"転生もの"の映画・ドラマの元祖,『天国から来たチャンピオン』

『天国から来たチャンピオン』の一場面
生と死をユーモラスに描く!!
天才ウォーレン・ビーティーが制作、監督、脚色、主演の4役を兼ねるコメディタッチのハートフルラブストーリー。ストーリーは天使だか死に神だかの神の使いが、寿命の残っている主人公を誤って殺してしまい、主人公が他人の体に乗り移って生き返るまで話である。
アメフトチーム屈指のクウォーターバック(ボクシングのチャンピオンではない)でスーパーボウルに出ることを夢見る主人公が、一目惚れした女性を助けるため、妻とその愛人に殺されたはずの大富豪に乗り移つるのに始まり、その体で恋愛とアメフトをはじめながら再び殺されてしまい、最後はラフプレイで死ぬチームメイトに乗り移り、それまでの記憶を全て失ってしまうという、切ないラブストーリーだ。
でもラストシーンでは恋人が、全く面識のない主人公の乗り移ったチームメイトの瞳の中に彼の面影を見つけだし、2人で歩いて去っていきます。ハッピーエンドではないけれど、決してバッドエンドではなく、未来への希望に溢れており、命の意味を考えさせられました。
自転車に乗った主人公がトンネル内で事故に巻き込まれることや、夢が叶う寸前の悲劇だったりと、ありふれた設定だが、1978年公開と言うことを考えるとこの映画が元祖に近いんじゃないでしょうか。
人間が考える生死感は宗教を超えて人類共通だったんですね!!
私ら東洋人には、輪廻転生という考えがあるが、キリスト教を信奉する西洋人にも同じような考えがあったのだと認識した映画であった。私はリアルタイムでは見てませんが、ちょうどアメリカの大学に通っていた頃に、友達に教えられて見て感動した記憶があります。
ちなみに、1979年のアカデミー賞作品賞には、『ディアー・ハンター』(主演:ロバート・デ・ニーロ、監督:マイケル・チミノ)が選出されている。
映画『天国から来たチャンピオン』天国職員のミスで、寿命が50年あるのに死亡した!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
ジャングルを舞台に繰り広げられる戦争の”狂気”、『地獄の黙示録』

『地獄の黙示録』の一場面
真の戦争の恐ろしさは参加者全員を狂気にすること!!
狂うような暑さのサイゴンの夏。ブラインドの降りたホテルの一室で、ウィラード大尉(マーティン・シーン)は空ろな視線を天井に向けていた。505大隊、173空挺隊所属、特殊行動班員である彼に、それからまもなく、ナ・トランの情報指令本部への出頭命令が下った。
本部では3人の男が彼を待ちうけており、そのうちの1人がウィラードに、今回の出頭目的を説明した。それは第5特殊部隊の作戦将校であるウォルター・E・カーツ(マーロン・ブランド)を殺せという命令だった。カーツはウェストポイント士官学校を主席で卒業し、空挺隊員として朝鮮戦争に参加、数々の叙勲歴を持つ軍部最高の人物であったが現地人部隊を組織するという目的でナン川上流の奥地に潜入してからは、彼の行動が軍では統制できない異常な方向へと進んでいった。
情報によると彼はジャングルの奥地で原地人を支配し、軍とはまったく連絡を絶ち、自らの王国を築いている、というのだ。そのアメリカ軍の恥である錯乱者カーツを暗殺しなければならない、というのが軍の考えだった。この密命を受けた若い兵士ウィラードは、4人の部下、クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、ランス(サム・ボトムス)、シェフ(フレデリック・ホレスト)、チーフ(アルバート・ホール)を連れ、巡回艇PBRに乗り込んだ。まず、ウィラードは、危険区域通過の護衛を依頼すべく、空軍騎兵隊第一中隊にキルゴア中佐(ロバート・デュヴァル)を訪ねた。
ナパーム弾の匂いの中で目覚めることに歓びさえ感じているキルゴアは、花形サーファーであるランスを見ると彼にサーフィンを強要した。ワーグナーの“ワルキューレの騎行”が鳴り響く中、キルゴアの号令で数千発のナパーム弾がベトコン村を襲った。キルゴアのもとを発った彼らは、カーツの王国へとPBRを進めた。河岸に上陸するたびにウィラードに手渡される現地部隊からの機密書には、カーツの詳細な履歴と全行動が記されており、読めば読む程ウィラードには、軍から聞いたのとは別の人物であるカーツが浮び上ってきていた。王国に近づいたころ、クリーンが死に、チーフも死んだ。
そして、王国についた時、ウィラードはそこで、アメリカ人のカメラマン(デニス・ホッパー)に会い、彼から王国で、“神”と呼ばれているカーツの真の姿を聞かされる。カーツは狂人なのだろうか。それとも偉大な指導者なのだろうか。ウィラードにもわからなかった。そして遂にカーツとの対面の日がきた。テープレコーダーや本に囲まれたカーツの元にやってきたウィラードは、軍の命令に従い、“神”と呼ばれる人間カーツを殺すのだった。
公開直後からこの映画に対する賛否両論の嵐が吹き荒れる!!
