『ガンプラり歩き旅』その43 ~大人じゃ買えない。もらえない?イベントで、子ども達しか手にできないけれど、これも「ガンプラ1/144 ガンダム」2種登場!~

『ガンプラり歩き旅』その43 ~大人じゃ買えない。もらえない?イベントで、子ども達しか手にできないけれど、これも「ガンプラ1/144 ガンダム」2種登場!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第43回は、子ども向け用イベントでしか手に入らない1/144 ガンダムを2種、紹介します!


むしろ気になるのは、肩関節の構造で。
肩関節は、なぜか肩アーマーと内部肩ブロックが一体成型の1パーツで成立していて、肩アーマー内で上腕部が独立して開く動きが出来なくなっているという謎の構造。

問題の肩ブロック。アーマーの外装に肩フレームのブロックが一体成型の1パーツで成り立っている

確かに簡易キットなのだから仕方がない、GFT版よりははるかにマシだろうと言われてしまえばそれまでだが、一方で他所箇所にはさまざまに、ボールジョイントや二重関節まで装備したキットでありながら、「肩アーマー内で腕が開けません」は、それこそ先のGFT版を除けば、少なくとも正規商品版の1/144 RX-78 ガンダムでは、ガンプラの歴史の中で初めての珍事となる。

面白いのはその謎仕様のフォローの仕方で、肩アーマーとボディの接続が、HGUC 191 REVIVE版と同じボールジョイント構造(ただし、ジョイント受け部はポリキャップではなくプラ材質だが)になっているので、そこで角度をつけることで、左右方向斜め上に向かっては脇を広げることが出来、しかしその角度は惜しいところで水平までは届かないという、なんともチグハグなフォーマットに落ち着いた(いや、パーツ分割的にもプレイバリュー的にも、普通にここはアーマーと上腕肩ブロックを、パーツ分けしておけばいいのにとは本気で思うが)。

肩の構成。ボディ側のボールジョイント受け部が上方向にはかなり動くので、これで肩脇の開きをカバーする。上腕はただ、肩アーマーに刺さるだけで、肩の動きはボールジョイントのみ頼り

股関節も、スカート分割がされていないだけではなく、両脚の付け根の接続が一軸関節(要は、初代1/144 ガンダムと同じ)なので、開脚も出来ず、スカートが固定なので前後にもあまり動かせず、足首がボールジョイント接続である意味性が全くなくなってしまっていて、ここもチグハグ。

簡易キットなのに肘が二重関節なのは、驚かされるところ

色分けも、GFT版以上に、白、赤、青、イエローはもちろんのこと、そこに手首やバックパックや関節、ビームライフス用のグレーが加えられて、ランナー内パーツ単位で色分けされている。
その中でも特筆すべきは、額のメインカメラが、カメラアイ下の隈取と、顎と、三位一体で赤い1パーツで構成されているために塗装不要で、これまでの1/144 ガンダムの多くでは、メインカメラはカメラアイとセットでクリアパーツで造形されることが多かっただけに、ここは密かに評価に値する部分と思われる。

その分、ふんどしのフロント部分が、ここは普段、赤成型パーツでV字マークだけシールや塗装というケースが多いが、このキットではフロントスカートの四角いブロックと共にイエローの1パーツで成型されているので、付属のシールを貼るか塗装しないと、そのままだと違和感が半端ないという弱点もあり。チグハグだなぁ。

足の前後可動幅(開脚は出来ない)。スカートアーマーは固定なので開かないが、クリアランス的にはまずまずだろう

合わせ目は、HGUC 191 を意識して、脛パーツなどは簡易キットなのに前後アーマー分割でパーツ分けをしていたりする一方、腕やボディや太腿は、ガッツリ接続線が出るようになっているなど、こちらもやはり、チグハグ。

肩のボールジョイントを活用することで、ボックスアートのようなポーズもギリギリ可能に

武装は、ビームライフルこそ付属しているものの、サーベルどころかシールドがない。
ないない尽くしだったGFT版よりはマシかもしれないが、ライフルだけ握って、シールドがないガンダムという姿もなかなかしまらない(しかも、ライフルを両手で構えられるわけでもない)。
しかもそのビームライフルも、1パーツなのは簡易キットなので仕方がないにしても、なまじHGUC 191 REVIVE版を基にしてしまったため、同じ1パーツライフルでも、初代1/144やFG1/144と比較して、肉厚に作られてしまったため、逆に右片面に肉抜き穴が多数発生してしまって見栄えが悪くなるという、あぁチグハグ。やっぱりチグハグ。

