『ガンプラり歩き旅』その47 ~特別企画・1 1/144 歴代コア・ファイター全機集合!~

『ガンプラり歩き旅』その47 ~特別企画・1 1/144 歴代コア・ファイター全機集合!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第47回は、過去から現代に至る間に、発売されたキットに付属していた、1/144 コア・ファイターを全て揃えて紹介する特別企画です!


1/144 RGガンダム コア・ファイター

究極のコア・ファイター? リアルグレード版!

ここまで1981年(GA版)、ブースター版(1982年)、1990年(初代HG版)、2001年(HGUC版)と、ほぼ10年ぶりずつのペースでリファインされてきた1/144 コア・ファイターなのであるが、やはり次にキット化されたのは、ほぼ10年スパンに近い、2010年7月発売のRGガンダム付属のコア・ファイターであった。ここではこのコア・ファイターを「RG版」と呼ぶことにする。

RG版は、RGガンダム自体が20年ぶりの初代HGガンダムのリベンジガンプラというのもあって、そこで付属するコア・ファイターも、初代HG版同様にコア・ブロックに変形して、RGガンダム腹部内に変形する。

しかし、さすがに今回は2010年の最新技術が惜しみなく投入されただけのことがあって、垂直尾翼以外全パーツ色分け済み(むしろ、RGガンダム全体で、武装含みこの垂直尾翼「だけ」色分けされていなかったことは、残念過ぎる“画竜点睛を欠く”であった)。その上で、コア・ブロックへの変形も、しっかりコクピットキャノピーが、コクピット後部のブルーのブロックに後退収納されるギミックが、1/144 コア・ファイターにおいて初めて実現された革新的な設計と構造である。

単純に、コア・ファイターがギミック込みの戦闘機であることを考えると、以前この連載でも紹介した、このRGガンダムの翌年の、2011年2月に発売された、1/35 U.C. HARD GRAPH版コア・ファイターでもそうであったように、コア・ブロックへの変形が必須ギミックになったといっても過言ではないのだろう。

変形で生じることが宿命の「二次元の嘘」に関しては、1/100 MGガンダムの最新版などでは、コア・ファイターのボディの薄さと、その幅と一致しなければいけない主翼の幅の長さとの矛盾を解決するため「コア・ファイターは、コア・ブロックに変形する際は、一度主翼がスライドして縮み、その状態からボディへ向けて畳まれる」という、新解釈ギミックが導入されている。

こういったギミックは、他でも最新のGスカイイージーのガンプラで「コア・ファイターの幅と、Gスカイ用Bパーツの幅が(コア・ファイターのサイズ設定が、ガンダムの腹部へのかぶせ式になった関係上)違い過ぎるので、Bパーツとコア・ファイター背部との間に、謎のスペーサーパーツを挟み込む」というような事例も、ガンプラ全体で散見されている。

ただ、そういう事情を察しつつ、2010年代ならではの「究極」ゆえのRG版に、だからこそあえて厳しい評価をするのであれば、キャノピーのクリアパーツ化は嬉しい限りだが、HGUC版よりはカーブ型へとアニメ設定に形状は近づいたのだが、このスケールでキャノピー収容を再現したため、プラ素材の厚みの限界論で、設定画や初期HG版までは存在しなかった「ブルーのカバーと、コクピットキャノピー部分の段差」が、HGUC版以上に厚みがあって、全体のシルエットとスケール感を損なってしまっているのではないだろうか。

GA版をあえて省いて、コア・ファイター単独としてキット化された4種類

こうして並べてみると、やはり歴代コア・ファイターの評価の仕方には2種類があって、一つは初代HG版とHGUC版との間の境目にある「リファインデザイン、以前・以降」と、初代HG版とRG版と、それ以外との「変形ギミック、有・無」とである。

非変形タイプのブースター版とHGUC版との比較

ブースター版とHGUC版を並べて比較してみると、「とことん、アニメの単独デザインに近づけたブースター版」と「現代風リファインと、変形システムをデザイン構造論に転化させたHGUC版」という比較が成り立つ。
これは本当に、手にする人の思い入れ次第であり、単純な優劣はつけられない。
サイズが小さく、しかもオマケという存在性も手伝うので、塗装の手数もそうそう変わらないレベル。
こればかりは、手に取る人の世代、好み、求め方で、双方に上下の差異はないと思われる。

コア・ブロック変形版の、初代HG版とRG版

この2つは、それぞれ1990年、2010年の最新のテクノロジーが注ぎ込まれつつ、コア・ブロックへの変形という、一見簡単だが、細部まで整合性を取ろうとするとかなり困難なクエストに挑戦した苦心の跡が伺える両雄であり、もちろん純粋な技術論で比較するなら、RG版の方が全てにおいて秀でているのだが、RG版はむしろ、「二次元の嘘を解消するために、デザインに手を加えた」感が大きく、そういう意味ではアニメデザインのままの変形に、果敢に挑戦した初代HG版の完成度も評価したい。

コア・ブロックに変形した、初代HG版(左)とRG版(右)

双方を、コア・ブロックに変形させてみると、さすがにコクピット収納のシステム論など、RG版の方にリアリティ、カッコよさ、アニメに忠実度の軍配は上がる。
もっとも、両者で同じスケールなのにコア・ブロックの大きさに差異があるのは、双方ともに、初代HG、RGのガンダムの腹部に収納される前提なのであるが、同じスケールのガンダムでも、RGはコア・ブロックを収納しつつ、腹部の可動ギミックを確保するために、許されるコア・ブロックの大きさが制限されてしまうのだ。
しかし、コア・ファイター状態では違和感を感じさせていたRG版のコクピットキャノピーの段差が、コア・ブロックに変形すれば逆に効果が大きいというのも、いろいろ考えさせられる問題であろう。

全コア・ファイターのリアビュー

最初に記したように、1/144 コア・ファイターは、単独でキット化されることは皆無で、必ずガンダムやGアーマー、コア・ブースターの付属物として商品化されるため、GパーツやガンダムのBパーツと接続することがギミックになっている商品が多い。
そのための接続はピン・ダボ方式で、コア・ファイターのロケットノズルが接続ダボになっているケースがほとんどで、なのでここで並べたコア・ファイターキットのリアビューでも、メインノズルが開口されている仕様が殆どである。
むしろ、初キット化であるGA版が、Gパーツとの接続が機体後部ブロックをGパーツでホールドする仕様なので、ノズルが開口されていない方が珍しいと言えるだろう。

ガンプラ史上、初めてのキット化と、現代最新のキット化の、コア・ファイター両者

ガンプラ史上、初のキット化となったGA版と、現状の最新盤であるRG版とが、同じ1/144でも、もっとも大きさに差異があるという現実が面白くも多々考えさせられる現実である。
確かにGA版の大きさも「あり得ない」が、かといってRG版の小ささも「ガンダムの可動優先の犠牲」とも言えるからだ。

「コア・ファイターの正確な1/144」とは、いったい何なのか。追い求めることに意義はあるのか。いったい、歴代のコア・ファイターキットの、どれが「正解」に近いのか。
それはガンダムやザク以上に、キットを選ぶ人の中にしかないのかもしれない。

市川大河公式サイト

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