『ガンプラり歩き旅』その61 ~番外編 はばたけ! 宇宙の勇者ザンボット3!(前)~

『ガンプラり歩き旅』その61 ~番外編 はばたけ! 宇宙の勇者ザンボット3!(前)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は前後編で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、アオシマ製プラモデル群から、『ガンダム』の富野由悠季監督の名作『無敵超人ザンボット3』(1977年)の、当時から現代に至るプラモデルを紹介していきます!


結論としては「革新的なポリキャップを全身の関節に仕込んだものの、そもそものデザインの壁に阻まれて、あまりアクション性は良くない」で終ってしまった辺り、まだまだ過渡期とはいえ、惜しすぎるという印象が強い。
ポリキャップ過渡期ゆえの残念さはそれだけではない。
実際に組み立ててみると分かるのだが、このキット、ポリキャップと、ポリキャップ埋め穴とのサイズが違い過ぎて緩すぎるので、ポリキャップが埋め穴の中で空転してしまうため、ポリキャップの一番のメリットの「関節の保持力」が殆どない。
結果、キメ技ポーズでもある「ムーンアタックのポーズ」を必死にとらせても、なんともしまりのないゆるゆるポーズに着地してしまうのであった。

必死にポーズしてみましたムーンアタック。言われないと「適当に両手を広げただらしないポーズ」に見えてしまう(笑)

また、このキットではポリキャップCとポリキャップDの2つが用意されているが、組立説明書に解釈不能な指示があり、例えば図で示したように「ポリ部品C・D」のような指示書きがあり、これが何を意味するのかが理解できない。

問題の「ポリ部品C・D」の指示。CとD、どっちを使えばえぇねん!

両方のポリキャップを2つとも埋め込めばいいのかとも思ったが、穴の深さ的に2つ同時には入らない構造。
他でも左右パーツが間違えやすいのに、組立指示図が片腕、片足しか描かれてないので、描かれてない側を組み立てるのが難しい。
とりあえず、ポリキャップの問題は、箇所単位で、CとD、どちらがハマるかを現物合わせで判断して組み立てていった。

一方、今回は小サイズとは違って、一応手持ちの武器として、ザンボットグラップと、なぜかザンボット3サイズのザンボマグナムが付属してくる。

付属してくる、ザンボットグラップとザンボマグナム

実際の作品を見たことあるならばわかる人も多いと思うが、ザンボットグラップはともかく、ザンボマグナムは本来、ザンボット3の胸の中に納まる小型ロボ、ザンボエースが使う銃器であり、ザンボット3が持ったり構えたりするものでは決してない。
しかし、後の「合体ロボット ザンボット3」でもそうなのだが、アオシマはなぜか、ザンボエース用の小型銃器のザンボマグナムを、巨大化させてザンボット3用の武装として付属させてしまいたがる癖があった。

「ザンボマグナムを手にぶら下げているザンボット3」という違和感バリバリの図

この解釈としては、まずは「ライバルのガンプラの主役、ガンダムが『剣(ビーム・サーベル)』と『銃(ビーム・ライフル)』を両方装備している。ザンボットグラップ(剣)もザンボマグナム(銃)も、実際にアニメには登場するメカなのだから、両方ともザンボット3に装備させてしまえ」で用意されたという説と「アニメ本編をあまり観ていないアオシマのスタッフが、純粋に『ザンボマグナム』というネーミングだから、ザンボット3の武装だと思いこんだ」という説が考えられるが、まぁ、何もないよりは枯れ木も山の賑わいで良いのだが、ただこのザンボマグナム、シルエットも構造も比較的設定に近くパーツ数も多いため、ポリキャップの保持力の弱い腕の拳に握らせると、まともに構えられないという哀しいオチがつく。

なんとか撮影の角度を誤魔化すなどして、水平にザンボマグナムを構えさせたザンボット3

ガンプラブーム時の、過渡期のアオシマのキットゆえか、理想やコンセプトに、完成形が追い付いていない感が強いこのキットだが、派手なポージングさえ期待しなければ、飾るだけならあの時代であれば充分の出来栄えと言ってもいいかもしれない。

がんばって、ザンボットグラップをそれっぽく構えさせてみた

やがて歳月を経て、アオシマは2010年2月に「スーパーロボットNO.10 無敵超人ザンボット3」という1/300スケールのプラモデルも出したが、こちらはプロポーションこそ近年の物だけあって最高の出来栄えだが、やはり袴鎧のせいで、腕の可動に制限が残る、惜しい商品となってしまっていた。