1955年から1975年にかけて20年も続いたベトナム戦争の後期。アメリカと南ベトナム解放民族戦線(通称ベトコン)の戦いは泥沼化し、その被害は拡大していく。本作はその頃の戦地で同じアメリカ軍兵士の暗殺を命じられたウィラード大尉が、川を上りながら戦地の悲惨な有様と戦争の矛盾や不毛さを味わっていくという物語だ。
本作の印象を一言で言うと“狂気”そのもの。完璧主義者であるコッポラ監督らしく、徹底的に戦争の狂気が描かれる。
当然と言うべきか?、『地獄の黙示録』は、公開直後から映画に対する賛否両論が噴出した。映画評論家たちの間では、「ストーリーもあるようでないようなものである」、「戦争の狂気を上手く演出できている」、「前半は満点だが後半は0点」など、完全に意見が分かれた映画であった。
作品としての質は別にして、批評家たちは「泥沼のベトナム戦争がアメリカ人に与えた心の闇を、衝撃的な映像として残した怪作である」と結論付けたのであった。
人の醜さを描いた傑作、『エレファント・マン』

『エレファント・マン』の一場面
人間らしさとは??
19世紀末のロンドン。ロンドン病院の外科医フレデリック・トリーブス(A・ホプキンス)は、見世物小屋で、“エレファント・マン”〈象人間〉と呼ばれる奇型な人間を見て興味をおぼえた。
ジョン・メリック(ジョン・ハート)という名をもつこの男を、フレデリックは、研究したいという理由で持ち主のバイツ(フレディ・ジョーンズ)からゆずり受ける。学会の研究発表では、トリーブスは大きな反響をえるが、快復の見込みは皆無だった。21歳と推定されるメリックは右腕がきかず、歩行も困難、言葉もはっきり発音できないという状態だった。
院長カー・ゴム(サー・ジョン・ギールグッド)は、他の病院に移させることをトリーブスに告げるが、メリックとの面会で、彼が聖書を読み、詩を暗誦するのを聞いて感動し、病院に留まるようにと考えを変える。トリーブス夫婦に招かれて彼らの家を訪れたメリックは、トリーブス夫人(ハンナ・ゴードン)が美しく、メリックをやさしく扱ってくれることに感激し、涙を流しながら、誰にも見せたことのない美しい母親の写真を見せた。
タイム誌に、メリックのことが報じられ、一躍有名人になった彼は、興昧を抱いた様々な人々の訪問を受ける。舞台の名女優ケンドール夫人(アン・バンクロフト)も、その一人だった。“商売品”を騙し取られたと、反感を持っていたバイツは、秘かにメリックを連れ出しヨーロッパヘ向かった。再び動物のような扱いを受け、容態の悪化したメリックは瀕死のところを見世物小屋の仲間に救われ、やっとロンドンにたどりつく。
しかし、人々の好奇な目につきまとわれ、ついに“私は人間だ、動物じゃない”と叫ぶメリック。やっと、トリーブスのもとに戻れた彼は、ケンドール夫人の好意で観劇のひと時を過ごす。感激の時を過ごし部屋に戻ったメリックは、かねてより作り続けていた、窓から見える寺院の模型を完成させ、そこに自分の名を書き込んだ。
そして、いつもの寝方であるうずくまって寝る姿をやめ、その夜は、人間たちがやるように仰向けになって眠りにつくのだった。それは安らぎに満ちたメリックの最後の姿であった。
異形の人物に対する、好奇、恐怖、憐憫、忌避、軽蔑などの感情がもたらす不幸!!
