ソニック初の3D作品『ソニックアドベンチャー』とは

今までのソニック
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新しくなったソニック
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このビジュアルの差よ!!
前世代機であるセガサターンでは番外編のみの展開を行っており、メインシリーズとしては実に久々に登場したタイトルでした。
ドリームキャストの性能を活かしたフル3Dに加え、新たな試みも多数加えられた意欲的な作品となっています。
『モダンソニック』が生まれた経緯
本作が発売された頃は(私が個人的に大好きな)「ドリームキャスト」など、ゲームハードのスペックが大幅に向上した時期であり、表現できる幅が大きく広がることを受け、開発タイミングでキャラクターデザインが「クラシックソニック」から現代の「モダンソニック」へ変更されました。
リファインについては奇をてらうのではなく、順当な正統進化を意識、頭身を上げたりリアルな表現の質感にしたりといった特徴が見られます。また、キャラが喋るようになったため、多様な感情表現をできるようにもなっており、そういった要素を生かすためのデザインということで「モダンソニック」は生まれたのです。
その結果として、新キャラの追加や別タイトルとのコラボもしやすくなり、ストーリー自体もシリアスでハードなものにすることができるようになりました。
3Dの代償…
ソニックシリーズ初の3D作品でありソニック達にCVが当てられた最初の作品でもある本作ですが、システムが完成されたものとは言い切れず、カメラワークの悪さ、バグ等の課題点も多くありました…。評価点、難点について詳しくはページの最後のほうにまとめます。
しかし、そのシステムも次回作には改善され3Dソニックの基礎が完成されています。
ストーリー
ステーションスクエアを走るソニックの前に謎の生命体「カオス」が現れる。
その生命体はカオスエメラルドを吸収することで進化し街を滅ぼすという伝説の怪物だった。
その存在を発見したエッグマンはカオスを手懐け、進化させてステーションスクエアを破壊させ、エッグマンランドを建設する計画を企む。
その企みを阻止するためソニックはテイルスとともにエッグマンを追って動き出す。
その裏でこの一件に巻き込まれたことでナックルズ、エミー、ビック、そしてガンマはそれぞれの思惑で動き出す。
それぞれの冒険の結末とは。そしてカオスとはいったいなんなのか。
カオスエメラルドが全て揃うとき、その真実が明かされる…。
『ソニックアドベンチャー』の特徴とゲームシステム
アドベンチャーフィールドの採用
本作ではアドベンチャーフィールドを行動してアクションステージに行くというソニックシリーズでも珍しめのシステムを採用、フィールドにはパワーアップアイテムやコレクションアイテムであるエンブレムが落ちています。若干の謎解き要素もあります。
フィールドは複数存在し、電車などで行き来する事ができます。普通の人間も暮らしており、彼らと会話してヒントを貰う事も出来るようになっています。
複数主人公によるオムニバス形式のストーリー
これまでにも複数主人公を採用したタイトルはありましたが、本作では1つの物語を別々の視点で見ていき、全員のストーリーを見ることで物語の全貌が分かるという手法が取られています。
プレイヤーキャラは以下の通り。最初はソニックしか選択できません。
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』
おなじみの音速ハリネズミ。高速でステージを駆け巡るのはいつも通りで、新たにジャンプ中に敵やカプセルに向かって攻撃できる「ホーミングアタック」や並んだリングに沿って進む「ライトスピードダッシュ」が使えるようになりました。
『マイルス "テイルス" パウワー』
こちらもおなじみのソニックの相棒。ソニックとの差別化としてスピンダッシュが削られましたが、地上での尻尾攻撃と飛行中に加速できるリングが追加されました。
『ナックルズ・ザ・エキドゥナ』
毎度おなじみソニックのライバル。滑空、壁掴まり移動に加え、パンチ攻撃、地面を掘るといったアクションが追加されています。
『エミー・ローズ』
メガCD用ソフト「ソニックCD」で登場したソニックのガールフレンド。巨大なハンマーを使い、ダッシュ中に大ジャンプするといったアクションが特徴です。
『E-102 "γ"』
エッグマンに作られた戦闘用ロボット。敵をロックオンするレーザー攻撃や制限時間のあるステージが特徴です。
『ビッグ・ザ・キャット』
シリーズ初登場の太った猫。ステージを散策して釣りを行うという異色のキャラでした。
パワーアップ要素の登場
各キャラクターは全部で3つのパワーアップアイテムを入手でき、アイテムを入手するとアクションが増えるようになりました。
ミニゲームとチャオガーデン
本作ではキャラクターごとに特殊ステージやミニゲームが用意されています。
スノーボードやシューティングゲーム、もぐら叩きからピンボールといった多彩なミニゲームがあります。
