掲載されていない曲の空耳作品がある、面白すぎるアルバムです。
ウータン・クランの魅力。
ウータン・クランの魅力と言えば、「これぞヒップホップ」という、リズムにノリノリな曲が多いということでしょう。
個人的には、それに加えて、「差別社会への反逆」の意図で入れているであろう「スラング」の連発がまたたまらなくいいですね・・・。これは確かに牢屋にぶち込まれてもおかしくないと思います(笑)。
このアルバムのみならず、ウータン・クランの作品からは空耳がたくさん出ています。
機会があれば、他の作品もご紹介していきたいと思います。
よろしければこちらもどうぞ。
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