アニメ本編より。ザンボット3はザンボットグラップを、こう逆手に構えて戦う描写が多いので

せっかくザンボットグラップが付属しているキットなので、それらしいポーズで構えさせてみた。この角度限定で見るなら悪くない

完成品としては、丁寧に塗装をしてあげれば、かなり見栄えはよくなるはずのこのキット。

両手に武器を持っての仁王立ち。この状態であればサマになる

商品展開としてはザンボット3とイデオンだけに終わってしまったアニメスケール大サイズだが(ちなみに「光る」シリーズでいえば、後のイデプラの1/600 ガンガ・ルブが電飾を備えてラインナップに加わる)、このサイズでのダイターン3やトライダーG7も、欲しかったというのが当時の本音。

2つきりの、アニメスケール大サイズのザンボット3とイデオン

さて、次回はザンボット3編の後編ということで、アオシマの当時のザンボット3メイン商品の「合体ロボット」版と、2017年にバンダイのキャンディトイ事業部からリリースされた、最新の、完璧合体スーパーミニプラ版の2つを紹介し、徹底比較してみたいと思う!


(取材協力 青島文化教材社)

市川大河公式サイト

関連する投稿


ガンプラ45周年記念!『ガンダムウェポンズ RX-93 νガンダム編』発売

ガンプラ45周年記念!『ガンダムウェポンズ RX-93 νガンダム編』発売

株式会社ホビージャパンは、ガンプラ45周年を記念したシリーズ最新刊『ガンダムウェポンズ ガンプラ45周年記念 RX-93 νガンダム編』を2026年3月12日に発売しました。最新のPG UNLEASHEDや多彩なグレードのνガンダム作例を一挙に掲載し、ファン必携の一冊となっています。


「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

『機動戦士ガンダム』の人気パイロット小隊「黒い三連星」の3人が、メガハウスの可動フィギュアシリーズ「G.M.G.(ガンダムミリタリージェネレーション)」に登場!約10cmのサイズながら驚異の可動性とリアルな造形を両立。ガイア、オルテガ、マッシュがノーマルスーツ姿で、2026年7月下旬に発売予定です。


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


最新の投稿


斉藤由貴、バースデーを祝う初フルオーケストラツアー決定!武部聡志プロデュースで9月から3都市開催

斉藤由貴、バースデーを祝う初フルオーケストラツアー決定!武部聡志プロデュースで9月から3都市開催

ビルボードジャパンは、斉藤由貴初となるフルオーケストラコンサートツアーを2026年9月より開催する。名匠・武部聡志プロデュースのもと、彼女のバースデーアニバーサリーを祝う特別なステージを展開。兵庫、東京、神奈川の3都市のプレミアムな音楽ホールを巡り、時代を超えて愛される名曲群を鮮やかに届ける。


世界が熱狂!杏里の北米ツアー最終公演レポが到着、シティポップがリアルなカルチャーとして根付いた夜

世界が熱狂!杏里の北米ツアー最終公演レポが到着、シティポップがリアルなカルチャーとして根付いた夜

アーティスト・杏里の北米ツアー「ANRI LIVE 2026 U.S.A Timely!!」の最終公演が、2026年5月21日にロスアンゼルスの名門劇場「ザ・ウィルターン」で開催された。チケットは早々にソールドアウト。海外の熱いファン2300名が詰めかけ、日本語の大合唱が巻き起こるなど、感動の一夜となった。


ハッピーターンが初のアニバーサリーブック化!宝島社からパッケージ再現ポーチ付きで全国発売

ハッピーターンが初のアニバーサリーブック化!宝島社からパッケージ再現ポーチ付きで全国発売

株式会社宝島社は、亀田製菓のロングセラースナック「ハッピーターン」を祝し、初となる公式アニバーサリーブックを全国発売します。特別付録には、おなじみのパッケージデザインをモチーフにした、チャーム付きのここでしか手に入らないユニークな限定リアルポーチが登場します。


ガリガリ君45周年×ポケモン30周年!限定パッケージの「大人なガリガリ君もぎたてぶどう」が発売へ

ガリガリ君45周年×ポケモン30周年!限定パッケージの「大人なガリガリ君もぎたてぶどう」が発売へ

赤城乳業株式会社は、ガリガリ君45周年とポケモン30周年を記念し、限定パッケージの「大人なガリガリ君もぎたてぶどう(6本入り)」を全国発売します。あわせて、抽選で合計1,000名様に「ポケモン・ガリガリ君冒険グッズ」が当たる特別なタイアップキャンペーンも同時開催いたします。


開園30周年のナンジャタウンが今夏大幅リニューアル!「お祭り」をテーマに新アトラクションが登場

開園30周年のナンジャタウンが今夏大幅リニューアル!「お祭り」をテーマに新アトラクションが登場

株式会社バンダイナムコエクスペリエンスは、屋内型テーマパーク「NAMJATOWN」が2026年7月6日に開園30周年を迎えることを記念し、今夏に大幅リニューアルを実施します。ファンへの恩返しとして「お祭り」をテーマに掲げ、複数の新アトラクションを導入します。