はじめに

今回はガンダム開発計画で試作機としてロールアウトさせたGPシリーズとその派生型について調べていきます。UC0082~UC0083の時期が中心となります。このシリーズの頃はすでに漫画、ゲーム、OVAなど数多のストーリーや設定があり、それぞれがある意味MSV本来の姿を体現しているのかな~などとも考えています。ガンプラというフラッグシップがあってこそのモビルスーツバリエーションであり、ガンダムの人気を支える原動力ではありましたが(現在も)、それを支えるのは自由に新しいMSの姿を描けるMSVの寛容性だと思います。
ガンダム開発計画
RX-78GP00

ガンダム試作0号機(ブロッサム)
模型雑誌「電撃ホビーマガジン」の企画「機動戦士ガンダム ファントム・ブレット(亡霊の弾丸)」に登場しました。コードネームのブロッサムは「花の開花」の意味。開発したAE社のチームが女性が多かった等言うことでGPシリーズにはそれぞれ花の名前が愛称として付けられることになりますが、あくまで仮の名称で正式な連邦軍の型式名ではありません。
宇宙世紀0082年12月、ジャック・ベアード中尉が月面でジオン軍残党と交戦し、大破しましたが、これは一つの機体に多すぎる要素を詰め込んだためにパイロットの負担となる事が原因だったことが分かり、後継機4機には複数の機体で一つの機能を追求するようにGPシリーズが開発されたという事です。
しかし軍の裁可無しに開発製造した機体が何故実戦を行ったのかは疑問が残る所ですね。
FF-X(7)II-Bst

コア・ブースターII
確かに広域センサーMPIWSは見た目にもバランス悪そうですよね。廃案になったのもうなずけます。
資料によっては「たびたび不調が生じるために信頼性は低かった。」ともあり、無理やり装備するにはMS機体自身に対する悪影響などを考えれば当然の事ですよね。そもそもGP00は欲張り過ぎた試作機だった証明でもあると思います。
RX-78GP01

ガンダム試作1号機 ゼフィランサス
0083スターダストメモリーの冒頭で試作2号機と共に登場しましたね。ホワイトベース型「アルビオン」の格納庫でテストを待っているところでした。本来はAE社のテストパイロットが試験するはずだったのが試験中の事故で死亡してしまったためトリントン基地に運ばれそこで新たなテストパイロットを選定するはずでした。その後の事件から作中で様々なドラマが生まれるのですが、本作品中盤までの主役機となっています。
このGP01は派生型が多くあり(後述)、汎用性の高さを感じさせてくれますね。
FF-X II (FF-X7II)

コア・ファイターII

ガンダム試作1号機フルバーニアン
gundam-exceed
RX-78GP01Fb
元々コウ・ウラキが勝手に陸戦用仕様のまま発進、交戦におよび、間抜けな戦闘の上大破されたGP01 が、災い転じて・・・ではないが大幅な仕様変更の上、修理、改修で完成された産物でした。
その高機動性能、運動性を目の当たりにしたシーマ・ガラハウが「バッタか?!」と驚いているシーンがアニメ版でありましたね。この機体性能をよく表しているセリフだったと思います。手負いのGP02(パイロットは当然アナベル・ガトー)と相打ちになるまでの短命な機体でもあります。
デザインはGP01 と共に河森正治氏が担当だったそうです。
FF-X II-Fb(FF-X7II-Fb)

コア・ファイターIIFb
RX-78GP01-Fa

フルアーマー・ゼフィランサス
RX-78GP02

ガンダム試作2号機(サイサリス)
この重装備には初めて見た時に、何だこれ?機動性、運動性大丈夫?みたいな印象をもちました。しかし諸元データを見れば総推力はGP01 の約1.5倍と気づき、その上、パイロットがこの機体を強奪したジオン公国軍エースパイロット「ソロモンの悪夢」の二つ名を持つアナベル・ガトーであればうーん、なるほど・・・と思いましたね。この機体も作品中盤までのもう1機の主役機だったのは異論のない所でしょう。
因みにGP01 とこのGP02はAE社のニナ・パープルトンが開発担当だったことがストーリーが進む中で登場人物も含め深く関わってくることが分かってきます。
RX-78GP03

ガンダム試作3号機(デンドロビウム)
AE社からの受領の仕方はもう強奪に近く、開発担当の女性が命を懸けて持って行かせるシーンはなかなか泣かせるものがありました。この機体の戦闘力は圧倒的であり、アナベル・ガトーのノイエジールとの交戦まで無敵だったですね。「GUNDAM EVOLVE 4」での描写はCGの効果も重なり、ジオン兵のセリフどうりまさに化け物を思わせました。
コミカライズ版の「機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄」ではラストの部分が違いますが、ほぼOVAと同じストーリーとなっています。
RX-78GP03S

ガンダム試作3号機(ステイメン)
この機体単体での場面はほとんどありませんでした。例外的にオーキスの補給中に敵の襲撃を受けた時に出撃する(戦闘シーンは描写無し)シーンと、ノイエ・ジールとの戦闘が終わった後単体で(ほとんど無傷)空間を浮遊しているシーンだけだったと思います。「GUNDAM EVOLVE 4」や「機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄」ではPスペックのステイメンの登場シーンがあります。
RX-78GP04G