異形の人物に対する人間の様々な感情を描いているが、全ての人間がその全てを抱いている。すなわち、好奇、恐怖、憐憫、忌避、軽蔑。病院で彼を世話する医師や看護婦ですらこれらの感情からは自由ではない。見世物小屋から救い出されても、結局、ときたま人前に連れ出されて、人々の好奇と憐憫の感情を満足させることになるのだ。
そのことを最もよく理解しているのがそれらの感情の対象であるエレファント・マンなのだ。自分が社会には受け入れられない存在であること。そして、自分の安住の地は神の家である教会しかないことを彼は分かっている。
窓から見える尖塔をモデルに、紙の教会を完成させた彼が、「これですべて終わった。」という一言に涙が溢れた。生まれてから自分の為にやり通したことが紙の教会ひとつを作ることだけだなんて。
真の孤独がどれほどに残酷なものであるのか。たやすく思いやりだの、愛だのということがどれほど軽薄なものなのか。
異形の者「エレファント・マン」は実話でした - Middle Edge(ミドルエッジ)
頭をカラにして単純に楽しめる『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の一場面
ある意味で”勧善懲悪”的な映画です!!
時は1936年。第2次大戦勃発直前の混乱期。勢力を増しつつあるナチス・ヒトラーは、最大の武器として多大な力を発揮するという伝説的なアーク<聖櫃>の行方を執拗に追っていた。そのことを知ったアメリカ側は、阻止すべくあらゆる手段を用いる覚悟でいた。
その困難な任務を受けることになったのは、インディアナ・ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)。大学で考古学を教える教授である彼はアメリカ政府から、アーク発掘の要請を受け、早速エジプトに渡った。彼は、恩師の娘で、かつて恋人だったマリオン(カレン・アレン)とネパールで再会した。早くもナチス一派の攻撃を受けた彼らは、必然的に行動を共にすることになる。しかし、インディのかわりにマリオンが襲われ、彼女が死んで初めて彼女を深く愛していたことに気がつくインディ。
ナチス側は、腹黒いフランス人の山師ベロック(ポール・フリーマン)を味方につけ、砂漠の廃城に発見されたアークの埋蔵地点発堀を開始した。現地へ急行するインディ。そこで、彼は、マリオンがまだ生きており、ドイツ軍の捕虜となっていたことを知る。そして、敵の裏をかき見事アークを手にしたインディだったが、それもつかの間、アークを奪われると、マリオン共どもヘビの群がる神殿の奥底に閉じ込められた。そこから脱出した2人は、軍用トラックを駆使して、再びアークを取り戻しカイロからアメリカへと向かった。しかし、ナチスは、Uボートでインディらの乗る貨物船を襲撃、アークとマリオンを奪い去ってゆく。彼らは、ドイツ軍基地になっている、とある島についた。ヒトラーに届ける前に、そのアークを開けることになったのだ。
島に追いついたインディは、マリオンを助けようとして、敵に捕われてしまう。棒にしばりつけられる2人。夜、いよいよ、アークの蓋が開けられた。しかし、中味はただの砂だ。がっかりと顔見合わせた瞬間、すさまじい光が発し箱の中から出て一面をはうと、それは美しい女の姿になり、やがて恐ろしい骸骨に変わり、あっけにとられていた人々を襲い始めた。その寸前にインディは、マリオンに絶対見てはいけないと警告しており、2人だけは、その様子を見ることなしに目を閉じていた。
嵐のような騒ぎがおさまると、インディとマリオン以外の人の姿はなく、アークの蓋はもとにおさまり、うそのように静まりかえるのだった。それから数日後、政府の倉庫に、アークが運び込まれた。そこには、同じような木箱が山と積まれているのだった。
スピルバーグとルーカスが初めてタッグを組んで作成した作品!!