また、セガサターン用ソフト『ナイツ NiGHTS into Dreams...』で採用された「A-LIFE」の発展型「チャオガーデン」という育成ゲームも収録されており、で、フィールドのどこかにある入り口から行けるチャオガーデンで不思議生物チャオの育成を楽しむ事が出来ます。チャオは、「ビジュアルメモリ(所謂メモリーカード)」に転送することで、ミニゲームが遊べ、これでも育てることができました。
ここで当時のPVを紹介
評価点
軽快でスピード感溢れるアクション
ソニックシリーズ最大の特徴であるスピード感は3Dになっても健在です。速度が上がれば壁を走ったり、超高ジャンプできたりと爽快感は満点でした。
また、3Dになった事で坂を駆け上がる途中で横に逸れながら吹っ飛んでショートカットするなど、ダイナミックなアクションが可能になりました。
主人公ごとにステージクリアの目的も変化し、バリエーションに富んだプレイが楽しめます。
特にマスターエメラルドのかけらを3つ探し出すナックルズやどこかにいる尻尾つきのカエルを釣り上げるのが目標のビッグはステージを探索することに重きを置いているため、他とはまったく違ったプレイ感覚となり、新鮮でしたね。
複雑に絡み合った物語
これまでのシリーズに比べストーリーの比率が大幅に増加。ストーリーパートはフルボイスになっています。
最初はソニックしか選べないため「なぜここでアイツが?」「この二人には何があったのだろう?」と思う場面もありますが、他のキャラが解禁されていくにつれ全貌が判明していくという構成は秀逸です。
ストーリー展開上、主人公同士が敵対する場面もあり、ソニックがボスとして立ちはだかるシーンも登場しました。
秀逸なBGM
主人公ごとのテーマなど、ボーカルを多様したBGMが多数収録されており、その他のBGMも非常に良質でした。
オプションのサウンドテストで好きなBGMを聴くことができるのも高ポイント。
アレンジを含め全てのBGM、効果音を聞く事が出来ます。
チャオの可愛らしさ
チャオガーデン以外にもストーリーパートにも登場するチャオの可愛らしさが人気を得て、後のシリーズでもマスコットとして何度も登場する事になりました。
問題点
カメラワークの悪さ
一応、左右へ回転出来ますが、アクションステージ中はほぼ自動カメラで突然視点が変わったり、見にくい、操作しづらいといった問題が発生しやすく、軽快なアクションに比べてこのカメラワークの悪さのせいで上手く走れずストレスになりやすいという問題がありました。
ビッグのクリア目的である「釣り」
これは賛否両論点ですが、キャラに特徴付けるためとはいえ、ソニックに対して釣りゲーを求める層はまずいないため批判されがちです。(私は好きでしたが。)
ただ、魚とのバトルの最中に視点がぐるぐる回るため、ロッドをどう倒せばいいのかも分かりにくいなど、釣りゲーとしての出来もイマイチ。セガも釣りゲーは出しているはずなのですが……。
モデリング、モーションの問題点
一般人のモデリングがプレイヤーキャラに比べてかなり簡素で見映えが悪いという点もありました。
ソニックたちと同じ世界に存在している「生き物」として違和感があるという声も…。
総評
本作はソニックらしさを残しつつも新たな試みが多数盛り込まれた意欲的な作品です。
新たな試みは受け入れられたものもあれば、批判されたものも多く、新規シリーズらしい荒削りな面が目立つゲームと言えます。
以降のシリーズは本作をベースにしつつ様々な改良が行われていくこととなりました。
感想とまとめ
色々ソニックアドベンチャーについて語りましたが、いかがでしたでしょうか。
ソニックゲームの中では有名な作品なのでみなさんにぜひ触れてみて頂きたいものです。
それにしてもどうしてこんなに人気なのか…。
それは、『ソニックアドベンチャー』はアクションに留まらず様々なジャンルを一つにしたからではないか、と考えています。
アクションゲームだったら目的はアクション。レースゲームなら最後までレース。
ですが『ソニックアドベンチャー』は違いました。
「音速でステージを駆け巡ろう!」
「いや、邪魔なヤツらを撃ち壊しちまおう!」
「宝探しとか、どうですか…」
「見てくださいこのかわいいチャオ!」
…と、いい意味でやりたい放題でした。
走るのもいいけどちょっと他のこともやりたいなぁ~と思ってるときに別パート!
ステージを走るという趣旨は変わらないけれど、小さな変化が新しい楽しみを生んだのです。
本作と同じくらい面白いと思うゲームはたくさんあるけれど、本作と同じくらい衝撃的だったゲームには未だに出会えていません。
私にとってはそんな、思い出いっぱい溢れるゲームでした。
また、本作は数回に渡るバージョンアップ版の発売、移植がされています。
現在プレイするならプレイステーション3かXbox360をのダウンロード販売版がオススメです。
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。
出典元はコチラです。
ソニックアドベンチャー - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