『影牢 〜刻命館 真章〜』とは
前作『刻命館』に関しても少し紹介
刻命館 - Wikipedia
『影牢 〜刻命館 真章〜』のパッケージ
Amazon.co.jp: 影牢 ~刻命館 真章~ PlayStation the Best: ゲーム
前作との関係
前作はコンセプトこそ本作と同じではありますが、「舞台となる『刻命館』の増改築ができる」「侵入者は殺すとお金が、弱らせて捕獲するとMP(トラップの発動に必要)が得られる」という特徴があり、「殺害と捕獲の両方をバランスよく行って資源を確保する」「刻命館を自分の好みに増改築する」といった点でゲーム性が異なっているため、アクションゲームというよりは「ダンジョン経営シミュレーション」的なゲームでした。
しかし、本作では「館の増改築」の要素を廃止し、その代わりにアクションゲームの要素を強化。
ゲームシステムは全面的に改められています。
ストーリー
全体的に重めなストーリーはシリーズの伝統であり魅力ではあるのですが、このあたりはどうしても好みの分かれるところですね。背徳感がたまらないという人にはジャストフィットするのですが、王道のストーリー好きには少々辛いでしょう。心の良心と相談です。
主人公ミレニアは支配層である「刻人(ときびと)」によって洗脳されており、人を殺すことへの罪悪感や戦いへの恐怖といった感情は失われ、刻人のために人間狩りを淡々と行います。そのため、侵入者はどんな目的であろうと「敵」であり、狩る対象でしかありません。
支配層の刻人、被支配層の人間という構造の中で、刻人の支配に抵抗する組織の存在や刻人を出し抜こうと考えている人間、ただ名声のみを求める者、愛するもののために命を懸ける者などが絡み合っています。また、なぜ刻人がミレニアを使って「人間狩り」を行うのかもストーリーを進めるにつれて明らかになっていきます。裏設定のようなものはほとんどありませんのでご安心を。
また、一部の侵入者に対する態度によってエンディングが分岐する、マルチエンディング方式を採用しています。無差別、無慈悲に虐殺するもよし、情けをかけるもよしですね。なお、どのエンディングも鬱エンドとまではいかないものの含みを持たせた内容となっておりまして、手放しでハッピーエンドと呼べるものはありません。中には前作とのつながりを示唆するものも一部存在します。
『影牢』最大の特徴「トラップ」
タイトルでも少し紹介しましたが、主人公は直接的な攻撃方法を一切所持していません。
故に敵は仕掛けた「トラップ」で撃退する必要があります。
前作では罠はすべて単発でしか仕掛けられずコンボの概念もありませんでしたが、本作では「あるトラップにかかっているかダウンしている間に別のトラップをヒットさせる」とコンボが成立し、単発ヒット時に比べて獲得Ark(トラップ開発で消費するポイント)が大きく増加するようになったのです。
これが本作のミソ「トラップコンボ」です。
プレイステーションソフトのパッケージ裏
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さらに細かく「トラップ」について
トラップは壁・天井・床にそれぞれ1つづつ設置出来ます。
トラップ設置または発動後から使用可能になるまでにはチャージタイムが発生するので、1つのトラップを延々と当て続けてハメることはできません。
トラップの種類も単純にダメージを与えるものだけでなく「数マス強制移動させる」「一定時間拘束する」と多彩で、トラップごとの役割をしっかり把握する必要があります。
トラップの大半はトラバサミや大岩といった痛そうな物ばかりではあるが、そんな中に「タライ」がしれっと混じっています。そう、コントなどで上から落ちてくるあの「タライ」です。
このお笑い系トラップは続編でも登場し、さらに「三角木馬」「バナナの皮」「熊手」といったネタトラップも実装されています。
「トラップ」を使った戦術
トラップは最初は基本的なものしか用意されていませんが、敵を倒して獲得したArkを使って開発が可能になります。
その他、部屋にも様々な「仕掛け」が存在し、これらもトラップコンボに利用することができます(例…不安定な柱にトラップで衝撃を与えて倒壊させ、それを敵に当てる)。
トラップは特殊な条件を満たしてヒットさせると(例…空中の敵に当てる、残りHPピッタリのダメージを与えてトドメを刺す等)「テクニカルボーナス」が加算され、獲得Arkが増加します。
この「トラップコンボ」の誕生によって、「手持ちのトラップと仕掛けを使って上手くトラップコンボを組むにはどうすればいいか」「いかに敵を分断・誘導してトラップに誘い込むか」といった前作には無かった面白さが生まれたのです。
華麗な「トラップコンボ」を目指せ
更に華麗なトラップコンボを決めるには、チャージタイムやトラップ、敵の特性などを考慮に入れる必要があるためハードルは高いですが、そのぶん上手くコンボを決められれば達成感はひとしおです。
トラップコンボのバリエーションは非常に多く、慣れないうちは決めやすさ重視、熟練したらコンボ、見栄え重視と自分の腕前に合わせて戦い方を選択することができます。〆にタライを使ったお笑いコントのようなコンボだって組めてしまいますよ?
ただしトラップコンボの中でも群を抜いて強力なものもあり、それに気づいてしまうと特に強敵相手では作業感を感じてしまいがちですね。トラップコンボのパターンの豊富さを楽しもうとする心が重要です!
また、ステージが終わるごとに侵入者の死因を見ることができ、死因は最後に決めたトラップや仕掛けによって変化します。ちなみにタライでトドメを刺すと、「タライに恥をかかされる」という訳のわからない死因が表示されます(笑)
ゲームスピードはそれほど速くなく、トラップ配置画面では時間が停止するためじっくり考えることができ、複雑な操作も必要ないためアクションゲームが苦手な人にとってもハードルは低いと言えるでしょう。