荒井由実の名盤『ひこうき雲』を井上陽水らで再現したライブが開催!5/13(日)にWOWOWで放送!
日本の音楽シーンにロック、ポップスが定着してどれくらいたっただろうか? 名盤と言われるアルバムの魅力を改めて知り、その良さを次の世代につなげていくという趣旨で音楽プロデューサー武部聡志が企画立案したイベント「PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS」の記念すべき1回目が行われた。今回の主人公は、荒井由実と彼女の1stアルバム『ひこうき雲』。
リリースから45年たった今でも色あせない名盤中の名盤だ。イベント発表と同時に音楽ファンの間で話題となり、チケットがソールドアウトとなった、まさに一夜限りのプレミアムライブ、目撃できた人は、歴史の証人となったと言っても過言ではないだろう。

全員集合
約8,000人が詰め掛けた会場が暗転すると、ナビゲーターの中井美穂が登場、やさしいメロディーのような語り口に、もう別世界に入り込んだような気分になる。
イベントは3部構成で、1部は6名のゲスト・アーティストが『ひこうき雲』に収録されている曲を中心に、思い思いの表現でカバーするというもので、カバーを超えて自分の曲のように歌うアーティストたちの表現力と、ユーミンの楽曲が持つ普遍性を改めて思い知らされた。
そして何より、次世代、そのまた次の世代のアーティストのなかに、ユーミンの音楽がきっちりと根を生やし、芽吹き、大きな実をつけている姿が確認できた。

ライトミュージック 1973年11月号 荒井由実「ひこうき雲」アルバム告知
2部は、このイベントのメインディッシュともいうべきパート。荒井由実&ティン・パン・アレーにアディショナル・キーボードとして武部聡志が参加して、『ひこうき雲』収録曲のいくつかを披露するパート。
「荒井由実が乗り移ったように緊張している(笑)」と言っていたユーミンだが、決して再現ではなく、今のユーミン、ティン・パン・アレーの音を聴けたという点で貴重なライブだった。そしてさらに驚きのセッションが実現。
なんと、井上陽水が登場したのだ。井上陽水とユーミン、これまであったようでじつはなかった、初めての歴史的コラボレーションが実現した。彼がアレンジした「空と海の輝きに向けて」は、夢のような時間だった。

井上陽水とユーミン
最後となる3部は、ゲスト・アーティストが入れ替わり立ち替わり登場し、ユーミンと歌う“その後の荒井由美”。ユーミンの音楽的変遷を豪華セッションで辿れる超贅沢な企画だ。
曲間がメドレーのようにつながり、まるでDJがスピンしているようでもあり、最後に全員で歌った「恋のスーパー・パラシューター」は、ワクワクする“土曜の夜”をきらびやかに演出してくれた。
まるでベスト盤のような選曲に、思わず45周年ベストアルバム「ユーミンからの、恋のうた。」(4月11日リリース)のツアーの話に。まさにベスト・オブ・ベストな内容になるということで、そちらも楽しみだ。
アンコールは、ユーミン&武部聡志で、「やさしさに包まれたなら」を披露。ふたりだけの歌とピアノが終わり、アナログレコードから針を外して回転が止まるような余韻が会場を包んだ。
名盤を探訪し、連綿とつながるアーティストの系譜を感じる旅のようなスペシャル・イベント、レポート冒頭にその場にいた人は「歴史の証人」となったと言ったが、このイベントを体験できる機会が決まった。5月13日(日)、WOWOWのオンエアで、ぜひ体験してほしい。
取材・文:谷岡正浩

ユーミンとオールゲスト

久保田利伸

原田知世
名盤『ひこうき雲』
1973年11月20日に発売された荒井由実(ユーミン) の1stアルバム。
アルバム内の楽曲「ひこうき雲」は、1973年11月5日発売の2枚目のシングル「きっと言える」のB面曲だった。
夫である松任谷正隆は、この曲のサビ部分(空を〜かけてゆく〜♪)のコード使いの意外性に驚き結婚を決めた、と冗談交じりに語っている(普通なら Gm7→B♭7→A♭M7 がセオリーであるが、真ん中の B♭7 をやめ、B♭m7 を選択している)。
また、2000年4月26日にはLPのブックレットを復刻し、バーニー・グランドマンによるデジタルリマスタリングで音質を大幅に向上したリマスタリングCD(TOCT-10711)が発売されている。

2000年の復刻版
WOWOW番組情報
「PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS
荒井由実「ひこうき雲」 Produced by 武部聡志
家入レオ/久保田利伸/JUJU/原田知世/横山剣/YONCE/ティン・パン・アレー他共演」
2018年5月13日(日)夜 WOWOWライブで放送
※詳細は番組サイトへ→http://www.wowow.co.jp/s_f/
松任谷由実 45周年記念ベストアルバム 「ユーミンからの、恋のうた。」
2018年4月11日(水)発売
【初回限定盤A】 3CD+Blu-ray+ブックレット <UPCH-29291 \4,500(税抜)/ \4,860(税込)>
【初回限定盤B】 3CD+DVD+ブックレット <UPCH-29292 \4,000(税抜)/ \4,320(税込)>
【通常盤】 3CD+ブックレット <UPCH-20479/81 \3,400(税抜)/\3,672(税込)>
※CD3枚組45曲収録
※ユーミン直筆 恋のうたの "備忘録" 108Pブックレット
※アリーナツアーチケット最速先行予約シリアルコード封入 (3形態共通)
※初回限定盤A/B:特典映像「観るベスト YUMING SUPER PERFORMANCE 2」(A: Blu-ray/B: DVD)
豪華仕様ブックレット/スリップケース仕様
★今回のライブで演奏された下記の曲も収録されています!
「雨の街を」 原田知世 *1stアルバム「ひこうき雲」収録曲 (1973年)
「雨のステイション」 横山剣 *3rdアルバム「COBALT HOUR」収録曲 (1975年)
「きっと言える」 JUJU *1stアルバム「ひこうき雲」収録曲 (1973年)
「雨の街を」 久保田利伸 *1stアルバム「ひこうき雲」収録曲 (1973年)
同時発売されるBlu-ray/DVD「松任谷由実CONCERT TOUR 宇宙図書館2016-2017」もオススメ!
ユーミン史上初のベスト選曲による全国アリーナツアー
松任谷由実ベストアルバムツアー「45年分の、恋のうた。」 開催決定!
9 月22 日(土) 岩手県・盛岡タカヤアリーナから 2019 年 4 月 7 日(日) 神奈川県・横浜アリーナまで、14 会場 29 公演を行う。
今ツアーは2006 年開催の「THE LAST WEDNESDAY TOUR 2006~HERE COMES THE WAVE~」以来、12 年振りのアリーナツアーとなり、総動員数は 27万人を予定。
公式サイトへのリンクはコチラ
Yumi Matsutoya Official Site 松任谷由実 オフィシャルサイト
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