【訃報】ラッパーECDさん死去。日本語ラップ黎明期から活躍
日本においてヒップホップがまだ認知されていない頃から活躍し、草分け的存在だったラッパーのECD(本名・石田義則)さんが24日、急性呼吸不全のため死去した。
2016年に大腸と食道に進行性のがんを患っている事を公表していた。57歳だった。

ECD(本名・石田義則)さん
80年代に人気を集めたアメリカのヒップホップグループ「RUN D.M.C.」の初来日公演を見て、ラッパーになることを決意した石田さん。1989年にヒップホップのイベント「CHECK YOUR MIKE」を主催し、1996年には日比谷野外音楽堂で行われた「さんピンCAMP」を主催するなどプロデューサーとしてもシーンに影響を与えた。
「さんピンCAMP」では、ブッダブランドやシャカゾンビ、YOU THE ROCKなど、当時の日本語ラップシーンを代表するラッパーが数多く参加。同ライブは日本のヒップホップシーンにおいて初の大型イベントとされ、土砂降りの雨の中行われたライブは伝説的な扱いをされる事が多い。
また、ラッパーとしても1992年発売のアルバム「ECD」をはじめ、「Big Youth」(1997年)「Melting Pot」(1999年)、「Don't Worry Be Daddy」(2012年)といった傑作を生みだした。
Twitter上では、同じく日本語ラップの黎明期から活躍しているZeebraが「常に新しいヒップホップを表現した石田さんは一生FRESHでした。ご冥福をお祈りします。」と#ecd4everのハッシュタグ付きで投稿している。また、DJ HASEBEも90年代初期の石田さんとの思い出を語るなど、故人を偲んだ投稿が相次いでいる。
近年の石田さんは反原発、反差別を掲げた運動も行うなど作家としても活動していた。