『ガンプラり歩き旅』その25 ~弱きジムよ! これが本当の量産型だ!~

『ガンプラり歩き旅』その25 ~弱きジムよ! これが本当の量産型だ!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第25回は、『機動戦士ガンダム』(1979年)後半から登場した地球連邦の量産型モビル・スーツ、ジム!


前掛けふんどしみたいなフロントスカートだが、可動する仕様なので、ここまで前足は踏み出せる!

そしてようやく発売された、1/144 HGUC ジムの、なんとも言えない究極のジムらしさよ!
カトキテイスト満載で、顔が小さくなって手足が細くなって、ビグ・ザムを一撃で破壊できそうな武器を装備しているジム・スナイパーⅡVer.Kaなんかじゃなくて、プロポーションはガンダムそのままのはずなのに、どこか弱々しく鈍重で、言い換えるなら「アニメの原画、動画マンが、あからさまに描きやすいように、ガンダムから線を減らしました」的な仕上がり具合、これぞジムよ、これが戦場のジムよ!(意味不明)

ジムの頭部のUP! ゴーグルはもちろんクリアパーツで再現されていて、内部のメカっぽいモールドも透けて見える気の利いたディテール!

そんなHGUC ジムの出来栄えだが、これがまた、15年前の初期HGUCだとは思えないほどに出来が良い。
この場合、出来の良さとは可動領域の広さや合わせ目の少なさだけを指すのではなく、ジムの場合は“組みやすさ”これに尽きると思う。

バックパックも、寂しくならない程度にシンプルに。シールドを背負うためのジョイント用穴もあるし、バーニアは別パーツでグレー成型

さすが“量産型”だからなのか、このジムは塗装も接着もせずに組むだけなら、15分もあれば誰にでも出来る。
もちろん、そうなると肩と腰のアーマー以外は全身合わせ目だらけになるのだが、ここで頑張って丁寧に合わせ目を消すもよし、とっとと次の別なキットを組むもよし、むしろ15分単位でさくさくジムを次々作って量産するもよし、どの選択も「ジムらしさ」に溢れた、これぞジムスピリッツ!

かなしいかな、ビームサーベルはクリアパーツではなく白成型。どうせならZガンダムのように、手首と一体成型の方が剣裁きの図が映えたかも?

それでも、このキットの指定どおりの配色にするのであれば、色分けはほぼ完璧にパーツが分割されている。
部分塗装で良いのなら、塗るべきは頭部バルカンの黄色ぐらいだし、腹部コックピットハッチの黒は、下手なマスキング塗装(筆者がその典型例)をするぐらいなら、付属のシールを貼っておく方が、よほど手間もかからないし仕上がりが綺麗。それでいいのだ、なぜならジムだから!

今回の作例ではミディアムブルーに塗った、ビーム・スプレーガン。いろんな意味で「ガンダムの量産型廉価版」だ!

肩と足首の関節が、ほぼ同時発売に近いガンダムよりショボイのと、同じくガンダムではクリアパーツで形成されていたビームサーベルが、ジムではなぜか柄と一体型でボディ色成型なのは、これはなんだ、「ジムはガンダムの廉価版」を、あえてメタネタでHGUCでも再現してみました的ななにかなのかもしれないが(まぁ実際は、プラモデルとして考えた場合ガンダムとジムは、アンテナと武装以外はほぼ同じコストで製造されることになるため、確実に爆発的な売り上げが期待できるガンダムと、そこそこの売り上げしか期待できないジムで、コストを差別化させなければいけなかったからなんだろうが)、それもまたジムよのう!

無意味にカッコよさそうなポーズをとらせてみせました! しかも煽りアングルで! ジム・カスタムごときには負けんぞぉ!

というわけで、そんな素敵雑魚プラモデルを、今回は説明書のまま組んで終了……なんだけど、一応ここでは“考えて”塗装でコンセプトを打ち出してみる。
まずは、せっかくゴーグルがクリアパーツなので、写真映えするように、裏側をシルバーで塗っておく。
塗装コンセプトのトータルコーディネートの解説は、HGUC次弾のガンダムの項に譲るが、頭部バルカンのイエローの他は、両手首を濃緑色、ビームスプレーガンをミディアムブルーで塗ると共に、グレー成型の肘、膝関節のパーツを、ジム本体の薄緑色で塗装する。
この、ジム本体の薄緑色。Mrカラーの任意の色では該当しないので、どうしてもジム専用のこの色を、持ってくるか作るかしかなくなるのだが。

イマドキは、ガンダムカラーなどという便利な塗料が売っていて、このHGUCジム専用のカラーセットなども発売されていたのだが。しかし、さすがに15年前のキットの専用ガンダムカラーは、今ではもう売っていないので、HGUCジムのボディカラー、ガンダムカラーでいうところのホワイト7を、自分で作って塗ることにする。
塗料皿に直接ホワイトを適量流し込み、そこへ爪楊枝で本当に適当に、デイトナグリーンとキャラクターブルーを数滴落とし込みよく混ぜる。ほどよくプラモデル成型色に近い案配になったらそれで完成。
この先、HGUCジムを作る理由も未来予想図も皆無なので(暴言)、これでちょちょいと両肘と両膝の関節パーツを塗って終了。

思えば旧1/144ジムを作ったのも、今から35年前のあの一回、後にも先にも一つきり以来で手を出したのかもしれない今回のHGUC。
雑魚よ。愛しき雑魚ジムよ。あぁ栄冠は君に輝かない。

市川大河公式サイト

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