「歴史群像10月号」関ヶ原合戦の真実
鶴翼の陣を敷く西軍、右翼左翼そして後曲に展開する東軍。
早朝の井伊直政の抜け駆けに始まり一進一退の攻防、家康による味方への銃撃、そして小早川秀秋の裏切り、大谷吉継の奮戦、後日談――
これらのストーリーに対し動きを仕掛けているのが「歴史群像」の10月号。

歴史群像10月号
商品概要
歴史群像10月号
・定価:本体935円+税
・発売日:2017年9月6日(水)
・判型:B5/184ページ
・電子版:あり
・発行所:(株)学研プラス
【歴史群像ホームページ(学研デジタル歴史館)歴史群像10月号紹介ページ】
http://rekigun.net/magazine/index.html#2017-0904
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関ヶ原の戦いについて
いやー、「夏も終わって関ヶ原の戦いの季節がきましたね!」という小粋なジョークでトバしていこうかと思っていたのですが〝関ヶ原の戦いは10月なのでジョークになりませんでした〟
(´つヮ⊂)ウォォ
当時は西軍と東軍に分かれ、あるいは九州などで熾烈な争いが繰り広げられた関ヶ原ですが、現在では《資料》《創作者》《研究者》のあたりで激しい争い(?)が展開されているようです。
基本的に強いのは《創作者》のカードのようです。
彼らの手にかかれば例えば三国志なんかも
・関羽が青龍円月刀を持っている。
・張飛の名前がブレる。
・劉備軍に〝赤兎馬と同じ速さで走る人間〟がいる。
・〝赤壁の戦い〟
・〝諸葛亮〟の存在。
と脚色されます。朝飯前です。
三国志から創作要素を抜くと〝登場人物が数人ふっとぶ〟のはおそろしい話だなと思います。
逆に〝赤兎馬と同じ速度で走る人間〟とかが実在していたらちょっとやってられないわけですが。
さて戦国時代に視点を移しますと、
・槍をふりまわしていたはずの服部半蔵が〝忍者〟になる。
・豊臣秀次がやたらと殺生を好む。
・秀吉がやたらと秘密裏に人と会う。
・秀吉が一夜で城をつくったというのも怪しい。
・伊達政宗が刀の鍔を眼帯にしている。
・〝真田十勇士〟
・巌流島の決闘をはじめとする剣豪譚
《天下人》という存在に極端に近いか極端に遠いで増える傾向があるようです。
近頃は三国志だろうが戦国武将だろうが〝戦艦だろうが女の子にする〟時代ですので並大抵のことでは驚かないようになってきている気もしますが。

ジャイアントロボでも絶好調の孔明先生
ウラヌスの生足は芸術(LOV4ゴールド)さんのツイート: "ジャイアントロボのサントラ聴きながら引いたから多分この(汚い方の)孔明の罠ですわw https://t.co/2cNMiSd15E"
〝関ヶ原の戦いに創作が入らないわけがない〟という話に繋がったらいいなあという気持ちで書いていました(小声)
今回「歴史群像」において《脚色》と《通説》と対峙している研究者はどなたかと申しますと、白峰旬氏です。
大事なことなので繰り返します。白峰旬氏です。
白峰旬 - Wikipedia
あれ、手が震える。
なぜだろう〝書いたものを教授にチェックしてもらう日々〟から離れて久しいはずなのに。
教授、専攻が近世城郭、文献史学に通じている、〝関ヶ原に関する著書多数〟なので〝本物のなかの本物〟の方ではないでしょうか。
さすが学研とでも言うべきかこれは〝本気〟ですね。
すでに歴史を趣味としている方はもちろん、どこかのタイミングで歴史を知りたいと思っていた方、もうちょっと歴史力を上げたいと思っていた方、〝関ヶ原で活躍して立身出世したい〟という方にはもってこいの1冊にしあがっているようです。
……こういうのって通常《企画にあわせて専門家の意見を取り入れる》だと思うのですが、「歴史群像」は〝専門家の研究をビジュアル化しました〟と言っても通じるのがすさまじい。
趣味用ではなく〝論文の参考資料用〟に購入しようかな……
関ヶ原に挑むアナタを支えてくれる頼もしい資料たち
「群雲、関ヶ原へ」

群雲、関ヶ原へ〈上〉
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群雲、関ヶ原へ〈下〉
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著者は雑誌ライター出身の岳宏一郎氏。
関ヶ原の時代にタイムスリップしたかのような臨場感をウリにするタイプではなく、現代の視点と表現を用いた作品。
持ってくる資料の量と使い方が抜群にうまく、語り口は軽妙。かといって題材を軽んじていることがない明瞭にして手堅い作品。
「その時歴史が動いた」戦国編

NHK「その時歴史が動いた」戦国編
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タイトルが全てを物語っている。
PVのなかで資料を扱う場合〝必ず出典元が掲載されている〟のでとても安心。
谷川賢作氏の音楽も良いものでした。