オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』
1990年4月19日から放送されているフジテレビ系列のオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』。
当初はレギュラー番組として、毎週木曜夜8時から1時間放送していた。
番組のストーリーテラーを務めたのは、フジテレビ平日昼の顔でもあったタモリだった。
物語の主人公たちを”奇妙な世界”へと誘う案内人である。

ストーリーテラー・タモリ
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【ガラモンソング】
同番組には印象的な楽曲が2つある。
一つは、ピアノの深みのある音が不気味な「ガラモンソング」だ。
同曲には、初期シリーズのエンディングに使用されたオリジナルバージョンと、サウンドトラックに収録されているバージョンの2バージョンが存在している。
「特別編」のエンディングはすべてオリジナルバージョンだった。
オリジナルとサントラ盤を比べると、音階は一緒だが使用されている楽器が違う部分がある。

サントラ「世にも奇妙な物語 TV復刻版」
また、エンディングの時間によっては、途中部分をぶつ切りでカットするパターンやAメロやサビの部分が繰り返されるパターンと、多くのアレンジがなされている。
コーラス部分を欠いたバージョンもあり、こちらも初期シリーズのエンディングや、初期シリーズを収録したVHS・DVDで確認が可能だ。

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ちなみに「ガラモンソング」は、2000年代に放送された人気バラエティ「トリビアの泉」で特集されている。
世の中における素晴らしいムダ知識(雑学)を紹介する同番組で、同曲がネタとして取り上げられていた。
トリビアの内容は”ドラマ「世にも奇妙な物語」のテーマ曲は手拍子しながら聴くと怖くない”というものだった。
思わず「へぇ~」となるトリビア。詳しくは下記動画でお楽しみ頂きたい。(※リンク切れの場合あり)
【ストーリーテラー】
番組でかかる楽曲として、もう一つ印象的な挿入曲が「ストーリーテラー」だ。
前述の「ガラモンソング」と比較して、ややアップテンポで、ドラマの劇中では主人公がまだ”奇妙な世界”に迷い込む前の、爽やかな日常生活を送っている時に多く使用されているイメージだろうか。いや、悲劇的なシーンにも使われているか。
頻繁に使用される挿入歌だが、劇中では「アレンジ盤」を使うことが多い。
『世にも奇妙な物語』の印象的な2曲は”蓜島邦明”の作曲によるもの
これまでに紹介した2曲の作曲は、蓜島邦明が担当している。
”はいしま くにあき”と読み、埼玉県(現)さいたま市出身の作詞家・作曲家・編曲家である。
近年関わった作品には映画「呪怨 -ザ・ファイナル-」(2015年)や「仮面ライダーアマゾンズ」(2016年)などがある。

蓜島は映画監督・脚本家の飯田譲治と友人で、飯田が『世にも奇妙な物語』の前身番組「奇妙な出来事」のスタッフだった縁で、世にも奇妙な物語のテーマ曲を「10年残るようなエバーグリーンな曲を」と依頼した。
それがきっかけで、蓜島はアニメやドラマの作曲を多く手掛けるようになったという。
世にも奇妙な物語に通ずる「悪いこと」「If もしも」「週刊ストーリーランド」「ココだけの話」「NIGHT HEAD」なども蓜島が音楽を担当している。ホラー作品では不協和音やノイズ風の音を散りばめたサウンドを多用する傾向がある。
サウンドトラックの録音時に、秒単位で時間を調整しながら指揮をするのが得意。
サントラに関する”トリビア”
まだレギュラー放送をしていた当時、1990年に発売されたサントラ「世にも奇妙な物語オリジナルサウンドトラック」。
1990年当時のものには付属のブックレットに「世にも奇妙な夢」というタイトルでプロデューサーの小牧次郎の解説が載っていた。
しかし、2000年に「映画の特別編」の公開にあわせて「TV復刻版」というタイトルで発売された復刻盤は、このテーマ曲を作った蓜島邦明のコメントに差し替えられている。

サントラ「世にも奇妙な物語」
本稿で紹介した独特な音楽が、世にも奇妙な世界をより不気味に演出していた。
現在も定期的にスペシャルが放送される長寿番組であり、これからも上質で奇妙な物語を作り続けていってほしい。
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