ガンダム試作4号機(ガーベラ)
この機体、アニメ版でも登場シーンがなく、「GUNDAM EVOLVE 4」で設計図の様な画像のみが一瞬だけ垣間見えますが極秘扱いで全体像が全然見えてこなかったんですよね。しかしAE社が裏取引でデラーズ・フリート(シーマ艦隊)にデザインや武装の変更などを施し、連邦軍に気づかれないように「ガーベラ・テトラ」(後述)として引き渡すことになっています。
本来の姿は長らく存在のみ知られているだけの言わば幻の機体だったのですが、ムックGUNDAM WEAPONS 3」で明貴美加氏によりデザインが起こされ、様々な作品(模型)から2004年になって初めて公式設定されています。
「機動戦士ガンダム 0083 REBELLION」ではGP計画から外されてもなおAE社が独自に実機を作り上げ、GP01 Fbのテスト相手をしています。そしてヴァル・ヴァロの乱入で行動不能となっています。
AGX-04

ガーベラ・テトラ
上記で紹介した通りの経緯で型式番号まで当然変更し、ほぼ原形を留めないほど各部に改装を施しています。結果的にはデンドロビウムとの交戦でメガ・ビーム砲の砲身で機体を刺し貫かれ、そのビーム砲で止めを刺されてしまいます。
また「機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄」においてはノイエ・ジールと交戦し、のち戦線離脱をしようとしたところを寝返って友軍となったはずの連邦軍から背後から攻撃され撃破されるというストーリーになっていて、やはり短命な機体でした。

ガーベラ・テトラ改
この時期のその他のRX-78系統機
以下は今回ご紹介した機体のバリエーションを集めてみました。
画像は殆ど見つからないものばかりです。漫画版が多いのでもし興味のある方は原作漫画をご覧になっては如何でしょうか。
RX-78GP01 ゼフィランサス(チョバム・アーマー装備)
画像はありません。
RX-78GP01 ゼフィランサス(アクア装備)

GアーマーII

RX-78GP01-ST

ストライクGP01
未実装MS機体一覧 - 機動戦士ガンダム バトルオペレーション攻略Wiki (セカンドシーズン) - アットウィキ
ムック「GUNDAM WEAPONS ガンダムGP01編」に登場する模型作例として紹介されています。
RX-78GP01

ガンダム試作1号機(ティターンズ仕様)
ついにガンダム00が本格介入!ガンダムトライエイジ「BUILD MS 2弾」本日8月8日より稼働開始! | GUNDAM.INFO | The official Gundam news and video portal
ゲーム「ガンダムトライエイジ」で設定された「もし・・・」の機体です。
RX-78GP02A

ガンダム試作2号機 (デラーズ・フリート仕様)
ついにガンダム00が本格介入!ガンダムトライエイジ「BUILD MS 2弾」本日8月8日より稼働開始! | GUNDAM.INFO | The official Gundam news and video portal
ゲーム「ガンダムトライエイジ」でのIF設定のカラーリング機体です。
RX-78GP02MLRS

ガンダム試作2号機(MLRS仕様)
Image - RX-78GP02A-MLRS-TYPE B.jpg | ガンダペディア | FANDOM powered by Wikia
RX-78GP03

ガンダム試作3号機 トライアルプラン
書籍『アナハイム・ジャーナル』に登場。実機が存在したかは不明です。プラン上では増加装甲が設けられ、内部に複合センサーを内蔵しています。
(?)

ナイトファイター
模型雑誌「電撃ホビーマガジン・ソロモンエクスプレス」に登場しました。この機体がステイメンの代わりにオーキスに組み込まれたものがGP-03 の原型と言われ、武装などもほぼ、デンドロビウムと同じとされています。
RX-78GP03&WEAPON SYSTEM

ガンダム試作3号機&ウェポンシステム
GP-03-2
画像はありません。
「ゲームぎゃざ」のゲーム『機動戦士ガンダム G-STRATEGY』に登場するオリジナル機です。
今回のまとめ
本当はまだ模型作例やゲームなどで登場するオリジナル機体が在るのは承知しているのですが僕の少ない手持ちの資料、ネット上でも詳細がつかめませんでした。また、画像があっても掲載できないものもあり、自分の非力さを認めざるを得ません。それでも自分の今解る範囲だけでも先に進み、ネット上に記憶を残したいと思っています。
次回からはグリプス戦役前後からのガンダムの名を継ぐ機体たちをご紹介させて頂きたく思っています。楽しんでいただければ幸いです。
RX系ガンダムの変遷と後継種ガンダムの発展を調べてみました。(1) - Middle Edge(ミドルエッジ)
RX系ガンダムの変遷と後継種ガンダムの発展を調べてみました。(2) - Middle Edge(ミドルエッジ)
RX系ガンダムの変遷と後継種ガンダムの発展を調べてみました。(3) - Middle Edge(ミドルエッジ)