チョー・ヨンピル、キム・ヨンジャ、ケー・ウンスクなど日本で活躍した韓国人歌手列伝

チョー・ヨンピル、キム・ヨンジャ、ケー・ウンスクなど日本で活躍した韓国人歌手列伝

去年(2017年)のNHK紅白歌合戦に出場していた「TWICE」を初め、ちょっと4~5年前までは、「少女時代」、「KARA」、「東方神起」、「BIG-BANG」などの韓流歌手(いわゆるK-POP)が隆盛を極めている日本のミュージックシーンだが、これまで来日し、日本で売れている韓国の歌手やタレントは日本語も流暢で、外国人という違和感がすっかりない感じで、日本の芸能界にすんなりと溶け込んでいるように見える。そんな日本で活躍した韓国人歌手を振り返って見ましょう!!。


戦後70年以上も月日が経ったが、日本と韓国の間にはさまざまな問題(領土問題、歴史問題、在日問題、反日・嫌韓などなど)が横たわっています。しかし、韓流やK-POPといった文化交流は、これらを超越して交流できる可能性があると期待しているのは私だけでしょうか??。そこで今回はミドルエッジをご閲覧頂いておられる方々にも韓流歌手たちの歴史を紐解くことで、今まで見えなかった日韓関係の側面を発見していきたいと思っている次第である。

韓流音楽を理解するのに必要な基礎的な知識!!

第二次大戦前

日本における韓流音楽を考えるうえで重要なのが、韓国の「トロット」音楽の存在であろう。韓国の「トロット」とは日本の「演歌」と似たり寄ったりと考えれば良い。
日本の「演歌」と韓国の「トロット」との関係はかなり古く、大正時代にまで遡らなくてはならない。
1910(明治43)年、大日本帝国が大韓帝国を併合して以降、日韓内での人的往来が活発化し、その中には芸能関係者も多数含まれていた。大正時代に日本のレコード会社は、韓国市場に向けて朝鮮語によるレコードを発売を行っている。そして、昭和に入ってから本格的に韓国市場の開拓に乗り出す。1928年にビクター、1929年にコロムビア、1931年にポリドール・タイヘイレコードが進出し、トロットのレコードが発売されていった。
ちなみに、演歌の作曲家として名声をほしいままにし、美空ひばりを始め、多くの歌手に曲を提供した古賀政男(当時は日本コロムビア所属)は、幼少期に韓国の京城で中学・高校に通っていて、古賀メロディーの原点が韓国の「トロット」ではないかとする説もある。
また、人気歌手であった日本のディック・ミネも三又悦(サムヨル)名義で韓国語のジャズナンバーを発表している。

韓国内ではさまざまなトロットのヒット曲が出ますが、張世貞(チャン・セジョン)の『連絡船の歌』のように、日本統治への反発を込めた歌などもヒットしたこともあるそうだ。
しかし、太平洋戦争の戦局が悪化する頃は、日本当局の介入が激しくなり、歌どころの騒ぎではなくなった。

第二次大戦後

1945年8月15日、日本は連合国に降伏したことにより朝鮮半島は日本の統治より開放され、1948年に38度線の南側に大韓民国が樹立されたが、初代大統領の李承晩(イ・スンマン)がめちゃ反日で、『酒は涙か溜息か』のような日本ルーツの楽曲も含めて、日本文化をすべて発禁にしてしまったのだ。勿論、闇サイドでは日本製のレコードなどが高く売られていた。ただ、公式的にはしばらく日韓の文化交流は断絶しまった。

李 承晩(り・しょうばん、イ・スンマン 1875年3月26日 - 1965年7月19日)は、朝鮮の独立運動家で、大韓民国の初代大統領(在任1948年 - 1960年)。本貫は全州李氏。号は「雩南」(ウナム、우남)。字は「承龍」(スンニョン、승룡)。

李 承晩 大韓民国 第1-3代大統領

日韓国交正常化に伴い、音楽も交流再開!!

韓国で軍事クーデターを起こして李承晩政権を倒し、日本に日韓協定の締結と経済支援を働きかけた朴正煕大統領が1965年に日韓国交正常化が実現させた。これもアメリカが強く後押ししたためではないかと思われるが、とにもかくにも日本と韓国が色々なことで交流が再スタートした。

力で権力掌握をしたが、結局最後は部下に暗殺されてしまった!!。

朴正煕 大韓民国 第5-9代大統領

イ・ソンエ

勿論、音楽交流もそれから10年以上たった1977年、日本に渡ってきた李成愛(イ・ソンエ)が『カスマプゲ』(胸がせつない)をヒットさせ、人気歌手の一員となった。日本では人気が出た韓国人歌手第1号になった。

チョー・ヨンピル

続いて活躍するのがチョー・ヨンピル(趙容弼)だった。彼は1987年~1990年の4年連続で紅白歌合戦に出場を果たしている。また、彼のヒット曲『釜山港へ帰れ』はいろいろな演歌歌手によるカバーも大ヒットしたことも私の記憶にちゃんと残っている。

チョー・ヨンピルは日本では演歌歌手というイメージで知られているが、韓国ではロックからバラード、トロット、民謡まで様々なジャンルをこなす「国民歌手(クンミン・ガス)」として有名。ニックネームが「歌王」と呼ばれるほど、韓国の大衆文化界で圧巻の位置を占めている。ヒット曲「釜山港へ帰れ」は、以前から存在する名曲をロック調のリズムでアレンジし、新たな魅力を加えたものである。「永遠のオッパ(お兄さん)」などの愛称もある。

キム・ヨンジャ

チョー・ヨンピルにちょっと遅れて活躍しだしたのが、一番最初に紹介したキム・ヨンジャだ。
彼女は1988年、ソウルオリンピック讃歌「朝の国から」をソウルオリンピック閉会式エンディングセレモニー会場のメインスタジアムにて10万人観衆の前で歌唱し、「朝の国から」を引っさげて日本に渡りヒットさせた。

ケイ・ウンスク

ケイ・ウンスク(桂 銀淑)も日本で活躍した韓国人歌手ですが、あまりに波乱に満ちた人生を送った歌手の一人だろう。

しかしその後があまりにも酷すぎた。2億5500万円という巨額の借金を巡って所属プロと衝突し、契約を打ち切られ、事務所からは返済を求める裁判を起こされ、これが原因でテレビの露出はゼロになってしまう。さらに夫とは離婚し、更年期障害やうつ病に苦しみ、こうした心労が原因になったのだろうか、覚せい剤に手をだし2007年に現行犯逮捕されてしまうのだった。これにより、日本からの国外退去処分を受け、現在は韓国に戻っているという。韓国でも2015年6月24日に、またも覚せい剤使用容疑で逮捕されてしまう。もうどうしようもありませんがな!!

BoA

隆盛を極めた韓国演歌(トロット)の人気はしだいに凋落し、90年代以降は若者が好むポップスが台頭します。こうした動きは日本と同様だろう。そして、これが現在のK-POPにつながっていくのだ。
日本で活躍できる人材を育成するため、ある小学生をスカウトされる。彼女には2年をかけて歌にダンスに、そして英語と日本語まで厳しくレッスンさせた。その結果、歌って踊れて日本語でトークもできるハイスペックのアーティストが誕生します。それがBoAでした。

私はBoA以降ははっきり言ってどいつもこいつも同じように見えてしまい、誰が誰だか分からないのだが、やっぱり年ですかね!?

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