スピルバーグとルーカスが初めて手を組んで作り上げた作品で、「ガンガ・ディン」を始め往年の冒険映画のエッセンスを全て注ぎ込んだその内容(ストーリー原案はフィリップ・カウフマン、脚本はローレンス・カスダン)とフォード扮するインディのキャラクター、息つく暇もない展開は絶品で、当然のごとく「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の2本の続編が作られた。
1982年は秀作映画の当たり年:『ブレードランナー』、『E.T』、『トッツィー』など
ドキュメタリー調に描かれたSF映画、『ブレードランナー』

『ブレードランナー』の一場面
舞台は酸性雨が降る都市ジャングル!!
2019年。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。休みなく雨が降っているロサンゼルスでは東洋系を始めとして、さまざまな人々がうごめいていた。
その1人デッカード(ハリソン・フォード)は、ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)と名乗る男に本署へ連れてこられる。そこで彼は元上司のブライアントに、レプリカント4名が地球に侵入したので、彼らを見つけ出せと命じられる。レプリカントとは、遺伝子工学の新技術によって生産された人造人間で、宇宙探索や植民地惑星での危険な労働に従事し、あらかじめ死期もセットされている。
ブレードランナーはレプカリントの犯罪や叛逆にそなえ、彼らを識別し抹殺する刑事のことで、デッカードはなかでも一流だった。彼はレプカリント製造の最大手タイレル社に行き、そこでタイレル博士(ジョン・ターケル)と謎の美女レイチェル(ショーン・ヤング)に出合う。彼はレイチェルをテストし、彼女がレプカリントであることを知るが、彼女自身はそれを知らなかった。デッカードはスネーク・ダンスを踊っていたレプリカントの1人ゾーラを射殺。レプリカントのレオンに襲われるが、危ういところをレイチェルに救われた。
その後、2人はアパートで結ばれる。レプリカントのリーダーであるバッティ(ルトガー・ハウアー)は、自分の死期を知ろうとしてタイレル社長と対面し、タイレルを惨殺。デッカードは、レプリカントのプリス(ダリル・ハンナ)を倒した。そして、デッカードとバッティが対決。デッカードを追いつめながら、死期を悟ったバッティは彼を見逃すのだった。デッカードはレイチェルを連れて、都市から脱出する。
今年の秋に『ブレードランナー』の続編が公開!!
