第10位 八代将軍吉宗‐1995年放送 平均視聴率26.4%
当時、大河ドラマブランドは輝きを失いかけていました。1993年の『琉球の風』より始まった「大河ドラマの短期化計画」が不調で、1994年の『花の乱』に至っては、史上最低となる視聴率平均14.1%を記録。この悪い流れを断ち切るべく、NHKが「原点回帰」とばかりに、満を持して制作したのがこの『八代将軍吉宗』です。
原作・脚本は後述する『独眼竜正宗』を手掛けたジェームス三木、音楽は同じく『独眼竜正宗』『峠の群像』などを手掛けた池辺晋一郎、主演は『山河燃ゆ』『翔ぶが如く』と数えて3度目の主演となる西田敏行…。もはや「鉄板」といっていい盤石の陣容です。その結果、見事に高視聴率を記録し、大河ドラマの立て直しに成功したのでした。

八代将軍吉宗
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第9位 いのち‐1986年放送 平均視聴率29.3%
2019年放送予定の『いだてん~東京オリムピック噺~』。大河ドラマとしては珍しい近現代史を扱う作品として早くも注目を集めていますが、同作から実に33年も前につくられた近現代史をテーマにした大河ドラマが、この『いのち』です。
脚本は、80年代、『おしん』『おんな太閤記』など、NHKで高視聴率ドラマを連発していた橋田壽賀子が担当。本作は『山河燃ゆ』『春の波涛』と続いた「近現代史3部作」最後の作品であり、前の2作品が視聴率的に不調だったことを受けて、当時ノリにノッていた橋田先生にご登場願ったというわけです。結果、三部作の中で傑出した視聴率を叩きだし、近現代史3部有終の美を飾ったのでした。

いのち
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第8位 秀吉‐1996年放送 平均視聴率30.5%
1965年の『太閤記』以来、31年ぶり2作目の豊臣秀吉主人公の大河がこちら。主人公・秀吉をつとめたのは竹中直人。竹中以外にも、織田信長役の渡哲也、おね役の沢口靖子、明智光秀役の村上弘明、豊臣秀長役の高嶋政伸、千利休役の仲代達矢など、実力派揃いのキャスティングが功を奏し、傑出した視聴率を叩きだしこととなります。
また、秀吉が劇中で度々言っていた「心配御無用!」というセリフが当時の流行語にもなりました。

秀吉
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第7位 徳川家康‐1983年放送 平均視聴率31.2%
江戸幕府を起こした天下人でありながら、同時代に生きた信長・秀吉と比べてキャラ起ちしていないため、意外と時代劇の主役には据えられない徳川家康。そんな不遇な家康を真正面から描いたのが、この1983年の大河ドラマ『徳川家康』です。小説家・山岡荘八の原作を下敷きに、『3年B組金八先生』で知られる小山内美江子が脚本を担当した同作は、正統派時代劇といった趣でたしかな人気を獲得しました。
注目は織田信長役を演じた、当時俳優デビューしたばかりの役所広司。この時の好演がきっかけで役所は、NHK新大型時代劇『宮本武蔵』やテレ朝の『三匹が斬る!』シリーズに抜擢されて、人気俳優の名を欲しいままにしていきました。

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第6位 太閤記‐1965年放送 平均視聴率31.2%
やはり日本人は「立身出世もの」に弱いのか、第8位の『秀吉』に続き、またも豊臣秀吉メインの作品がトップテンにランクイン。同作における秀吉役は緒形拳。この28年後に息子の緒形直人が、大河ドラマ『信長KING OF ZIPANGU』で秀吉の主君である主人公・織田信長役に抜擢されたことを考えると、感慨深いというものです。

太閤記
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第5位 おんな太閤記‐1981年放送 平均視聴率31.2%
こちらも秀吉絡みの作品です。脚本はこれが大河初挑戦となった橋田壽賀子がつとめました。秀吉の正室・高台院(ねね)の視点から描いた戦国時代劇は、これまで男性メインで展開することが多かった大河ドラマに新風を巻き起こし、主に主婦層を中心に人気を獲得。西田敏行扮する秀吉がねねを「おかか」と呼ぶ二人称は当時の流行語となりました。

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第4位 赤穂浪士‐1964年放送 平均視聴率31.2
冬場になるとよくスペシャルドラマや映画として公開される忠臣蔵。日本人にとってもっともなじみ深い時代劇の一つといえるでしょう。
大河ドラマとしては、同シリーズ第2作目で登場。物語の沸点・討ち入りの回では、いまだ破られることのない大河史上最高となる、視聴率53.0%を獲得したことでも知られています。

赤穂浪士
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第3位 春日局‐1989年放送 平均視聴率32.4%
橋田先生の何がすごいって、手掛けた大河ドラマすべてが、視聴率トップ10にランクインしているところ。しかも、すべて原作なしのオリジナル脚本だから恐れ入ります。この大原麗子主演の「春日局」にしてもそう。昭和天皇崩御による放送延期、出演者の死など、度重なるアクシデントに見舞われながらも、回を増すごとに視聴率は上昇し、橋田大河ラストを飾るにふさわしい好成績となりました。

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第2位 武田信玄‐1988年放送 平均視聴率39.2%
人気の大河ドラマのセリフが流行語になるのは、よくあること。この大河ドラマ『武田信玄』でも、信玄の母が毎話の締めくくりに言う「今宵はここまでに致しとうござりまする」というセリフがその年の流行語大賞に輝きました。
武田信玄役をつとめたのは、中井貴一。あの福福しい荒武者然として信玄の外見とあまりにも自分の見た目が乖離していることや、脚本家・田向正健との確執などで悩み苦しんだ甲斐あって、視聴率が歴代2位となる平均39.2%をたたき出しました。

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第1位 独眼竜政宗‐1987年放送 平均視聴率39.7%
世界の渡辺謙の出世作として、あまりにも有名な『独眼竜政宗』が堂々の歴代1位です。大河ドラマ公開によって、そのゆかりの地が活況を呈する「大河バブル」の元祖となった同作。また、現在の二次創作ゲーム・アニメなどに登場する「クールな伊達政宗像」は、この大河ドラマから形作られたといっても過言ではないでしょう。

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(こじへい)