広島カープ【大野豊さん著】「カープ”投手王国”再建へ」で語る広島投手陣

広島カープ【大野豊さん著】「カープ”投手王国”再建へ」で語る広島投手陣

2016年、2017年と2年連続でセ・リーグを制覇した広島カープ。その3年前(2013年)に、広島のレジェンドと言われる大野豊さんが本を書いておられます。NHK解説者も務めた物腰の柔らかい文章ながら、問題点をずばっと予期していました。その本から少しご紹介します。


今回は、こちらの書籍を参考にさせていただきました。

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大野豊投手。

大野豊投手のカード。

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大野さんから見た北別府さんと川口さん。

北別府さん。

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川口さん。

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川口さんはこんなDVDまで出しています。

「川口和久の右脳的ピッチング術」。

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かつて「投手王国」と呼ばれた広島カープ。
敬称略でいくと、北別府、川口、大野、山根、金石、川端、長冨、白武、清川、そして津田・・・。
打力があまりよろしくなかったので、これらの投手が、味方の援護をじっと待ちながら抑え続け、1対0とか、2対1で勝つという、玄人好みのような野球をしていたことを覚えています。
では、今回の著者、大野さんは、先発三本柱といわれた、北別府さんと川口さんをどう見ているのでしょうか。

「エースの中のエースは北別府さん」。

北別府さんは大野さんより2年年下ですが、高卒ルーキーとして入ったので、プロでは大野さんより1年先輩です。
92年7月にはプロ野球史上22人目、カープのピッチャーとしては(日本球界のみでは)唯一の200勝投手となりました。(2016年に日米通算で黒田さんが200勝を挙げています。この本は2013年出版なので、この時点ではカープ唯一。)
カープの歴史の中で、エースの中のエースは、北別府さんをおいてほかにはありません、と述べています。

針の穴をも通すコントロール。

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北別府さんは、正確無比なコントロールを誇り、大野さんも、数多いプロ野球のピッチャーでもトップではないか、と述べています。
「球が速いだけがピッチャーではない」と、北別府さんは主張していたそうです。
また、常に冷静ながら、芯の強さ、負けず嫌いな性格であったそうです。
剛腕投手にありがちな、インコースにスピードボールを投げ込むことが攻めという考え方ではなく、変化球で、緩急をつけながら追いこんでいく。そういう投手だと述べています。
また、フォームがバランスよく、無駄な力が入らないので、コントロールにもブレが生じにくく、ケガにつながることも少ない。
また、バッティングも得意としていて、若手の手本でもあると大野さんは称賛しています。

荒れ球で三振を取りまくる川口さん。

北別府さんと正反対のタイプのピッチャーが、川口さんでした。
「ピッチャーはコントロールよりもスピードとパワーだ」と言わんばかりに、全身を使って勢い良く投げるパワフルなピッチャーだったそうです。
フォアボールも多かったのですが、気にすることもなく、その後を抑えればいいという考え。
まさに北別府さんと正反対です。
よく川口さんの投球は、「ボールの行先はボールに聞いてくれ」と呼ばれていたのを覚えていま
す。
荒れ球でバッターからすれば目標を定めにくく、またパワーもあったので、最多奪三振を87年、89年、91年と3回記録しています。そして95年9月には史上14人目となる2000奪三振も達成しています。

荒れ球も個性として育てたチーム。

ボールの行方はボールに聞いてくれ!!。

野球ボールのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

とはいえ、フォアボールが多いと、守っている野手は疲れてしまうという問題もあります。
しかし、川口さんにコントロールを重視させると、ボールを置きにいって、スピードが落ちてしまう可能性もある。それでは川口さんの荒れ球の「魅力」が消えてしまう、という意識がチームにはありました。
頭脳派の監督であれば、最小限の力で最大限に勝つことを優先するため、コントロールを重視するのでしょうが、当時のカープは、選手の個性をさらに伸ばす方針を取っていました。
それにうまく乗り、三本柱の一人になったということです。