主人公デッカートを演じるハリソン・フォードは『スター・ウォーズシリーズ』のハン・ソロ、『インディ・ジョーンズシリーズ』の主人公といった人気キャラクターを演じ世界中に名前を知られるようになった。
2015年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のハン・ソロ役で30年ぶりに復活を遂げた他、今年(2017年)の秋には『ブレードランナー』の続編に出演することが判っており、ファンを喜ばせている。
脅威の世界的人気にも拘らず、主要アカデミー部門は受賞できなかった『E.T』

『E.T.』の場面を合成したもの
異星人と少年の交流を暖かく描いたSFファンタジー
アメリカ杉の森に、球形の宇宙船が着地し、なかから小さな宇宙人が数人出てきた。彼らは地球の植物を観察し、サンプルを採集する。1人だけ宇宙船から遠く離れた宇宙人が、崖の上から光の海を見て驚く。それは郊外の住宅地の灯だった。
突然、物音がした。宇宙船の着陸を知った人間たちが、宇宙船に向かってきたのだ。宇宙船は危険を察知して離陸する。先ほどの宇宙人1人は、地上にとり残された。その頃、住宅地の1軒では、少年たちがカード遊びをしていた。10歳のエリオット(ヘンリー・卜ーマス)は、小さいという理由から、兄マイケル(ロバート・マクノートン)らの仲間にいれてもらえず、くさっていた。ピッツアの出前を受け取りに外へ出たエリオットは、物置小屋で音がしたことに気付いて、みんなを呼びよせた。
しかし、中には誰もいなかった。深夜、エリオットはトウモロコシ畑で、宇宙人を目撃。翌日、夕食をたべながら、エリオットは宇宙人を見たことを話すが、誰も信じない。「パパなら…」というエリオットの言葉に、母のメリー(ディー・ウォーレス)は動揺する。パパは愛人とメキシコに行っているのだ。その夜もふけ、エリオットがポーチで見張っていると、宇宙人が彼の前に姿を現わす。
エリオットは宇宙人を部屋に隠した。翌日、エリオットは仮病をつかって学校を休み、宇宙人とのコミニュケーションを試みた。そして帰宅した兄、妹ガーティ(ドリュー・バリモア)に紹介する。宇宙人は太陽系を遠く離れた星からやって来たことを、超能力でボールを宙に浮上させて説明した。次の朝、エリオットにマイケルの友達が、「怪物がいたか」と尋ね、宇宙人だと聞かされると、「ではエキストラ・テレストリアルだな」という。
こうして宇宙人は以後、エキストラ・テレストリアルを略してE・Tを呼ぱれることになる。学校で授業をうけるエリオットと家にいるE・Tとの間に心が通いあい、E・Tが冷蔵庫からビールを取り出して飲むと、学校のエリオットも酔っぱらう。E・TがTVで「静かなる男」を見て、ジョン・ウェインとモーリン・オハラのキスシーンに見とれていると、学校でエリオットがかわいい女の子にキスをする。E・TはTVの「セサミストリート」を見ながら、英語を覚え、家に電話したいといい出す。E・Tはノコギリや傘を使って通信器を作る。ハロウィーンの夜、子供たちはE・Tに白い布をかぶせて森に連れ出し、E・Tは故郷の星に連絡をとる。
翌朝、E・Tは瀕死の状態となり、エリオットが彼を家に運ぶ。E・Tを始めて見て、驚くメリー。突然、宇宙服を着た科学者たちが家にやって来た。NASAの科学者キース(ピーター・コヨーテ)がエリオットに「私も10歳の時からE・Tを待っていた」と話しかける。E・Tは死亡し、最後のお別れをエリオットがしていると、E・Tの胸が赤くなる。彼は死んでいなかったのだ。
エリオットは兄妹、兄の友人グレッグ、スティーブ、タイラーの協力を得て、E・Tを森に運ぶ。後を必死に追う科学者の一団。森の空地に着地した宇宙船に乗り込むE・T。宇宙船が消えたあと、空に美しい虹がかかった。
ツボを心得たスピルパーグの演出には泣かされた!!
ファンタジーなのに特に後半は妙に現実感がある。
地球に適応出来ないとか、感染の疑いだとか、手術を試みるとか、子ども向けの作りだし夢もいっぱいなのに展開はシリアスでスピルバーグが何かメッセージを込めて作ったのではないかと勘ぐりたくなる。
ところどころに散りばめられてる遊び心と有名なシーン(月をバックに自転車で飛ぶシーンや、ぬいぐるみに隠れて身を隠すところ、夕日を背に仲間と自転車で飛ぶところや、ラストの別れのシーン)はとても印象に残っている。
最後に映画館から出る際は、なぜか幸せの余韻に浸りながら心が温かくなっていた。いつまでも印象に残るシーンが沢山あるのがスピルバーグの凄いところなのかなと思う。
CGじゃない良さも多分にあったのではないか?。
ダスティン・ホフマンの女装が話題になった、『トッツィー』

『トッツィー』のパンフ
キャラクターの設定を活かした見事な脚本!!