左側面から見ると普通に出来の良いビーム・ライフルだが……

右側は肉抜き穴だらけで見る影もない。このキットを徹底改修するのであれば、ここはぜひ手を加えたい部分

……とまぁ、ところによっては最新HGUC以上、ところによっては初代キット以下と、まぁチグハグ連呼の、なんともおかしな設計概念のキットなのだが、それもこれも、GFT版のように、ゼロから簡易キットを設計したのではなく、HGUC 191 REVIVE版をベースに、よりHGシリーズに近い仕上がりで、なおかつ初心者の子どもでも組み立てられる難易度で、なおかつ無料で頒布してもバンダイに負荷がかからないコストで……と、様々な要素が絡み合い過ぎた結果、このなんともいえない「チグハグガンダム」が出来上がってしまったというのは、ガンプラの歴史を見渡していく中では、ある意味珍事でありながらも、決して失望やイライラを呼ぶような現象ではなく、実に微笑ましい状況であるとも言えるわけだ。

トリックアートのようだが、こちらの角度から、こういうポーズをとらせれば、肩のボールジョイントの可動範囲のおかげで、ライフルを両手で持っている「ように」見せることは可能

その“状況”とは、現状「1/144のガンダム」の選択肢がこれだけ広がっていることそのものであって、確かに2017年現在で、手に入る1/144 ガンダムが、このキットしか選択肢がないとなれば、ふざけるなバンダイ、責任者出てこいという気分にはなってしまうかもしれないが、上記したGFT版と共に「イベント限定」で「ガンプラ未体験の子どもに、ガンプラの楽しさを体験してもらおう」という主旨で配布される素材としてのみ見た時には、どちらもそれなりの、拘りと割り切りがあって趣深いのではないだろうか。

なんにせよ、今回紹介した2つも、れっきとした「バンダイ」の「1/144 RX-78 ガンダム」の「ガンプラ」のバリエーションである。
今回は、そうした「背景の事情」「商品成立の事情」を体現するため、どちらも未塗装、素組で組み上げたものを撮影に用いている。

市川大河公式サイト

関連する投稿


「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

『機動戦士ガンダム』の人気パイロット小隊「黒い三連星」の3人が、メガハウスの可動フィギュアシリーズ「G.M.G.(ガンダムミリタリージェネレーション)」に登場!約10cmのサイズながら驚異の可動性とリアルな造形を両立。ガイア、オルテガ、マッシュがノーマルスーツ姿で、2026年7月下旬に発売予定です。


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、「SDガンダム外伝」シリーズより『新SDガンダム外伝 黄金神話 スペリオルドラゴンエディション』が発売されます。


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


最新の投稿


『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

人気漫画『頭文字D』のポップアップストアが、グランサックス イオンモール千葉ニュータウン店に登場。伝説のハチロク(AE86)を再現したウェットティッシュケースや、RX-7型の無線マウス、366日分のバースデーキーチェーンなど、ファン垂涎の公式ライセンスグッズが勢ぞろい。日常を彩る名車アイテムの魅力を紹介します。


昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

ニューヨーク発のブランド「OVERCOAT」が、昭和の名横綱・千代の富士との異色のコラボレーションを発表。生前愛用したテーラードスーツから身体寸法を逆算し、伝説の肉体をパターン(型紙)として再現。特別展示や限定アイテムの販売を行うポップアップイベントを、2026年3月より東京・ニューヨークで順次開催します。


伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

辰巳出版は2026年3月6日、プロレス専門誌『Gスピリッツ』の証言集第3弾『Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇』を発売しました。平成の新日本プロレス黄金期を支え、日米を股にかけて活躍した武藤敬司のキャリアを、本人や関係者の貴重なインタビューで振り返る一冊。新録インタビューも追加された、全プロレスファン必携の保存版アンソロジーです。


没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

東京・神保町の名画座「神保町シアター」にて、2026年3月14日より特集上映『没後30年 俳優・渥美清』が開催されます。国民的映画『男はつらいよ』シリーズの人気作をはじめ、主演を務めた貴重なラブコメディや社会派人間ドラマなど、全12作品をフィルムで上映。日本映画界に多大な足跡を残した稀代の名優、渥美清の多才な魅力を再発見する貴重な機会です。


『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

バンダイスピリッツより、ドラゴンボールの聖地「カメハウス」を立体化した『ワールドコレクタブルフィギュア PREMIUM-カメハウスセット-』が登場。全高約22cmのハウス本体は室内まで作り込まれ、悟空や亀仙人など7体のフィギュアが付属。日常シーンから名場面まで自由に再現可能なファン垂涎のアイテムです。