投手王国再建へ向けて。

投手王国の再現なるか。

お城・キャッスルのイラスト(西洋) | かわいいフリー素材集 いらすとや

80年代のカープのような「投手王国」は、その後のプロ野球でもあまり見たことがありません。
カープで言えば前田健太さん、また楽天の田中将大さんなど、絶対的なエースに加え脇を固めるピッチャーがいて、何より打撃重視の方向に進んでいるようにも見えます。
「投手王国」と呼ばれた裏側には、「打撃はあんまり・・・」と言う時代が、広島カープにはありました。

「総合力で1位」だが、やや打撃優位か、今のカープ。

時代は変化し、最近は特に投手の分業化が進んでいます。
広島カープではジャクソン、今村、中崎へとつなぐまでが先発の仕事、というようになっています。
広島の今の魅力は、80年代の黄金時代とは真逆のようです。
先発投手が多少打たれても、それ以上にバカスカ点を取り、逆転勝ちが多いのが特徴です。
スタジアムで応援するファンにとっても、そちらの展開のほうが盛り上がり、その結果カープの人気もうなぎのぼり、いや、鯉の滝登りのようになっています。

投手はそこそこ、守備、打撃と総合力で、2016年と2017年のセ・リーグを制覇した広島カープ。
しかし、2016年は日本シリーズで、2017年はCSでそれぞれ4連敗と、日本一を目指すチームとしてはまだまだというのが、ファンの欲深いところです。

打撃はOKとして、大野さんは現役のピッチャーにこのような期待をしています。

野村祐輔投手。

ノムスケこと野村祐輔投手。

広島カープまつり2017 広島東洋カープ19 野村祐... - ヤフオク!

新人王を取った野村祐輔投手には、このような評価をしています。
「下半身が実に安定しており、コーチが教える手間が省ける。また、決め球が特になく、すべてのボールを巧みに使いこなし、コントロールを重視しながら緩急とキレで勝負している。性格はおっとりして穏やかで、非常にマイペース」と評価しています。

コントロール重視という点では、北別府さんの再来という雰囲気があります。
しかし、闘志を秘め、審判とケンカもしたという北別府さんに比べると、穏やかな性格が仇になっているのかな、という気もします。
野村投手は、甲子園で審判の判定に苦しみ、優勝を逃してしまうという経験を持っています。
その経験から、「審判と争っても仕方ない」というマインドを生み出しているのかもしれません。

審判の微妙な判定に抗議せず、ニコニコ笑っている野村投手を見て、「時代は変わったのかな」と思ったものです。
「あのボールをボールと判定されたら、もう投げる球がないよ。真っ直ぐを投げるしかない。」と悟りきったようだ、という周りからの声がありますが、真相は定かではありません。
いずれにせよ、打たれてこれだけニコニコしている投手は、このシーンならではですね。

今村猛投手。

今村猛投手。

2017年カルビープロ野球カード・38・今村猛(広島... - ヤフオク!

今村投手に関しては、大野さんはこのように評価しています。
「口数が少なく、気持ちを表に出さないタイプ。自分の本来の力を出し惜しみしているように見える。」
そのため、強いボールを投げさせるためにセットアッパーに転向させたそうです。
それでも、「まだ闘志を表にもっと出すことが必要。」と述べています。

広島カープ3連覇、そして34年ぶりの日本一の行方は?。

2016年は野村投手が大活躍、2017年は野村の失速を薮田投手が埋めて2連覇を成し遂げましたが、日本一になるためには、かつての「投手王国」を再建する必要があります。
ポテンシャル、潜在能力は、既に十分なものをカープの現在のピッチャーは持っていると思います。
しかし、三本柱として3人でしのぎを削った北別府、川口、大野時代、また、「炎のストッパー」と呼ばれた津田さんのような人が育つ環境ではないのが、今一つピリッとしない、大事な場面で2年連続で4連敗という結果になっているのでは、と思います。

「闘志を尽くし」た時、その次のものが見えてくるのでしょう。

大野さんがこの本を書いたのは、2013年6月。
その前年の2012年まで、広島カープは1998年から15年連続Bクラスという屈辱を味わいました。
そしてこの本が出たまさにその年、長いトンネルを抜けようやくAクラスに入ります。
書いた大野さんも、当時はまさかその3年後から2連覇するとは思っていなかったでしょう。
しかし、この本で述べられている問題点が、すべて解消されたとは程遠いものがあります。
これからも、レジェンドOBとして、後継者に向けて応援してほしいと思います。

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