演技を若い俳優たちにコーチしている中年の男マイケル・ドーシー(ダスティン・ホフマン)。実は彼も俳優なのだが、演出家ともめたりするのでトラブル・メーカーとみられて、役がつかず失業中。ルーム・メイトで脚本家志望のジェフ(ビル・マーレイ)と生活のためにウェイターをしている。
生徒の一人サンディ(テリー・ガー)は、明日の病院ものソープ・ドラマのオーディションに自信がなく、マイケルが個人レッスンを買って出て、翌日TV局までついて行ってやったが、その甲斐もなくサンディは落第。タフじゃないというので、台詞も読ましてもらえなかったのだ。翌日、彼は女装して、TV局へ行きドロシー・マイケルズと名乗る。ディレクターのロン(ダブニー・コールマン)はドロシーを見ただけで、もっとタフな女性が欲しいという。そこでドロシーが怒ってみせると、プロデューサーのリタが気に入ってカメラ・テストをした上で採用。その時、マイクは看護婦役のジュリー(ジェシカ・ラング、)と知りあい一目惚れする。
さて、マイケルはその足で、エージェントのジョージ(シドニー・ポラック)に会いにゆく。始めは彼女がマイケルとわからなかったジョージだが、話を聞いてびっくり。ジェフはマイケルに協力することになった。これもジェフの書いている芝居の公演資金8 000ドルを捻出するためだ。思わぬことでマイケルはサンディとできてしまう。
翌口、TV局に行ったマイケルは、病院理事エミリーの役を難なくこなす。困ったのは、ブルースター医師役のジョン(ジョージ・ゲインズ)が彼女に恋心を燃やし出したことと、ジュリーがロンとつきあっていること。ロンは横柄な男で、ジュリーをまるで恋人扱いしていない。ある日、ジュリーに台本の読み合わせを頼まれたマイケルは彼女の家へ。そこで、彼女が未婚の母であることを知る。
女同士仲良く会話をしているうちに、今晩はサンディと夕食の約束をしていたことを思い出して、サンディのアパートに行く。もうサンディはカンカンになっていた。やがて、ジュリーは父親レスを紹介し、レスはドロシーにいかれてしまう。そのうち、ドロシーに人気が出て来た。ロンは相変わらず人を人とも思わぬ態度で、ドロシーにトッツィー(可愛い子ちゃん)と呼び掛けたりする。ジュリーはドロシーに感化されてロンと別れると言い出す。そんな彼女にキスしようとして、レズビアンと思われてしまった。しかも、レスからは求婚されるし、ジョンがアパートに強引に入りこんでくる。
やっと彼を追い出したところヘサンデーが来た。彼女に「他に好きな人ができた」とうちあけると、彼女はカンカンに怒る。もう女優であることに耐えられなくなったマイケルは、番組のライヴ放送の時、エミリーは本当は男であったと暴露。その後、マイケルは男としてジュリーに会い、彼女も彼の愛を受け入れる。
ダスティン・ホフマンの初コメディ作品!!
個性派俳優として名を馳せるダスティン・ホフマンの初コメディ作品。同じようなものとしてロビン・ウィリアムスの『ミセス・ダウト』があり、どちらも甲乙付けがたい作品であるが、それぞれの体格に合わせた変身ぶりは不思議な魅力であり、一度観たらその存在感が消えることはない。
この2作が誰にでも楽しめるところは、女装する理由に必然性があるからであり、女になりたいという願望とはかけ離れているという部分だろう。『Mr.レディMr.マダム』や『プリシラ』という作品には、その業界の人たちが持つ独特の哀愁と毒気が漂い、非日常的な世界観に触れるという細かなディティールを観る部分に魅力はあるのだが、役者の個性とシナリオ中心で構成されるところでは、中身の濃さが全く違う希有な作品であると思う。
ダスティン・ホフマンの女装が話題になった!映画「トッツィー」 - Middle Edge(ミドルエッジ)